2020/11/12 20:00
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//もちおのソフトテニスノート

//2020年11月12日(木) 第302号


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先日、ブログに投稿した記事をこちらのメルマガにも投稿します。(なるべく多くの人に読んでいただきたいので。。)


(以下、本文)


ソフトテニスのフォアハンドストロークで「脇を締める」ということがよく言われますよね。


でも本当に「脇を締める」べきなの?それだと窮屈な打ち方にならない?

って疑問に思ったことがある人は少なくないはず。


あと、ボールを1個脇に挟んで、そのボールが落ちないようにスイングする「脇締め打法」の練習を提案されて、


いやいや、これおかしくない?

って思った人もいるかもです。


って書いている僕自身は、脇を締めた打ち方の方が良いとずっっっと思っていました。そして、脇締め打法でボールを打っています。


んが!


硬式テニスのプロのプレーを見てみると、、、、



Roger Federer Forehand Slow Motion Court Level View - ATP Modern Tennis Forehand Technique



むしろ脇が空いて腕が伸びた状態でインパクトしている選手が結構いる!なんてこった!


これを見て、

もしかして「脇を締める」っていうのは100%正しいわけじゃないってこと?僕は今まで間違ったことをしていたの?って焦った。


というのも、僕は、硬式テニスの方が技術についてよく研究されていて、発展していると思っているから。だって、硬式テニスの方が世界中でプレーされていて競技者も多いですからね。(こういうことを言うとすぐに「軟式を見下すな!」って言う人が出てくるから嫌なんですけど)


ということで、フォアハンドストロークの時の腕の伸ばし具合について、僕なりに考えたことを書くことにしました。


※理屈を考えるので、「理屈とかどーでもいいよ!オレは感覚でテニスをするんだ!」っていう人は読まない方が良いです。「どーーーぞご自由に!これからも感覚でテニスしてくださーーーい!」って感じです。(僕はセンスも抜群の身体能力もないので、理屈を考えたいと思っています)


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ソフトテニスでは「脇を締める」べき?
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この手の話でよく結論として出てくるのが、


ボールとラケットが違うからだよ

っていうやつ。

「軟式と硬式はボールの性質とラケットが違うからだよ」っていう説明です。


確かにそうだとは思うんですけど、もしこれを言うんだったら、


軟式のボールは○○で、こういう打ち方をすると□□になっちゃうから、△△の打ち方をするべきなんだよ。△△の打ち方をすれば、★★になるからね。


って感じで、ちゃんと説明しないといけないと思うんですよね。


僕の本音をぶっちゃけて言うと、


丁寧に理屈を説明せず、「ボールとラケットが違うんだから打ち方も違うんだよ」で済ませてしまうのは、ソフトテニス界の良くない風潮だと思っています。


あと、「本人が打ちやすければそれで良いんだよ」っていうよくあるやつも、それは確かにそうかもしれないけど、思考停止の賜物だよねって思っています。


「腰を入れると良いボールがいくんだよ!」っていうのも説明になっていないと思っています。



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脇にボールを挟んでスイングする打ち方は間違っていると思う
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先に僕なりの結論を言います。


僕は、「ボールを1個脇に挟んで、そのボールが落ちないようにスイングする打ち方は間違っている」と思っています。


そんなに脇を締めたら腕を振りにくいし、上手い人はそうやって打ってないし!って思うので。


例えば、船水颯人プロは、そこまで脇を締めて打っていません。



【船水颯人】フォアハンドストローク公開っ!【プレー動画】


韓国のキムドンフン選手もです。



韓国代表 キムドンフン選手の乱打 ソフトテニス Soft Tennis



いろいろ調べていろいろ考えた結果、

腕をピンと伸ばし切るのはよくないけど、それなりに腕を伸ばして打った方が良いんじゃない?

って思うようになりました。(少なくとも、脇にボールを挟めるくらい「脇を締める」のは間違っている)


理由を説明します。(長いから覚悟してね)



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ボールが飛ぶということ
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まず、ボールが飛ぶっていうのはどういうことなのか?っていうそもそも論から始めます。(じゃないと説明が曖昧になってしまうので)


「ボールが飛ぶ=ボールにエネルギーがある」ということですよね。


じゃあそのエネルギーはどうやって得られるか?というと、方法は2つ。



①飛んでくるボールのエネルギーを反発させる

②スイングしたラケットのエネルギーをボールに伝える


すごく雑に分類すると、ボレーは①、フォアハンドストロークは②です。


んで、今回考えたいのはフォアハンドストロークなので、ラケットスイングによって生まれるエネルギーを取り上げます。



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スイングによって生まれるエネルギー
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物理の式で言うと、ボールに伝わるエネルギーは


1/2 × (ラケットの重量) × (ラケットの速度)の二乗


になります。いわゆる運動方程式っていうやつ。


この式からわかるように、速度が重要なんです。


車がぶつかるのをイメージするとわかりやすいです。車がぶつかる時のエネルギーは、車の重量と車のスピードによって決まりますが、車の重量よりも車のスピードの方がより大きな影響を及ぼすということ。超重い車がノロノロやってきてぶつかったとしても痛くありませんが、超軽い車が猛スピードでやってきてぶつかったら(たぶん)死にますもんね。


これはテニスでも同じ。

ラケットのスイングでボールにエネルギーを伝えようと思ったら、ラケットの重さよりもスイングスピードの方が重要なんです。


重いラケットを使えばより強いボールを打てるけど、それよりもラケットのスピードを速くしたほうが良いよってことです。



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ラケットのスピードを上げるには?
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ここまでの内容を一言でまとめると、

より強いボールを打とうと思ったら、ラケットのスピードを上げることが大事だよ

です。


じゃあ、ラケットのスピードを上げるにはどうしたらいいのでしょうか?



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回転半径が小さい方が速く回る
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ここで考えるべきなのは、「回転半径が小さい方が回転スピードは速くなる」ということ。(回転半径が小さいほど、回転し始めるのに必要なエネルギーは少なくて済む)


フィギュアスケートのジャンプやスピンを思い浮かべるとわかりやすいです。



フィギュアスケート 超高速スピンを速さ順に並べました TOP5 【   It was lined ultra-hi   】超高速スピン回転速度対決!!   1位は 浅田真央? 村主? プルシェンコ?


回転スピードを上げる時は、腕や脚を体に近づけて回転軸を細くしていますよね。


ちなみに、ソフトテニスでテイクバックを小さくするべき理由(の1つ)が、ここにあると思っています。


テイクバックを小さくして体に(回転軸に)近づけておけば、そこからスイング(回転)し始める時により少ないエネルギーで済むんです。

※小さすぎてもダメなんだけど。この点について考えていることはまた今度書きます。

※硬式の選手はラケットを立ててテイクバックします。あれは回転しやすくするようにしているんだと思います。


まとめます。


より強いボールを打とうと思ったら、ラケットのスピードを上げることが大事

回転半径が小さい方が回転スピードは速くなる


こうやって考えると、

「じゃあ脇を締めて回転軸を細くした方が良いじゃん!」って結論づけたくなるんですけど、まだ考えるべきことがあります。



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回転軸から離れたところの方がスピードが速い
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テニスにおいてスピードを高めるべき場所はラケット面ですよね。ラケット面でボールを打つわけなので。


つまり、ラケット面のスピードを最大化することが目標。そうすれば、より大きなエネルギーが生まれて、より大きなエネルギーをボールに伝えられるようになるんです。


んで。


ここで考えるべきなのは、「同じ角度を進むのであれば、先端の方がスピードが速くなる」ということ。


これだけだとイメージしづらいですが、例えば10人で手を繋いでぐるっと回転するのをイメージするとわかりやすいです。


回転軸に近いところにいる人よりも、端っこにいる人の方が速く走らなきゃいけない(回転スピードが速い)ですよね。


運動会の台風の目をイメージしても良いかもしれません。



体育祭「台風の目」


これでコーンをぐるっと回る時、根本よりも先端の方がスピードが速いですよね。

(ちなみに僕は幼稚園生の時にこれをやって、回転する時のスピードについていけずに棒から手が離れてしまいました。でも他の人たちはそんなのお構いなし!って感じで、僕を置いて走って行きました。腕を伸ばして「待ってー」って後ろからついていくことになった思い出があります。くそー)


回転している物体に長さがある時、同じ角度を進むのであれば、回転軸に近いところよりも回転軸から離れたところの方がスピードが速い。


この物理現象を考えると、

(回転軸に近い)ラケットのグリップのスピードよりも、

(回転軸から遠い)ラケットの面のスピードの方が速く、

(回転軸から最も遠い)ラケットヘッドのスピードが最も速い

ということが言えます。(だからこそ、「ラケットヘッドが走る」という現象が起きるわけです)



ちなみに、ギリギリでキャッチしてラケットヘッド付近で打ったボールがむちゃんこ速いボールになった!っていうのも、「回転軸から遠いところのスピードは速いから」という理由で説明できると思っています。


まとめます。


より強いボールを打とうと思ったら、ラケットのスピードを上げることが大事

回転半径が小さい方が回転スピードは速くなる

同じ角度を進むのであれば、先端の方がスピードが速くなる


つまり、脇を締めてスイングをする打ち方だと、ラケットの面のスピードがMAXにならないよね?ってことが言いたい。


んで。


以上のことを踏まえると、



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曲げた腕を伸ばしていく中で打つべきなのでは?
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って気がしたです。


回転が始まってさえいれば、「同じ角度を進むのであれば、先端の方がスピードが速くなる」ので、腕を伸ばしてラケット面を回転軸から離した方が良いはずなんです。


そうすれば、ラケット面のスピードがより速くなるからです。


つまり、


スイングを始める前は小さくテイクバック

小さなテイクバックから回転を始める(ラケットを打点に引き込む)

回転が始まったら腕を伸ばしていく

腕が伸びたところでインパクト(→より大きなエネルギーをボールに伝えられる)


っていうこと。これが物理的に考えた時の、ラケット面のスピードを最大化する方法だと思っています。


疑いたくなりますよね。脇を締めて打つ練習をずっとしてきた僕も、すぐには受け入れられませんでした。


けど!

軟式って「腕を伸ばしてから縮める」ことが推奨されている感じですけど!、

実は「腕を縮めてから伸ばす」イメージの方が力学的には理にかなっているっぽいのです。


実際、硬式の近藤プロも「腕を伸ばしていくイメージにした方が良かった」的なことを言っています。↓



【みんラボ】近藤大生プロ フォアハンドストローク最近のこだわりポイント


まじか。



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「脇を締めない=腕を伸ばす」デメリット
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ただ、デメリットもあると思っています。


①より負荷がかかる

ラケットを体の中心軸から離してしまうと、ラケットを支えるためにより筋力が必要になります。


いわゆる「テコの原理」ってやつです。例えば大きな荷物を持つ場合、体に近づけたところで持つよりも、腕を伸ばして体から遠ざけたところで持つ方がシンドイ(=筋力が必要)ですよね。それと同じ。


腕を伸ばした場合、重い打球の負荷をモロに感じることになりそうです。

(とはいえ、硬式の重いボールでも打ち返せているんだから、軟式の軽いボールなら大丈夫じゃない?って思わなくもない。このあたりはよくわかりません。)


②腕をピンと伸ばすとケガにつながる

さっきのもケガにつながるっていう話ですが、それと似た話で、腕をピンと伸ばしてしまうと「遊び」がなくなって、関節にモロに衝撃を与えてしまうことになってケガしそうです。


腕を伸ばして打つ方が良いのでは?って思うようになった僕でも、腕をピンと伸ばして打つ勇気は正直ありません。ケガ怖い。


腕は伸ばすけど軽く曲げる程度、が無難な気がしています。



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ソフトテニスで「脇を締める」メリットは?
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以上、長々と書いてしまいました。ここまで付き合ってくださってありがとうございます。


もう一度言うと、僕自身は脇を締めた打ち方の方が良いとずっっっと思っていて、今も脇締め打法でボールを打っています。


んが。


ここまで説明した理屈を考えたら、硬式でも軟式でも


スイングを始める前は小さくテイクバック

小さなテイクバックから回転を始める(ラケットを打点に引き込む)

回転が始まったら腕を伸ばしていく

腕が伸びたところでインパクト(→より大きなエネルギーをボールに伝えられる)


ってのが良いのでは?って思うようになりました。



Roger Federer Forehand Slow Motion Court Level View - ATP Modern Tennis Forehand Technique


みなさんはどう思いますか?


「脇を締める」メリットがあるんだよ!ちゃんと理屈で説明できるんだよ。オマエはわかってないなー!


って人は、ぜひ教えてください。


じゃ、またね。

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