
今回の記事は、社長の川畑康太郎氏の
インタビューパート2です。
不動産情報センターの記事の転載。
小倉から福岡に店を進出させるところ
から始まります。
どうぞお読みください。
川畑氏:別館と同じく主要駅から少し離れた
エリアでゆっくりと食事をお楽しみいただきたい、
というコンセプトで平成9年(1997)に
オープンしたのが福岡市初店舗の「桜坂観山荘」です。
■川畑社長はその「桜坂観山荘」を立ち上げから任されたとか?
川畑氏:私は高校卒業後、大学浪人を経て
アメリカに留学し、卒業し帰国と同時に別館に入社、
最初の一年は事務の仕事を覚えながら皿洗いをしました。
桜坂観山荘を任されたのは28歳の頃です。
その後、弟やスタッフと一緒に和洋の料理を
アラカルトで楽しめる日本の料理屋「IMURI(イムリ)」、
お持ち帰りとお取り寄せのスイーツ専門店
「西洋菓子工房IMURI」を立ち上げました。
北九州の観山荘別館を含めて、観山グループとして
現在この4店舗を経営しています。
■「観山荘別館」は旬の食材を使ったお料理はもちろん、
日本庭園も素敵ですよね。
川畑氏:ありがとうございます。
別館は企業さまの集まりや団体さまの
ご利用が多かったのですが、コロナ禍になり
大人数の会合や宴会はやはり少なくなりました。
反面、以前に増して個人のお客さまに
ご利用いただけるようになり、今は個人利用と
団体利用の割合が半々くらいです。
長いコロナ禍を経て、ようやく再び、お客さまの
にぎやかな玄関の出入り、靴箱いっぱいに
靴が並んでいるのを見ると込み上げてくる想いがあります。
■一般的に料亭と聞くと敷居が高いイメージも
ありますが、御グループはお値段もお料理の
内容も公式ホームページでオープンにされていて
大変助かります。
川畑氏:ひと昔前の料亭や小料理屋さんは
値段が分からないことも多かったですよね。
お会計になって金額だけが書かれた紙をそっと
渡される、というような。
そういう古いやり方はやめて、
何がいくらか分かりやすい明朗会計にしよう。
お料理も、食材の入荷状況で変更になる部分が
あるとしても、なるべくオープンに分かりやすく
お伝えしようとホームページを作る時に決めました。
■新しい試みに意欲的ですよね。
私が初めて伺った頃は座卓でしたが、
途中から畳敷きの和室にイスが配置された
和洋スタイルに変わって、斬新で驚いたのを覚えています。
川畑氏:和室にイスとテーブルという組み合わせは
桜坂観山荘の立ち上げ時に始めました。
26年前はそういうスタイルはまだ珍しかったのですが、
好評だったので別館にも取り入れたんです。
父曰く「福岡でこの様式を最初に始めたのはうちだ」と
言っていましたが、本当かどうかは定かではありません(笑)。
でも、いつも新しいことを取り入れる父でした。
■お料理とあわせて落語・演芸を楽しめるイベント「観山寄席」も
好評ですよね。もう50回以上開催されているとか?
川畑氏:観山寄席は懐石料理とお飲みもの(飲み放題)、
落語がセットになったイベントで年3回催しています。
最初は広間の有効活用で始めたんです。
大人数の宴会は毎日はありませんし、
広間を遊ばせているのももったいない。
何か喜ばれるようなイベントはないかと考えて、
20年ほど前はまだ落語も九州ではあまり見られませんでしたから
珍しいしやってみようかと。プロの噺家さんをお招きしますので
話芸はお墨付き、毎回広間がどっと沸いておかげさまで大変好評です。
■川畑社長ご自身についても伺わせてください。
川畑社長からご覧になって北九州の魅力はどんなところでしょうか?
川畑氏:私は北九州で生まれて育ち、桜坂観山荘の立ち上げを機に
福岡市へ移り住みました。トータルで数えると福岡市で暮らした年月の
方が長くなりましたが、今も感情が高ぶると無意識に北九州弁が
出るみたいなんです。
妻と口喧嘩すると「口が悪い!」と注意されます(笑)。
6年前に父が亡くなり仕事でも北九州で過ごす時間が増えたのですが、
たしかに客観的に見ると北九州の言葉は荒い(笑)。
だけど、本心は違うんですよね。
会合などでいろんな方にお会いしますが、皆さん面倒見がよくて情が深く、
人間が温かいと感じます。
周りを見れば自然が豊かで食材も豊富、北九州空港は24時間利用可能ですし、
街全体がずいぶんきれいに便利になりましたよね。
だからこそ、そうした良さをもっと活かせるんじゃないかという
想いもあります。
市外から赴任してきた方と話をすると口をそろえて
「北九州は良い、住みやすい」と仰るんです。
高校や大学を卒業後、多くの人が市外に出てしまう状況ですが、
若い世代の方々も同じように北九州に強い魅力を感じているでしょうし、
留まれるようなものがあるといいなと思います。
■プライベートの時間はどのようにお過ごしでしょうか?
川畑氏:以前は年1回の家族旅行以外は休みをほとんど取りませんでした。
ですが、コロナ禍を機に今はスタッフがそろう日曜を私の休みにしています。
去年の春に末の娘たちが巣立ち、これから夫婦ふたりでどう過ごして
いこうかという話から妻もゴルフを始め、最近は夫婦で練習に
行くようになりました。
ただ、私がつい「もっとこうすれば良いのに」と口を出してしまい、
妻が「あれもこれもできん!」とケンカになるので、いらんことを
言わないように気をつけています(笑)。
一人の趣味は篆刻(てんこく)です。
石などに印を彫るもので、書やハガキにサインとして押す
スタンプのようなものですね。
昔から書道が好きなので、自分の書に手作りの篆刻印を押したくて
始めたのですが、かれこれ20年くらい続けています。
今も月2回、先生に教わりながら書道展や日展に作品を出品しています。
■最後に、座右の銘を教えてください。
川畑氏:大切にしているのは「感謝」という言葉です。
難しい言葉ではなくて、感謝という言葉が好きなんです。
お客さまに対する感謝、一緒に働いてくれる従業員への感謝、
家族への感謝、魚や肉、野菜など自然の恵みへの感謝。
ずっと大切にしていきたい言葉です。