みなさまこんにちは!


シニアライフ田無のシニア向けシェアハウスのお話の続きです。

前回、シェアハウスの場合、「誰と暮らすか?が暮らしの質を左右する」というお話をしました。

これがシェアハウスという暮らしが求められるにも関わらず、広がらない理由です。

「個室と共用スペース」というハードをつくったとしても、暮らしの質が実際住むまで分からないので入居に至らない。


コミュニティが大きく薄ければ問題ないのですが、コミュニティが小さく濃密だと逃げ場も無くなります。

今まで僕は、学校のクラス二つ分の70人~80人くらいが良くて、せいぜい3つ分までくらいのコミュニティ住宅をつくってきたので、逃げ道はありましたがシェアハウスではそうはいきません。


若い人のシェアハウスは増えているじゃないか!という声も聞こえてきそうですが、若い人は、「ここは合わないな」と思えば、次から次へとホッパーのようにフットワーク軽く引っ越すことができますが、シニアの場合はそうもいきません。


引っ越しにもエネルギーがかかるし、切羽詰まっている状態であれば移動せず我慢する選択肢を取るしかない場合も考えられます。

※介護施設なんかもそうかもしれません。弱者であるが故、選択肢が限られれる。


そう考えたときに、シェアハウスを広めていく選択肢は2つ考えられると思っています。


一つ目は、

「次から次へと行ける選択肢を広め、エネルギーがかからない環境を整える。」

二つ目は、

「たとえ小さくとも行き詰まらないコミュニティをつくる」


シニアライフ田無ではまず、「たとえ小さくとも行き詰まらないコミュニティをつくる」ということの工夫をし、それが再現性可能なようにできないか?を考えています。

※誰でもできる再現性が無いと、広がっていかないので。


シニアライフ田無での工夫① 「共同生活」ではないことをしっかりと伝える。

シニアライフ田無での暮らしは、シェアハウスですが、「共同生活」ではなく、「自分の自由な暮らし」が先にあり、最優先される。

まずは、ここの共通理解をしっかりと全員で共有することを心がけています。


具体的に言うと、「共同生活」というとご飯を当番制でつくるとか、なんかいろんな決まり事やルールがたくさんあるイメージがあると思うのですが、決まり事やルール、当番などをできる限り少なくすることを心がけています。


なので食事も、自分が好きな時間に、好きなものを食べる。買ってきても良いし、レンジでチンでもいいし、キッチンでつくって食べてもいい。


そして、ルールや決まり事をつくるときの方針は、「自宅で一人で暮らしているときも楽に

なるよね。」ということを頭に入れています。

例えば、ゴミ出し。燃えるゴミが週に1回あると、ひとり暮らしの場合、月に8回出すことになります。でも4人で分担すれば2回で済む計算になります。

であれば、決まりごとにした方が一人暮らしよりも楽。みんなでやったほうが楽だよね、ということは決まりごとにします。


この考え方は、生活科学運営で働いていた時の経験までさかのぼります。

ライフ&シニアハウス日暮里というものを運営していたのですが、その中にコレクティブハウスが併設されていました。

※コレクティブハウスとは個々の住戸にトイレ、浴室、キッチンが完備されており、住まいの延長としての共有スペースをもっているタイプの住まい方です。


コレクティブハウスは食事づくりなども当番制でした。食事をつくる当番はそれほど回ってこないのですが、他の人の食事をつくるって結構神経使うし、はっきり言って面倒くさい。


ゆいま~る伊川谷やゆいま~る那須をつくっていた時も、プロジェクトチームが現地で暮らしながら進めていくのですが、ほぼ共同生活で、食事づくりやもろもろ当番制でルールがたくさんありました。


どれも「共同生活」が先にあった考え方です。「共同生活」が最優先で、大事にする。

シニアライフ田無では、逆で、「自分の暮らしを最優先にする」が方針です。


シニアライフ田無の工夫②は長くなったのでまた次回に!


現場からは以上でーす!

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