
[1]現代物理学の最終目標、超大統一理論への仮説
現在、核力と電磁気力は統一されているが、この統一理論と重力との統一が未完成である。その最有力候補として超弦理論が研究されているが、いまだ完成とは遠いレベルにある。
アインシュタインが完成させた重力の理論、一般相対性理論は宇宙等の極大の世界を解明し、量子力学は素粒子等の極微の世界を解明した。両者の統一は理論物理学の究極の目標であるが両者は水と油のごとく根本的に馴染まず、未完成のまま今日も挑戦が続けられている。
素粒子脈動原理がその扉を開く。
光子は励起された物質波。
核力・重力・電磁気力統一の図説
素粒子脈動原理による核力・重力・電磁気力の統一
[電磁気力]
電磁気力とは、素粒子脈動に基づき、素粒子から放出・吸収される光子と光子との相互作用であり、光子自身の脈動によって、場に放出・吸収される光子のエネルギーと他の光子のエネルギーとの接触によるエネルギー相互の直接作用である。放出中のエネルギーか吸収中のエネルギーかによって正の電荷と負の電荷とに分かれる。
[重力]
重力とは、素粒子脈動に基づき、素粒子が放出した光子の空乏空間と、他の素粒子が放出した光子の空乏空間とが相互に接触した際に、対称性に復帰させようとする空間の作用力であり、引力となる。光子相互間の作用力は、素粒子脈動に基づく素粒子との光子放出・吸収行程を介して各素粒子に伝達される。光子の空乏空間とは空間の歪みの量子であり、重力量子であって、相対論的量子重力理論を導く。
*予言:重力の媒介量子は光子であり、光子の空乏空間が重力量子である。
[核力]
核力とは、素粒子脈動に基づき、各々の核子が形成させた対称性の破れの負領域(空乏空間)が相互に接触した際に、対称性の状態に復帰させようとする空間の作用力である。空乏空間は水中の気泡に対応し、対称性への復帰作用力は、水圧による2個の気泡を押しつぶそうとする一体化圧力に対応する。接触によって生じる作用力であり、近距離作用力である。
素粒子脈動原理が導いた量子重力方程式
素粒子脈動原理(別名、暗黒エネルギー脈動原理)が導いた量子重力方程式において、一般相対論おける重力方程式の右辺にある宇宙定数Λをゼロであると仮定している。その根拠は、宇宙空間に均一に分布する超希薄で、互いに反発しているエネルギー(暗黒エネルギー)が宇宙定数Λの特性にぴたりと一致するからである。脈動原理はその暗黒エネルギーの平均密度を水平線で表し、質量ゼロと設定している。宇宙全体が膨張・収縮して暗黒エネルギーの平均密度(水平線) が上下に変化してもそのレベルを水平線として設定し、その水平線からの濃度変化を質量の正と負の変化としている。 従って、宇宙の膨張によって暗黒エネルギーの平均密度が変化しても物理法則は変わらない。暗黒エネルギー波形図の水平線を質量ゼロと設定し、水平線から上を正質量、水平線から下が負質量と設定している。 質量ゼロの水平線は上下の4次元空間を分ける3次元空間であり、我々が認識している膜宇宙を表している。
真空空間を満たす暗黒エネルギーの値と、量子力学によって試算した真空空間のエネルギー値との130桁もの膨大な差を、宇宙における真空空間に潜む暗黒エネルギーのエネルギー平均密度を、質量ゼロの水平線であると仮定することで、123桁もの差の問題を解決する。下記の文中の「ある数を完全に相殺することなく、10の123乗の一の小さな値にすることなど、どうすればできるだろうか。」における解決策として、まず123桁の超希薄エネルギー(質量)をゼロに設定した後に、素粒子の質量に相当するレベルのエネルギー(質量)変化(物質波)を加味することで下記の課題を解決している。
脈動原理によれば、脈動する場の質量総和(=エネルギー総和)は正負の質量(正負のエネルギー)が相殺し、ゼロであるとしているので、重力方程式に挿入した波動関数のエネルギー総和(質量総和)もゼロであり、元の重力方程式に影響を与えず等価であると理解できる。量子力学的観点によれば、一般相対論は古典論であるとされているが、脈動原理が導いた量子重力方程式は上記の波動関数を挿入することで古典論から脱皮したものとなる。その方程式は量子力学の全ての特性を備えたものであり、不確定性原理や確率、真空のゼロ点エネルギー振動、真空空間のゆらぎ、確率計算、くりこみ処方、波動関数等などの特性を具備した方程式となる。この方程式は、マクロな空間を扱う時は、波動関数の項はエネルギーゼロとして無視して計算し、ミクロな事象を扱う時は巨大なエネルギーを扱う従来の重力方程式の項は無視して波動関数の項だけを計算することとなる。しかし、ビッグバン宇宙論のようなミクロ空間での量子力学と相対論とを同時に扱うような場合には、ここにしめした量子重力方程式の出番になるものと考えられる。