2025/02/19 07:02
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「観山ビジネスサロン」の主宰者、「観山」グループがどんな企業なのかを

知っていただきたくて、いろいろな角度からこれからも記事を書いて

いきたいと思います。

さて、今回は、社長に続き、副社長の川畑裕次郎のインタビューを

ご紹介します。

「NPO法人ファザーリング・ジャパン」さんの

「イクボス・ロールモデルインタビュー」という記事を

転載します。


今回のイクボスインタビューは、北九州市・福岡市で飲食店を

展開する株式会社観山(観山グループ)の代表取締役副社長

川畑裕次郎さんが登場です。

同社は、1982年、北九州市小倉の割烹旅館・観山荘本館から

料亭・観山荘別館が独立してスタート。その後福岡市に進出し、

会食等に最適な桜坂観山荘、モダンな日本料理レストラン

IMURI(イムリ)、西洋菓子工房IMURIの3店舗をオープン。

いずれも安定的な人気を誇っています。

多忙な印象の飲食店業界ですが、同社では最近、

男性社員が育休を取得し、話題となりました。


―4店舗すべて、人気が高い飲食店ですね。


川畑:私の父が、北九州市で観山荘本館を創業しました。

福岡に進出して約20 年になりますが、初めはとても苦労しましたね。’

99年にオープンしたレストランIMURIでは、設立当時から今の料理長と

店長、そしてスタッフの加計が一緒に頑張ってくれています。

この3人と15年以上ともにやってきたからこそ、今のIMURIが

あると思っています。

私たちのベクトルは、同じ方向を指していたと思います。

到達点は、「今日来店されたお客様に、満足して帰っていただけたかどうか」。

それが自分たちの仕事だという意識を、皆が共有していました。


―経営者と同じ意識を持っていたと。


私がいなくても、スタッフだけで回せる組織が理想です。

”自分のお店だ”と思って動いてほしかったので、ほとんどの権限を

スタッフにゆだねました。

例えば、料理長には、お客様に喜んでいただけるものを

提供するなら、決まったメニューは作らなくていいと言いました。

毎日仕入れた最高の食材を、料理長が好きな形で出してくれ、と。

今でも基本的には、そのスタイルです。

店長や加計にも、お客様にどういうサービスやプレゼントを出すか、

すべて任せました。

「ディスカウントなどお金に関することはできないが、

モノはいくらでも自由に使ってくれ」

「目線はお客様に向けなければだめだ」ということを、ずっと伝えました。


―目的と裁量を渡したのですね。勇気がいることだと思います。


川畑:人間なので、ミスは当然発生します。

でも、遠慮して何も行動しないより、失敗して学ぶことの方が

大きいですし、最終的にはお客様の満足へとつながります。

挑戦したことに対する文句は、一度も言ったことがありません。

一番嫌なのは、嘘と不正。自分のために不正を働いたり、

お店を私物化した人には辞めてもらったこともあります。

チームプレイなので、勝手なことをする人は自然と淘汰されていきました。

私の理想は、いろんなところが飛び出ているけれど、

遠くから見ると丸く見えて、ボールのように動き回ることができる組織が。


今の観山が、まさにそうです。こだわりの強い”職人”や

個性的なメンバーもいますが、だからこそ洋菓子店を作るなど、

新しいチャレンジができたと思っています。


―レストランIMURIの男性スタッフさんが2か月間の育休を取られたそうですね。


川畑:私自身、福岡に進出して2年目に結婚し、3年目に子どもを授かりました。

今では女3人、男1人のパパです。

立ち上げメンバーの3人にも、それぞれ子どもがいます。

当時は、子どもが生まれたからといって休むなど、考えられないことでした。

しかし今は、親になる人の育ってきた環境や受けた教育が、

私たちの頃とはまったく違います。

それに、子育ての大変さは私たちも分かっていたので、

一度やってみようということになりました。

決断したのは料理長です。

彼の方から「私たちがフォローします。2か月間、何とかみんなでやりましょう!」

と言ってくれたのも大きかったですね。

洋菓子店のメインパティシェにも、今年双子の赤ちゃんが生まれました。

お子さんが3人になり、彼が保育園の送り迎えをしなければいけなくなった。

そこで半年ほど、時短勤務を取り入れました。

初めは、他のメンバーから不満が出ないか心配していましたが、

話を聞くと「そんなことはない」と全員口を揃えて言うのです。

また、メインパティシェには「あなたが帰った後、みんな頑張ってくれている。

何かしてほしいことはあるか?」と聞きました。

すると、「通常の残業手当以外にも、手当てを出してくれないか」と提案されたので、

それも実施しました。

彼らの育休や時短勤務は、スタッフたちで考え、実現したことです。


もし私の方から、「育休したい、時短勤務したいと言っているから

何とかしろ」とトップダウンで命令していたら、反発を招いていたかもしれません。

子育てをしながら頑張るスタッフのために動く経験で、持ちつ持たれつの

関係がスタッフ同士で生まれ、みんなが支え合うようになったと思います。


―そのような配慮をするようになって、社内で何か変化はありましたか?


川畑:辞める人がいなくなりましたね。一緒に働く仲間のために動きたいと

思えるメンバーが残るようになりました。

業績も落ち込まず、安定しています。

”ここで働いて良かった”と思える会社に―イクボス10か条の中で、

特に心掛けている項目はありますか?


川畑:「ダイバーシティ」ですね。

子育ての事情を理解して、運動会などは必ず休めるようにしています。

夏休みには、子どもがいる社員のところにお肉を送るんですよ。

家族が笑顔になれば、スタッフたちも気持ちよく働けるのではないかと

思っています。


―社長自身のワークライフバランスはいかがですか?


川畑:最近、ようやくきちんと休むようになりました。

私の両親はほとんど休みなく働いていたので、それが当たり前だと

思っていたのです。

でも、私が休まないと従業員も気兼ねするのではと思い始め、

あえて月に3、4日は休日を設けるようにしました。

その時は、連絡も極力してこないようになりましたね。

私がいなくても、ちゃんとお店は回りますから。


―今後、イクボスとして目指すところはありますか?


川畑:来年から、深夜の営業形態を見直す予定です。

覚悟はいりますが、子どもがいる社員のためにも時間の改革は必要でしょう。

百貨店も定休日を作るなど、世間でも意識が変わってきていますよね。

常に忙しくしていては、いずれ脱落者が出てしまいます。

最終的に、スタッフが「この会社で働いてよかった」と思ってくれるようにしたい。

会社にとっても社員にとっても、良い環境を作りたいと思っています。


―川畑社長、ありがとうございました。

税務署から2回の優良法人表彰を受けている観山グループ。

安定した経営はさることながら、育休取得や時短勤務、就業時間改革の実現で、

ますます魅力的な会社になることでしょう。

毎日のように満席になるレストランには、

今日もお客様とスタッフさんの笑顔が溢れています。

<企業情報>企業名:株式会社観山(観山グループ)本社所在地:

福岡県北九州市小倉北区




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