社会課題の解決をみんなで支え合う
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プロジェクトオーナーの手数料の負担は一切なく、支援者さまからのご協力費(12%+税)により運営しています。

自己紹介

わたしたち、一般社団法人メノキは、全盲の彫刻家である三輪途道代表を中心に、視覚障害者と晴眼者(視覚障害を持たない人)が文化芸術活動を通じて出会い、交流する環境を作ることを目的に活動しています。地元企業や大学、点字図書館や美術館などと協力しながら、展覧会や演奏会、ワークショップ、書籍・冊子の出版などを行ってきました。

今回のプロジェクトの、「みんなとつながる上毛かるた」は、三輪途道代表が彫刻作品として、手の感覚だけを頼りに44枚の絵札を木の板に貼り付けた粘土で簡略化し、それを三輪代表の彫刻のアシストを長年勤めてきた水口健氏がヒノキの板に刻みました。初版はヒノキに漆がけ(漆がけも三輪代表がやっています)で仕上げ、同様の彫刻による読み札もヒノキの箱に共に納められ、格調の高い美しい芸術作品となっています。

制作途中の三輪途道代表

群馬県立館林美術館で現在開催中の、→「ヒューマンビーイング-藤野天光、北村西望から三輪途道のさわれる彫刻まで」(会期2024年1月27日(土) ~ 2024年4月7日(日))で実物を見ることができます。

三輪代表からビデオメッセージが届きました。(2月16日)

三輪代表の飄々とした語り口が魅力の、みんなとつながる上毛かるたラジオもスタートしました。

館林美術館での三輪代表のインスタライブが先日行われました。
https://www.instagram.com/reel/C2o5uFLv9PT/?utm_source=ig_web_copy_link

このプロジェクトで実現したいこと

上毛かるたを知っていますか?「鶴舞う形の群馬県」など、群馬の風景、特産、偉人など、さまざまな地域資源を読み込んだ戦後すぐの頃に作られ44枚の郷土かるたなのですが、群馬県人ならほぼ誰でも誦じているほど、深く群馬に浸透しています。他県の人からすると、ちょっとびっくりしてしまうほどで、上の句を誰かが言えば、群馬の人ならすぐ下の句が出てくるという驚きの文化です。

現在、初版の「みんなとつながる上毛かるた」の複製版を使って、点字図書館、小学校、地域芸術祭などでのワークショップを通じ、視覚障害者の方と晴眼者の方に遊んでいただきながら、よりよくしていきたいポイントが見えてきました。また、この制作と多くの方たちとの対話によって、触察という、触ることで世界を把握することが、わたしたちの感覚や芸術的な感性をより豊かにしていくことがわかってきました。そこで、

1.この初版の「みんなとつながる上毛かるた」をよりよいものに改良し、複製版を作成し、教育機関などに納めます。

2.将来は紙への立体印刷によるカードの開発も視野に入れ、地域の文化資産を使った触察文化の研究を深めます。

3.複製版を使って、学校などのさまざまな場所で、触察の楽しさや、障害のある人たちと世界を共有することの豊かさを知ってもらう活動を広げます。

という3点を実現すべく、このクラウドファンディングを立ち上げるに至りました。


プロジェクト立ち上げの背景

三輪途道代表は、視覚を失う前は日本の具象彫刻の最前線で活躍する彫刻家でした。20年ほど前に網膜色素変性症を発症し、徐々に視覚を失い、現在は全盲の状態です。しかし彼女は創作意欲を失うことなく、触覚だけを頼りに新しい彫刻表現を切り開きつつあります。

一方で、視覚障害者が美術の創作や鑑賞をするための環境が整備されていない状況を身をもって知り、それを改善するための活動を始めました。一般社団法人メノキを立ち上げ、地元群馬県の企業や大学、点字図書館や美術館と協働して、視覚障害者と晴眼者が共に楽しめる展覧会の開催や芸術祭への参加などの活動を続けてきました。

今回の「みんなとつながる上毛かるた」は、株式会社ジンズの地域共生事業部と共に、「ミルミルつながるプロジェクト」として開発を続けてきました。初版ができた段階で、触覚を通じて、遊びながら、視覚障害者と晴眼者、また他の障害を持つ人たちとも、お互いの感じる世界を共有する、豊かな可能性に気付かされました。そこで、この「触察」の可能性を多くの人に知ってもらうために、かるた自体も改良し、将来は立体印刷での商品化も視野に入れながら、地域の文化資源を使った触察文化の研究普及活動を継続していくための資金を獲得する必要が出てきました。


現在の準備状況

すでに、多くの場所でワークショップを開催し、普及活動を続けてきていますが、県内の小学校の授業で使っていただいたり、新しい展開が生まれています。また、触察にとって重要な、立体部分の厚みや大きさに関して、初版よりも深く、大きく作るような計画を立てています。現在開催中の群馬県立館林美術館での展覧会以外にも、来年度にまたアーツ前橋での企画展「六感ラボラトリー(仮題)2025年1月25日〜3月25日予定」で我々の取り組みの展示を計画しています。


リターンについて

このクラウドファンディングでは、支援してくださった企業・団体・個人の会社名やお名前・ニックネームなどを、この初版と改訂版のオリジナル木彫版の読み札の裏に一枚ずつ丁寧に彫り込むコースを用意しました。題材となった上毛かるた自体も、戦後の復興期の中で、多くの企業が協賛し、会社名を裏に入れた歴史があります。

また、三輪代表の地元の下仁田町特産の下仁田ネギや、彼女の視覚を失いながらも創作していく姿勢を描いた絵本、詩人の谷川俊太郎さんと共著の詩画集などを選んでいただくコースもご用意しました。

一方で、最近のSDG'sへの意識の高まりから、社内研修でこうしたテーマを取り上げる企業も増えているようです。わたしたちも共に歩んできた株式会社ジンズで、社内研修用に、三輪代表の体験と、メノキのメンバーの社会とアートの関わりについての講演と、「みんなとつながる上毛かるた」のワークショップを組み合わせた社内研修プログラムを開催し、大変好評を得ました。この社内研修用プログラムもリターンとしてご用意しました。

また、この「みんなとつながる上毛かるた」の一部を作家・三輪途道の作品として所有できるコレクターコースもご用意しました。

今までの活動や三輪代表の創作活動を紹介した公開されていない動画をみられるコースも用意いたしました。


スケジュール

2024年

1月27日〜4月7日 群馬県立館林美術館での展覧会に参加
3月末 クラファン終了
4月  サンクスメール・サンクスムービー・動画発送
5月  絵本・詩画集発送
6月〜10月 改訂版開発 初版と合わせ、スポンサーコースの方の名前の彫刻とその動画記録を発送 社内研修に伺う
11月〜12月 コレクターコースの制作と発送、下仁田ネギの発送

2025年
1月25日〜3月25日  アーツ前橋での企画展、六感ラボラトリー(仮題)に参加 前橋を中心紙にしたインクルーシブ展の開催

(スケジュールは変更になる場合があります)


資金の使い道

改訂版開発・制作費 150万円
普及活動費     100万円
触察文化研究費   100万円


最後に

われわれの活動は、視覚障害者の方たちが直面する、特に芸術文化活動に関わることの困難さの解決を目指した活動でした。しかし視覚障害の方たちを一方的にサポートするだけでなく、触覚を通じてお互いの感じ方を共有することで、見えているはずの晴眼者にも「見えていない」世界があることを気付かされました。そのような視点の変化が、芸術文化の創造や鑑賞により深い豊かさを与えてくれることにつながるように思います。また、社会を少しでもより良い方向に変えていく力を与えてくれるように思います。

このプロジェクトは、見える人・見えない人・見えにくい人が、共に遊び、対話し、世界を共有するためのものです。どうかご支援いただき、また機会がありましたら、ぜひわたしたちの展覧会やワークショップに足をお運びください。みなさんとの出会いをお待ち申し上げております。


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2024/03/31 22:46

    いよいよ最終の活動報告になります。三輪代表からのメッセージで締めたいと思います。文中に出てくる福西さんというのは今日まで活動報告を上げてきたわたしのことです。いやあ、大変だった。でもみなさんのおかげで何とか最後まで来ました。わたしからもみなさまにお礼申し上げます。ありがとうございました!では、...

  • 2024/03/30 20:05

    いよいよあと1日になりました!2ヶ月間、毎日活動報告を上げてきましたが、始める時はなんて先が長いんだろうと思っていたものの、思わぬ方から読んでますよ、とお言葉をいただいたり、またSNSで発信していると、いろんな方から応援のお便りや支援しましたのメッセージをいただいたり、みなさんに励まされながら...

  • 2024/03/29 20:06

    いよいよあと二日になりました。三輪代表がこのかるたを生み出した時のことを思い出します。視覚で仕上げを確認できない彼女は、漆にかぶれるのも構わず、素手で仕上げを確認しながら漆がけの作業をしたそうです。漆の作業で荒れて、ところどころ黒の漆が食い込んだままの手で差し出されたそれは、格調高く、黒光りし...

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