2019/09/26 09:11
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先日「NLP(自然言語処理)の不自然な返答を調整できないか」と言う主旨のご意見がスポンサー会員様から寄せられました。その対応状況についての報告です。結論から述べると、現在のシステムでは難しい調整のため、今後の大きなアップデートの際に実装すると言う判断になりました。

現在、研究会で使用している人工知能FERMIは「FiSS(Fermi inside Script System)」と呼んでいる自然言語処理エンジンによって日本語での制御を行っています。現在、FiSSは第三世代が実装されています(以下FiSS3)。

FiSS3は単語の認識とその組み合わせによる意図の推測、不足している意味の推論を行いますが、そのときに処理している文章の前後関係については参照しないよう設定されています。例えば、「今日の体調は5」と言うメールの後に、独立したメールで「やっぱり3」のように報告しても別々の報告として扱います。これはFiSS3の性能で認識精度を優先した結果の仕様です。そのため入力された文章の内容によって、特に時間が前後する内容については返答が不自然になることがあります。

本件についていくつかの改良案を試験しましたが、残念ながらFiSS3では現在の安定性を損なう恐れがあるため実用化は困難であると判断しました。今後実装を検討している次世代のFiSS4では、FiSS3と比べて同じ単語の認識数でも数千倍多くの表現を認識することが可能です。その性能であれば本件に関する調整が安全に行えるため、今回のご意見はFiSS4と共に実装を行うことを予定しています。それまで今しばらくお待ちいただければ幸いです。

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