2022/04/30 13:36
(宇野常寛からのメッセージ)

試験的に「宇野常寛ゼミ」をはじめます。コンセプトは「僕程度には、何でも書けて、話せる人の育成」です。僕が批評家として、さまざまな媒体の編集者として考えていることと、スキルを教える講座です。作品分析、時代への応答、ライフスタイルまでさまざまなテーマを扱います。時々ゲストも呼びますが、基本は僕の指導です。ただ動画を見ているだけでも学べるように工夫しますが、参加型の授業も考えています。「大人の社会科見学」的なアクティビティも用意しています。当面、僕の直接の知り合いとPLANETS CLUBメンバーのみの参加に限定します。よろしくお願いします。


▼このゼミのコンセプトや講義内容を解説したプレ講座を公開中です。


プレ講座では宇野ゼミのコンセプト、当面の内容、受講形式、学習のコツなどを説明しました。全編をPLANETS YouTubeチャンネルで公開しています。


▼これからの開催予定
8/8(月)「『庭』の条件:『動いている庭』から『他自然ガーデニング』まで」

タイトルを見て誤解されたら困るのだけど、僕は環境保護の話をしたいわけではないのです。そうではなくて、近年の人間と自然との関係をめぐる思考のアップデートを手がかりに、僕たち人間にとって好ましい「場」とはなにかを考えることが主眼です。そのために、「庭」や「場所」をめぐるいくつかの思考を紹介し、解説します。それはきっと、僕たちの暮らすこの社会のデザインに大きなヒントを与えてくれるはずです。

8/31(木)「緊急特別対談 『政治と宗教/社会とカルト」』松本紹圭×宇野常寛」

安倍晋三元首相の暗殺事件をきっかけに、旧統一教会と自由民主党の関係が大きく注目を集めている。「政治と宗教」という古くて新しい問題の現在形とは? そして既存の宗教は現代の「カルト的なもの」に対して、あるいは山上容疑者の抱えていた救われなさに対してどうアプローチするのか? 今回は予定を変更して、松本紹圭さんを招きゼミ生のみなさんと一緒に議論します。

9/9(金)「なぜ、Web2.0下の民主主義はうまくいかないのか:疫病と戦争の時代と脱プラットフォームの思想」

ブレグジット/トランプの衝撃が世界を揺るがした2016年から6年、コロナ・ショックとウクライナ戦争の渦中にある世界は、未だにリベラル・デモクラシーの乗り上げた巨大な暗礁に戸惑い続けている。その背景に大きく存在しているのがWeb2.0、とりわけSNSプラットフォームの中心化以降のインターネットの相性の「悪さ」である。今回はこの問題を、宇野の新著『砂漠と異人たち』(朝日新聞出版、10月刊行予定)の内容を先取りしつつ、考察する。コロナ・ショックとウクライナ戦争から浮上する、情報と人間の不幸な関係とその突破口とは。前著『遅いインターネット』の議論を完全にアップデートする。

9/29(木)「作品分析の方法(3) 『機動戦士Vガンダム』第6話「戦士のかがやき」を素材に」

テレビアニメの途中の1エピソードは、それ単体で評価することは難しい。しかしそれゆえに、与えられた断片から全体を想像すること、それを慎重に自己点検すること、そして細部の表現に注目する訓練を積むには最良の素材である。本講座では宇野が愛して止まない『機動戦士Vガンダム』第6話「戦士のかがやき」を素材に、正味25分間に描かれたものから、最大限のものを引き出す過程を実演する。

(取り上げる主なテキスト)

『機動戦士Vガンダム』#6 「戦士のかがやき」

10/6(木)「吉本隆明を(情報社会論として)読み直す」


「戦後日本最大の思想家」として、60年代の学生運動に大きな影響を与えた吉本隆明。しかしその思想の多くはすでに乗り越えられたものとされ、今日に顧みられることはほぼない。しかし、吉本の仕事を批判的に読み替えることで私たちは今日の情報社会を考える手かがりを得ることができる。本講座では『遅いインターネット』で展開した「情報社会論として吉本隆明を読み替える」思考を大きく発展させ、私たち個人と世界とを架橋することばの再構築を試みる。


▼これまで開催した講座

※どの回もアーカイブで視聴できます。

「作品分析の方法(1)『機動警察パトレイバー2 the Movie』の冒頭30分を素材に」

『機動警察パトレイバー2 the Movie』Blu-ray発売中
Ⓒ1993 HEADGEAR / BANDAI VISUAL / TOHOKUSHINSHA / Production I.G
販売:バンダイナムコフィルムワークス

映画『機動警察パトレイバー2 the Movie』の冒頭30分を題材に、宇野が普段行っている作品分析の思考回路を開陳。そこで描かれたものをどのように把握し、分析し、そして作品外のものと関連付け、論点を設定し、批評するかを解説します。


「2022年の世界を理解するための10冊と、その批評的な解説」

宇野の考える、現代を考える上で基本的な枠組みを与えてくれるテキストを10冊紹介し、解説します。定番の有名作から、知られざる名著まで(後者が多め)。ラインナップは受講生のみに公開します(毎年更新される予定)。


「『ドライブ・マイ・カー』からはじめる村上春樹」

濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』はその演出と同時に、村上春樹の原作を巧みに再構成した脚本が高い評価を受けた。それは、日本映画の達成であると同時に村上春樹という世界的な作家の総括、再評価の機運を盛り上げている。本講座では、近年の村上の作品や諸活動を踏まえ、『ドライブ・マイ・カー』以降の村上春樹、そして村上春樹という作家そのものを位置づけ直す。この偉大な作家は何をなし得て、何をなし得なかったのか。未読の人には入門に、愛読者には新たな視点を提供する村上春樹についての講義。

(取り上げる主なテキスト)
『ドライブ・マイ・カー』(映画)
『女のいない男たち』
『騎士団長殺し』
『1Q84』
『村上ラヂオ』


「現実に対する虚構の敗北について」

今日において、創作物を批評することはその情報環境の与える影響を無視することは難しい。その影響は、単にその受容の形態や、ビジネスモデルの問題の粋を超え、私たちの社会における虚構の位置づけにまで及んでいる。この講義では、こうした今日の情報環境下における「虚構」の位置づけの変化を象徴する作品群を取り上げ、理解を深める。


(取り上げる主な作品)

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』
「テラスハウス」
『映画大好きポンポさん』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
『ルックバック』
『さよなら絵梨』


7/21(木)「作品分析の方法(2)吉田秋生『河よりも長くゆるやかに』を精読する」

『BANANA FISH』『海街diary』で知られる吉田秋生の初期作品『河よりも長くゆるやかに』を題材にマンガ作品の精読と批評を実践する。受講生は前もって同作(単行本全2巻、文庫本全1巻)を通読しておくことが望ましい。


▼今後の講座ではこんなことを話す予定です。

※あくまで現時点での草案です。講座内容は変更することがあります。

・ 「飲まない」人間関係から創造性を引き出す

宇野がよく尋ねられる質問に、どのように雑誌やイベントの人選を行っているかというものがある。たしかに他媒体に比べて、とてもユニークなものになっていて、このオリジナリティが価値の源泉になっていると宇野も強く自負している。しかし宇野は広く知られるように、いわゆる「業界」的な付き合いをほとんどしない。では、どのようにして各界のプレイヤーとのつながりを保っているのか。そしてそのつながりから、陰湿な人間関係ではなく創造的な仕事を生むためには何が必要かを解説します。

・作品分析の方法(4)

恩田陸『球形の季節』を事前に通読し、長編小説の読解と批評の実践を指導する。

・ 公開添削指導:エッセイの書き方

PLANETSSCHOOL(第1期/2期)で好評だった、受講生の文章に対する公開赤入れを行う。事前課題に沿った文章を期日までに提出したものを、当日取り上げる。

・戦後サブカルチャー的身体

戦後日本のマンガ、アニメ、ゲームに登場するキャラクターの身体論について、セクシュアリティ、戦後日本の政治性、歴史観、工業社会下の技術信仰などの視点から総合的に考察する。

(取り上げる主なテキスト)

『鉄腕アトム』
『鉄人28号』
『サイボーグ009』
『仮面ライダー』
『デビルマン』
『マジンガーZ』
『ポーの一族』
ほか

▼参加方法

PLANETS CLUB内専用のZOOMリンクで講義します。


PLANETS CLUBでは、このイベントの他にも400本以上の対談動画や講義動画が見放題です。入会方法など詳しくはこちら


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