つくりながら暮らすことを掲げる「ありまつ中心家守会社」

みなさま、こんにちは。私たちは元名古屋市市役所職員の武馬淑恵と3代目絞り屋でcucuri代表の山上正晃とデザインリサーチャーの浅野翔の3人で、2018年8月に〈ありまつ中心家守会社〉を立ち上げました。

左から山上正晃、武馬淑恵、浅野翔

私たちが活動する名古屋・有松は、名古屋駅から電車で約20分ほどに位置しながら、現在も美しい歴史的なまち並みが魅力のエリアです。伝統工芸「有松・鳴海絞」の産地として知られ、毎年6月に開催される有松絞りまつりは、2日間に約8万人の来場者が訪れるなど、有松は名古屋の歴史観光エリアの一つとなってます。一方で、有松のある名古屋市緑区は人口24万人程度が暮らす生活の拠点でもあります。

そこで、ありまつ中心家守会社は「つくりながら暮らすこと」を掲げて活動し、主たる事業として①(空き家を含む)遊休資源の利活用、②地域のにぎわいづくり、③情報発信やブランディングの支援にこれまで取り組んでまいりました。コロナ禍に大打撃を受けた絞り産業の従事者らを中心に開催する「有松絞りまつり」などの地域振興イベントでの広報活動や事務局の運営。参加者とともに地域の魅力を探り、空き家などの活用案を探るまちづくりワークショップ。年3回の定期的なものづくり文化体験型マルシェ「アリマツーケット」の開催などをおこなっています。

今回、新型コロナウイルスの5類移行を踏まえ、ようやく遊休不動産の活用を通じたにぎわいづくり事業として、古民家でのレンタルキッチン・レンタルスペース「moss Arimatsu(モス アリマツ)」の運営を予定しています。

moss Arimatsuで実現したいチャレンジする場

moss/モスという名前には、「moss = 苔むす」と「萌す(きざす)=芽生え」という2つの意味を込めています。新たなチャレンジを応援し、継続的な活動や事業が有松に根付くことを期待しています。

新しい活動が生まれ有松で長く続くことを場のコンセプトに

3時間から借りられるレンタルキッチンでは、焼き菓子などをイベントで販売する際に必要な菓子製造許可やコーヒースタンドなどが運営できる飲食営業許可の取得を予定しています。レンタルスペースでは、閑静で文化的な雰囲気のある有松で、ポップアップストアやギャラリーとしての利用、各種サロン・講座の開催などにもご利用いただけます。数日連続した利用もいただけます。

「いつかお菓子屋さんや飲食店を出店したい」と考えている方には、このスペースを利用して私たちが開催するアリマツーケットなどでの販売実績を積んでいくことができます。また、地域にお住まいの方にはイベントごとの美味しい出会いを楽しんでいただくことができるでしょう。

アリマツーケットの様子

さらに、2023年の有松絞りまつりをきっかけに始まった「イクセンプロジェクト」のコミュニティガーデンを中庭に設け、藍や木綿などの栽培も行なう予定です。草木染めやコットンボールから糸を撚る体験などを年間を通じて開催し、ものづくりを通じた地域学習や交流の場も計画しています。

moss Arimatsuの使い方のイメージ

moss Arimatsuでは、①菓子製造業許可や飲食営業許可の取得を予定した「レンタルキッチン」、②ポップアップでの展示や販売、講義などの教室やサロンの運営などを想定する「レンタルスペース」、③地域の人たちと一緒に藍や綿花などを育てる「コミュニティガーデン」の運営を計画しています。

また、moss Arimatsuのすぐそばにある有松天満社で年3回(3月、6月、11月)開催するアリマツーケットの会場とするだけでなく、これからはmoss Arimatsuで毎月プチ・アリマツーケット(仮称)を開催することも計画しています。

利用を希望する方は、事前に私たちとの顔合わせ・会場の下見をした後に、a)時間貸し、b)数日の貸し出し、c)定期的な貸し出しの形態から選んでもらい、オンラインで利用申請ができるようなシステムの導入を予定します。解錠・施錠はスマートキーで、誰もが利用しやすい環境を目指しています。 

コミュニティガーデンでは藍や綿花などの栽培を地域の方とおこないたい

プロジェクト立ち上げの背景

私たちが有松で活動する中で直面する課題は、大きく分けると3つあります。

名古屋市の調査によると有松・鳴海絞会館の来場者は年間おおよそ15万人ですが、実質、6月に開催する有松絞りまつりの来場者が半数を占めています。絞り産業の隆盛は歴史的な建造物やまち並み保全と深い関係がありますが、繊維産業の縮小とともに約40年間で絞り染めの製品を扱う物販店や作業場・工房は約半数以下となっています。

今、有松は岐路に立たされています。駅チカの住宅地として多くの方が生活しているため、観光地として整備されることよりも生活の質が向上することを望む声が少なくありません。新しく住み始めた人びとに魅力を伝えるために、今までもこれからも応援してくれる住民の生活を守るために。複雑に絡み合う価値観をひもとき、境界を超えて「私も関わることができるかも…!?」と感じられる場が必要ではないかと私たちは考えています。

日本遺産に認定されたことを機に、有松では2019年から3年かけておこなわれたまちづくりワークショップ「プレー!アリマツ」を開催、そして2022年には「ナゴヤ商店街オープン」に参画し、歴史的なまち並みが色濃く残る西エリアでの空き家・空き店舗の活用による地域活性化の具体案を参加者とともに検討してきました。

加えて、今回整備する建物が「アリマツーケット」の開催地である有松天満社のすぐそばにあり、天満社と東海道とつなぐ参道沿いにあること、屋根が落ちて今にも朽ち果て所有者の方が取り壊すことを名古屋市に相談していたこと。さまざまな要因とタイミングが重なったのが2023年の今でした。

現在の準備状況

有松の古民家改修の実績が多数ある筧建築設計の筧 清澄さんに痛みの激しい部分の一部減築といった改修設計案を検討していただき、有松の隣町の大高で伝統工法に重きをおいた大工工務店・紬建築の柴田 旭さんと改修施工計画を練り、同じく大高で外構や庭の設計施工をおこなう庭香の大塚小秩子さんとコミュニティガーデンを含む中庭の整備計画を検討してきました。既存建物の事前調査や助言を、岐阜県美濃市などで古民家調査実績を多数お持ちの一般社団法人インクの中島昭之さんにもご協力いただいています。

すでに基本設計を終え、改修工事のための準備を進めています。年内には①一部分の解体・除却、②基礎の打設工事をおこない、大工工事に入れるように細部の検討を進めています。

今後は、moss Arimatsuを知ってもらうために、ロゴを始めとしたCIVIの計画、来年のオープンを見越して年間のイベント企画、出店者や利用者を含めた参加者たちと描きたいコミュニティの指針、キッチンとスペースの利用規約の整備などを検討しています。

有松は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、当該物件もこの保存地区内に建っていることから、明治初期に建築されたと想定されるこの建物をできる限り活かして改築することが求められています。また、屋根の一部に穴があき、雨漏りのために床下が崩れているなど、建物を現状調査した結果、損傷が想像以上に激しかったため、当初の想定よりも、建設費が高額となりました。設計内容を見直し減額調整をしつつも、不足している予算分についてクラウドファンディングで支援をいただきたいと挑戦をおこないます。具体的な費用については資金の使い道でご説明いたします。

リターンについて

お礼のメッセージ(¥3,000/50点)

支援のお礼と完成報告をメールにてご案内いたします。



お礼+アリマツーケット・moss Arimatsuで使用できる金券2,000円分(¥5,000/100点)

支援のお礼と完成報告をメールにてご案内いたします。弊社が主催するアリマツーケットで使用できる金券2,000円分(500円x4枚つづり)を提供します。この金券はmoss Arimatsuのレンタルスペースに出店する際の出店料にも使用できます。2024年3月に開催予定のアリマツーケット会場またはオープン後のmoss Arimatsuにてお受け取りください。※使用期限は2025年3月まで


お礼+絞りのランチョンマットまたはオリジナル手ぬぐい(¥5,000/200点)

支援のお礼と完成報告をメールにてご案内いたします。moss Arimatsuの建物を所有していた絞り屋から譲り受けた絞りのランチョンマット(約40x34cm)、またはキービジュアルのオリジナル手ぬぐい(約90x36cm)を提供します。郵送にて発送いたします。

お礼+アリマツーケット・moss Arimatsuで使用できる金券2,000円分+フォトブック(¥10,000/50点)

支援のお礼と完成報告をメールにてご案内いたします。弊社が主催するアリマツーケットで使用できる金券2,000円分(500円x4枚つづり)を提供します。この金券はmoss Arimatsuに出店する際の出店料にも使用できます。2024年3月に開催予定のアリマツーケット会場にてお受け取りください。また、moss Arimatsuの施設紹介・工事過程を記録したフォトブック(36ページ相当)を送付いたします。※使用期限は2025年3月まで

名板(小)+スペースレンタル1日利用券(¥50,000/20点)

支援のお礼と完成報告をメールにてご案内いたします。制作予定の名板に支援者のお名前を掲載(小サイズ)いたします。また、moss Arimatsuのレンタルスペースに出店することができる利用券(1日分コード)を提供いたします。


名板(中)+手ぬぐいの絞り染め体験生涯無料(¥100,000/20点)

支援のお礼と完成報告をメールにてご案内いたします。制作予定の名板に支援者のお名前を掲載(中サイズ)いたします。弊社が実施するアリマツアーの手ぬぐいの絞り染め体験を生涯無料(申請者のみ/クーポンコード送付)とさせていただきます。


名板(大)+スペシャルツアー(¥500,000/5点)

支援のお礼と完成報告をメールにてご案内いたします。制作予定の名板に支援者のお名前を掲載(大サイズ)いたします。弊社が実施する特別な有松ご案内ツアー(食事・大高の日本酒の見比べ付き)にペアでご案内いたします。


スケジュール

すでに工事が着工している本プロジェクトですが、2024年春のオープンに向けて工事を進めているところです。リターンはプレオープン後にご使用いただけることを想定しています。

2023年10月 物件の契約完了、工事着工(一部解体)
11月1日 クラウドファンディングの開始
11月 基礎工事
12月 大工工事

2024年1月 屋根工事
2月 設備工事、仕上工事
3月 プレオープン、施設利用の予約開始
4月 本オープン

資金の使い道

集めた支援金は、新築で建て直すのではなく、既存の建物を活かして改築するため高額となる建設・整備費用の補填に充てる予定です。リターンについては、別途弊社の予算から計上することを考えています。

想定建設費:総額 約3500万円

 建物解体費:270万円
 基礎工事・木工事費等:1600万円
 揚方・瓦屋根工事費:530万円
 左官・内装・電気工事費等:900万円
 庭の整備費:270万円


つくりながら暮らすを有松から始めたい!

遊休資源の利活用を掲げながら着手できなかった空き家活用がようやく始められます!有松周辺にお住まいの方も、一度遊びに行ってみたいなと思っていた方も、ぜひこの機会にmoss Arimastuへ遊びに来てください。ご支援・応援メッセージをお待ちしております!


クレジット

写真(一部):岡松愛子近藤大芝[ヒーロークリエイト]
イラスト:奥村ちひ

  • 2024/04/07 11:28

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2024/04/07 11:18

    みなさま、こんにちは。moss ARIMATSUを運営する合同会社ありまつ中心家守会社の浅野です。昨日はmoss ARIMTASUで弊社も運営するイクセンプロジェクトのメンバーによる「藍の種まき会」がおこなわれました。その様子が4月7日付けの中日新聞名古屋市民版に掲載されています。20名を超え...

  • 2024/03/27 11:08

    みなさま、こんにちは。ありまつ中心家守会社の浅野です。大工工事を終えてからもDIYでいくつかの内装工事をおこない、ようやくオープニングの実感が湧いてきました。まだまだ「あれが足りない、これも足りない」と右往左往しているのですが、実際の利用者の声を聞くのが一番だろうとおもっています。そこで、4月...

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