2024/04/18 15:51

2月29日(木曜日)、活動報告が遅れてしまい申し訳ありません。

この日、我々は2つの班を編成し、石川県金沢市の「いしかわ総合スポーツセンター」と、石川県穴水町にある「介護法人保険施設 あゆみの里」で活動を行いました。

参加者は合計17名で、医師2名、看護師10名、介護福祉士2名、民間救急PAS隊員2名、運転手1名でした。

参加者は、石川県、福井県、兵庫県、京都府、大阪府、愛知県から集まりました。


2班に分かれる前に、いしかわ総合スポーツセンターで集合!


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いしかわ総合スポーツセンター(金沢市)では、要介護度4.5の方々が集まる1.5次避難所(この時の総数160床)。

ここでの活動を行いました。ここでは21名のケアを実施。

スポーツセンターは、ベテランフットケアナースや介護士に加え、医師も参加のスペシャルチーム


入浴やシャワーが可能な状況となっていましたが、高齢者ばかりでほぼ全員が足のケアを必要な状態でした。

災害以前より爪や足に問題があったけれど、災害でそのまま放置になっているケースがほとんどでした。

ケアをしている中で、足に治りにくいと思われる潰瘍がある方を2名発見。これを活動に参加している医師に報告し、適切な対応を進めました。

今回は、足浴、足を洗うことよりも、爪のケアや足の病気を見つけることに有益な活動になっていると実感しました。

打ち合わせをしてケアを行う段取りを決めていきます

避難所の中を足のケア物品を載せたカートが進みます。
クラファンでご支援いただいた物品で購入させていただいたものが多数。感謝。
爪のトラブルや足のむくみは全ての人が抱えていました


また、認知症がある方が足のケアを受け入れることが困難であったため、クラウン(道化師)ナース「おざりん」と協力し、バルーンアートで注意を引きつつ、ケアを行いました。

また、希死念慮(死にたい願望を訴える)のある方もいらっしゃって、その方への癒しになる関わりも、このクラウンナースが行なっています。

このようなエンターテインメントが不足している被災地において、彼女のパフォーマンスは大きな解消法となり、訪れた皆が笑顔になりました。

被災されている方々が、笑顔になっていきます

クラウンナース「おざりん」はみんなの人気者

JWAT(災害派遣福祉チーム)からは、「爪や足が綺麗になって、皆さんが非常に喜んでいます」との言葉をいただきました。

足のケアの重要性は、足浴ナイチンゲールの活動をみていて下さったJWATの方々にも伝わっているのを感じます。

今後は、人員の入れ替わりが早いJWATとの連携だけでなく、一緒にできることがないかといったことも課題です。

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穴水市の班は金沢から2時間半かけて、穴水に向かいます。

穴水までは、「のと里山海道」を使用するのですが、以前、道の一部が落ちていたり、道を直している途中。

穴水市内では、倒壊してそのままになっている家屋や、屋根にブルーシートがかけられたままになっている家々がありました。


「あゆみの里」では、ボランティアが到着すると、多くの利用者がすでに待機していました。施設内に水が通っていなかったため、ここにはたくさんの水を持ち込みました。

準備した水の一部

水が不足する場合は外から汲む必要がありましたが、職員さんがお湯をたくさん用意して待っていてくれたため、すぐに足浴と爪や皮膚のケアを開始しました。


民間救急PASの隊員さんが穴水町まで人と物、水を運んでくださいました


一人一人丁寧に足のケアを行なっていきます

寝たきりの方には寝たまま足を洗ったり爪・皮膚のケアを行います

シャボンラッピング:良い泡をビニール袋に作って、足を入れて洗っているところ


今回の地震での被災をきっかけに、入所された方がいたのですが、入所時に足に難治性(治りにくい)の傷が発見され、現在も治療や処置を行なっていました。

被災をきっかけに足のトラブルが明らかとなるケースがあることもわかりました。


ご施設の職員さんたちはとても熱心で、質問して下さったり、自分自身の足の相談をいただいたりもしました。

足に対する関心や知識が、多くの人や場所に広がっていけばいいな、と思います。

ここでは26名の方にケアを行っています。

昼休憩は10分の慌ただしさでしたが、楽しく!


この地域では、まだまだ水が館内に通せないことや排水の問題が残っており、復興はまだ先であることを実感しました。

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今回の活動を通じて、高齢者の間で足のトラブルが潜在的に存在し、必要なケアを提供できる医療者や介護者が不足していることが明らかになりました。

私たちは、足のケアが日常的なものになるように、地域に根ざした形で広まるように啓発活動やケアの提供を行い、足元からの健康を考え、支えることができたらと考えています。


被災者や関係者から多くを学び、感謝しております。

活動にあたり、多くの方々の支援に感謝申し上げます。