2024/05/16 07:30
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※こちらの記事は「冬洋酒」メンバーにすでに配信済みの内容です。メンバーの方は誤って購入しないようにお気をつけください。 

写真:地元の建設会社とタッグを組んでリニューアル工事中の竹島水族館。ある分野での「日本一」を目指しています。

2024年の春と秋にリニューアル。我らが「タケスイ」のこれから

 竹島水族館がリニューアルオープンする――。なんのことやらと思う人が多いかもしれないが、僕たち蒲郡市民にとっては大きなニュースだ。一応は観光地である蒲郡には春の潮干狩り、夏の花火大会などの人気イベントはいくつかあるけれど、常に人を集めるスポットは数えるほどしかない。その一つが、三河湾に浮かぶ竹島を望む竹島水族館(以下、タケスイ)なのだ。
 2010年の入館者数は過去最低の12万人強だったタケスイ。廃館の危機を感じた小林龍二さん(現・館長)と戸舘真人さん(現・副館長)の若手スタッフコンビがなりふりかまわない改革を主導。コロナ前には47万人を突破した。同じ建物で予算も増えないのに客が4倍近くになったのは「人の力」の賜物でしかない。行楽シーズンになると入館待ちの長い行列ができるのが常態となっている。
 それでも危機感を忘れない小林&戸舘コンビ。広報活動にも積極的で、取材などのお願い事をして断られたことはこれまで一度もない。僕は2013年6月に「しょぼい水族館はやる当たり前の理由」というやや失礼なタイトルの記事(こちらです)を書いて以来、合計10回ぐらいは取材させてもらっている。最近では、ご近所さんと地魚を分ける活動(鮮魚部)の顧問にもなってくれて、仕入れ先漁師の紹介や見慣れない魚介類の同定をお願いしている(記事はこちら)。

小林館長(右)と戸舘副館長。お土産にタケスイクッキーをいただきました。「僕たちがあげたのにこの写真はおかしくないですか?」

「故郷を捨ててきたので辞めません」 青森県から移住してきた実力派飼育員の覚悟

 お客さんが入りきらないほど人気のタケスイには課題も少なくない。10年以上定点観測をしている僕は新人スタッフの定着率の低さが気になっていた。人の力が最大にしてほぼ唯一の武器なのに人材が育たないようでは困る。
 この課題も最近は解消されつつあるようだ。4年前に会った新人スタッフ4名のうち、辞めたのは1名のみ(その鴨下さんはダイビングショップで働く夢をかなえたようだ)。数多くの応募者から書類選考するだけではなく、地縁や学校縁で巡り合った人も重視する。小林さんが掲げたこの採用方針が功を奏したのだろう。
 もともと人手不足で、2024年秋には第2期リニューアルとして施設の規模も大きくなる予定のタケスイ。新たに4人の飼育員が加わった。この記事では彼らを少しずつ紹介したい。共通するのは、いずれも遠方からタケスイを目指して「移住」してきたことだ。
 その筆頭は、青森県で生まれ育って30歳になるまで県外に住んだことがなかったという桃井駿介さん。青森県内の水族館で7年間働きつつ、都内の水族館イベントで小林さんの方針に共感して「タケスイに入りたい」という想いを温めてきたという。2023年8月に夢をかなえた。ちなみにそのイベントの主宰者は小林さんの師匠である水族館プロヂューサーの中村元さんなので、広い意味での学縁と言えるだろう。
「リニューアル後のタケスイは、深海生物の展示種類数で日本一の水族館になります。深海にはちょっと見ただけではわかりにくい生物がたくさんいますが、脇役を主役にもスターにもできるのがタケスイです。自主性を重んじてくれるので、生き物の魅力をお客さんに伝えられるようプロデュースしていきます」
 入社半年にして深海生物を含む海水魚全般のチーフに抜擢された駿介さん。「故郷を捨ててきたので辞めません」と宣言している。実力も覚悟も兼ね備えた大型新人である。

イカとタコが好き過ぎる桃井駿介さん。自宅でもイカやタコを飼育しているらしい。

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