2020/04/25 18:00
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「スルガ銀行「かぼちゃの馬車」事件、借金帳消しは甘すぎやしないか」


女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」などを巡る投資用不動産向けの不正融資問題について、3月25日、スルガ銀行とシェアハウスオーナーが解決方法で合意した。だが、今回の解決方法について多くの投資会社や投資家からは疑問の声が上がっている。


サブリースとは、不動産会社が不動産のオーナーに対して、毎月の家賃を保証する制度だ。賃貸物件を持つオーナーから不動産会社が一括で部屋を借り上げ、入居者を探して又貸しすることで、毎月の家賃を保証する。オーナーは自らが入居者探しをする必要がなく、空室リスクがない上、賃貸物件の運営・管理も行わなくて済む。


このサブリースを使い、女性向けシェアハウスを「かぼちゃの馬車」というブランド名で積極的に展開したのが、不動産会社「スマートデイズ」だった。2015年に「30年間家賃保証」を謳ってスタートした「かぼちゃの馬車」は、年8%以上の利回りを保証していた。


当初は順調だった「かぼちゃの馬車」だが、次第に入居率に陰りが見え始め、50%に満たない物件が増加し始める。そして、2017年11月にはオーナーに支払うサブリース賃料の減額が行われ、ついに2018年1月には賃料の支払いが停止したことで、問題が表面化した。


スルガ銀行が借り入れ希望者の源泉徴収票や預金残高を改竄したり、契約書を偽造したりする不正融資が横行していたことも判明。実勢価格より高値で物件を買わされるなど悪質なケースもあり、返済に行き詰まるオーナーが相次いだ。


2020年3月25日、スルガ銀行と被害弁護団は解決方法で合意に至った。その解決方法とは、不動産購入向けの融資と不動産を「相殺」するというもの。つまり、土地と建物の物納を条件に、借金を帳消しにするのだ。


問題の主軸がいつの間にかスマートデイズという不動産投資会社からスルガ銀行による“不正融資事件”にすり替わってしまった点。もうひとつが、この問題はスマートデイズが「かぼちゃの馬車」という商品を使った“詐欺事件”だったのか、それとも同社の単なる“投資の失敗”だったのかという点だ。


今回の解決策では、借入金の返済免除を行うことでスルガ銀行には損失が発生する。一方、オーナーは借入金の返済が免除されることで利益が発生する。これは「債務免除益」に該当する。


スマートデイズは必ずしも詐欺を目的としていたわけではなく、最初は順調だったビジネスモデルが無理な運用計画で崩壊したわけで、オーナーたちは「詐欺話に引っかかった」というよりも、「投資に失敗した」という側面が強い。


新築アパートの運用利回りが7%程度だった時、スマートデイズは「かぼちゃの馬車」について8~10%の利回りを謳っていた。サブリースという制度を詳細に勉強し、あるいは長期的なキャッシュフローを自分自身で算定し、投資の採算の検証を行っていれば、スマートデイズの「うまい話」に疑問を持ったはずだ。


そこには、投資について自らが勉強することもなく、安易に儲け話に乗った結果、大きな経済的被害を被ったオーナーたちの姿がある。


「かぼちゃの馬車」問題は、改めて投資教育の重要さを示しているのではないだろうか。


(柳澤のコメント)

今回は、スルガ銀行も悪質な融資を行ったので、和解が合意しましたが、投資の基本は自己責任です。失敗した時に、損失を保証するのは、出資法違反になります。


オーナーは騙されたと思っているのかもしれませんが、記事にあるように、投資のことをわからず、投資を行えばこうなります。


楽して儲けたいという思いが、安易な投資話に飛びついてしまったのだと思います。投資の勉強のできない人は、そもそも投資をしてはダメだと思います。


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