はじめに

 私たちは、大阪府門真市で市内の中学生を対象に無料の居場所・学習支援事業を実施しているKADOMA中学生勉強会(大学生ボランティア団体)です。2018年10月に門真市出身の大学生(当時、大阪府立大学4年)らの手弁当でスタートし、地元・門真の子どもたちが「どんな環境に生まれても「学べる」居場所」を創ることを目的に、この5年間国や自治体からの支援を受けず活動を続けてきました。また、2020年2月以降に発生した新型コロナの影響で、市内の子どもの居場所(子ども食堂等)も激減をする中、工夫をしながら歩みを止めずに門真の子どもたちに光を当て続けてきました。過去5年間で延べ4000名を超える生徒たちを支援してきました。

 多くの皆さまにお支えをいただき、おかげさまで活動6年目を迎えることとなりました。現在も大阪公立大学や関西大学など30名を超える大学生らが参画し、生徒たちにマンツーマンで手厚い支援を行っています。活動はすべて皆さまの温かいご支援によって成り立っており、この5年間、全国の皆さまからご支援をいただき、活動をさせていただきました。この場をお借りして改めて感謝申し上げます。 

KADOMA中学生勉強会における活動方針~3つの支援~

①ロールモデルの提供
地域に少ない大学進学者と交流する機会を設けることで、生徒たちが多様な価値観や選択肢と出会える場をつくる。

日頃の活動の様子普段の勉強会では、大学生ボランティア1名に生徒1~2名を個別で学習指導やコミュニケーションできる環境をつくっています。市内に大学もなく、地域に大学進学者も少ない門真の子どもたちにとって大学生は貴重な存在です。
※子どもの生活実態調査より:「大学・短期大学」を希望する子どもの割合は、門真市:32.2% 府全体:39.6%

②第3の「居場所」提供 
一般的な「塾」ではなく、夏祭りやクリスマス会、遠足などのイベント行事を通して、生徒たちがホッとできる場所をつくる。

クリスマス会の様子

毎週の学習会だけではなく、手作りの夏祭りやクリスマス会、遠足、大学見学、プログラミング体験会、卒所式などの各種イベントも開催をしています。イベント行事を通して、生徒同士や大学生との交流、家や学校ではない「第3の居場所」を目指しています。

③学習の場(学習指導)の提供
大学生から教えてもらい、「どうせ無理」と思っている生徒たちがやればできるということに気づける場をつくる。

中3生には土曜日も勉強会を開催

毎週水曜日と隔週土曜日で年間60回程度の学習会を開催しています。参加している中学生の多くは、学習の遅れている生徒であるため、大学生が粘り強く丁寧に指導を行っています。当団体では、専用のカリキュラムや教材は用意していませんが、毎年皆さまからのご支援を活用させていただき、生徒たちに参考書や赤本をプレゼントしています。

KADOMA中学生勉強会の必要性~門真市の現状~

①就学援助認定率が全国平均の倍以上

門真市提出資料より作成

就学援助とは、各市町村定められている一定の所得水準以下の世帯に対して、子どもの給食費や修学旅行費を補助する制度である(門真市:4人世帯で所得が272万円以下であれば受給可能)。就学援助を受給している世帯が約3割に及んでおり、厳しい家庭環境にいる子どもたちが多いことが読み取れる。

※(阿部彩(2014)『子どもの貧困Ⅱ-解決策を考える』岩波新書)「日本の子どもの貧困率の手がかりとなる確かな行政データは、就学援助費の受給率であろう」「就学援助費を受給しているのは、貧困にほぼ近い所得の世帯に属する子どもたちといえる」

②全日制高校進学率の低さ

大阪府ホームページ令和3年度統計データ「状況別卒業者数」 をグラフ化したもの 

全日制高校進学率は86.9%と大阪府平均よりも4ポイント以上の差があり、全国で大学・専門学校への進学率が8割に届こうとしている昨今、この現状は厳しいと言わざるを得ません。また、令和3年度に実施された大阪府チャレンジテストでも、全国平均・大阪府平均を下回っております。(英語においては、1位の箕面市64.1(平均)と20点以上の差がありました)

③門真市子どもの生活実態調査による結果から

門真市子どもの生活実態調査結果をグラフ化したもの 

中学2年生の保護者を対象とした調査結果から「(経済的理由で)子どもを学習塾に通わすことができなかった」と回答した保護者は20.9%(大阪府平均12.3%)となっており、非常に高い数字が出ています。このような状況にも関わらず、門真市においては生活困窮者自立支援制度の任意事業(※全国66%の自治体で実施済)である「子どもの学習支援」のうち、多くの自治体で実施をされている「学習支援」は2023年度時点でも実施されていない。

具体的な活動内容

①居場所・学習支援事業(年間60回程度)
 市内の中学生(定員30名)を対象に大学生ボランティアが学習指導等を行います。
 大学生ボランティアは、昨年度年間延べ865名(過去最高)が参加をしてくれました。
 5月24日(水)から毎週水曜日(45回程度)18:30~20:00
   9月中旬から 隔週土曜日(15回程度)10:30~12:00(~17:00)

※昨年度参加大学生一覧)大阪公立大学14名 関西大学6名 大阪教育大学3名 大阪大学2名 立命館大学2名 京都大学、神戸大学、京都工芸繊維大学、京都府立大学、同志社大学、関西学院大学、近畿大学、京都外国語大学、関西外国語大学、大和大学、姫路大学、摂南大学、関西医科大学(各1名)※2022年8月1日現在

②イベント行事の開催(年間6回程度)
 大学生ボランティアが企画を行い、夏祭りや大学見学、遠足、クリスマス会、卒所式などのイベントを開催します。
※昨年度実施内容)8月:夏祭り&ミニ縁日 10月:大阪公立大学見学会 12月:万博記念公園へ遠足、クリスマス会 3月:映画鑑賞会、プログラミング体験会、卒所式


2022年度KADOMA中学生勉強会 活動報告動画


参加した生徒・保護者からのメッセージ(アンケートから)

「人見知りな上に勉強がにがてな娘ですが、毎回嫌がる様子も全くなく、楽しく通わせていただいていました。大学見学は本人は大学には行く気はないので、行かないだろうと思っていたけど、「行く~」と言って、楽しく参加していたので、意外でした。何かきっかけがあれば、興味が湧くこともあるので、いろいろと記帳な経験をさせていただけた事にも、感謝しています。勉強ばかりでなく、クリスマス会や遠足など楽しい事も企画して下さり、喜んで参加する娘を見て嬉しかったです。学校とは別にこのような交流の場が持てた事で、人とのかかわりにおいても、自信がついたようです。本当にありがとうございました。(中3保護者)」

「ご支援ありがとうございました。毎回のおかし、ジュース、大変喜んでおります。文具もありがとうございました。クリスマスで たらふくたべて帰ってきた子供の姿が印象的でした(笑)とぎれる事なく、支援して下さっている事により、確実に 勉強に対する姿勢がかわってきました。物価高騰で生活キビシイですが···· 安心して勉強できる環境、ありがとうございました。(中3保護者)」

「印象に残っていることは、夏祭りとクリスマス会です。夏祭りは実際に自分で射的やわなげをして、その得点で 景品がもらえる楽しさや仲間と協力するゲームなどもして 話したことの無かった他校の人や大学生の人とも関われたので良かったです。 クリスマス会も同様で、さまざまな人と話して、ケーキやじゃんけん大会が あって、最初から最後まで本当に楽しかったです。初対面の人ともどんどん話せるようになりました。(中3生徒)」

「勉強の姿勢が前より少し変わったなと自分で思うようになりました。大学生と勉強するもそうですが、交流したことがなく、いい経験ができて良かったと感じました。また、夏祭りやクリスマス会では他校の人と会話したりできて、うれしかったです。勉強ばかりでなく、楽しいイベントなどがあって毎週行く事が楽しかったです。(中2生徒)」

資金の使い道

2023年4月現在の収入

23年度収入予定:1,482,113円(過不足:▲575,387円)
クラウドファンディング:591,500円 内訳:650,000円(目標額)ー58,500(手数料9%※手数料4%、決算手数料5%)


2023年度支出予定

①謝金:大学生ボランティア謝礼  990,000円
大学生・大学院生に限り、謝礼(1回あたり1人1,000円)をお支払いしています。大学生の奨学金受給率は50%を超えており、無償ボランティアの活動では学生の困窮を加速させることにもつながりかねないと考えています。 
水曜日:18,000円(18名分)×45(回数)=810,000円
土曜日:6,000円(6名分)×15(回数)=90,000円
運営メンバー(管理費):1人500円/回 2,000円×45(回数)=90,000円 ※水曜日のみ
※人数は過去の平均参加者数を反映させたもの

②旅費:ボランティア交通費 600,000円
ボランティアで参加した方の交通費(往復上限:1500円)※定期範囲除く
水曜日:12,000円(1回あたり平均)×45(回数)=540,000円
土曜日:4,000円(1回あたり平均)×15(回数)=60,000円
※1回あたり平均とは…ボランティア全員の総額交通費。過去の平均支出額を反映させたもの。

③備品購入費:教材・イベント記念品ほか 92,500
参考書プレゼント:1,500円×30(人)=45,000円
赤本プレゼント:1,500円×15(人)=22,500円
卒所記念品:500円×50(人:中学生・大学生)=25,000円
※クリスマスプレゼントについては「Amazonほしいものリスト」で企画予定。
※参考書(中1~中3:30名分)については、上限1,500円を範囲に生徒が選択した教材をプレゼント(2023年6月下旬までに配布予定)
※赤本(中3:15名分)大阪府公立入試赤本@英俊社をプレゼント(2023年11月下旬までに配布予定)

④消耗品費:イベント食費・参加費ほか 160,000円
クリスマス会(ケーキ代):500円×50(人:中学生・大学生)=25,000円
卒所式(ケーキ代):500円×50(人:中学生・大学生)=25,000円
大学見学(交通費・昼食代):30,000円
遠足(交通費・昼食代):40,000円
座談会登壇者や協力団体への進物 1,000円×10(個)=10,000円
インク代(黒×5 カラー×3) 封筒、クリアファイル、その他事務用品 30,000円

⑤借料損料:施設使用料、コワーキングスペース利用料ほか 90,000円
会場使用料(土曜日):50,000円
レンタカー代(クリスマス会、卒所式):10,000円
コワーキングスペース使用料:30,000円

⑥印刷製本費:年次報告書・チラシほか 85,000円 
大学生ボランティア募集チラシ  5,000円
模擬試験印刷代(公立3回、私立2回) 50,000円
卒所式パンフレット作成費用 15,000円
年次報告書冊子費用 15,000円

⑦通信運搬費:郵送料・専用電話代 15,000円

⑧雑役役務:大学生ボランティアへの振込手数料 25,000円


実施スケジュール

2022年度生徒募集チラシ

4月中旬より各中学校に生徒募集チラシを配布し、5月7日(日)までが応募期間となります。応募超過の場合(昨年度は定員30名に対して55名応募)は、ご家庭の事情等を総合的に判断します。

●5月下旬より【毎週水曜日(計45回程度)】18:30~20:00 門真市民文化会館ルミエールホール3F研修室 ※施設の利用状況によっては実施できない日もあります。
●9月上旬より【隔週土曜日(計15回程度)】10:30~12:00 門真市民文化会館ルミエールホール3F研修室


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

活動実績(受賞歴など)

2022年12月 門真市広報2018年10月10日~ KADOMA中学生勉強会スタート
2019年3月 大阪府立大学学長顕彰受賞
2021年7月 近畿ろうきんNPOアワード奨励賞
2021年11月 令和3年度未来をつくる若者・オブ・ザ・イヤー内閣府特命担当大臣表彰
2022年11月 令和4年度あしたのまち・くらしづくり活動賞 主催者賞
2022年11月 第3回松下幸之助杯スピーチコンテスト 優秀賞

  • 2023/05/13 15:44

    4月中旬より応募を開始しました生徒募集について、合計57名(定員30名)の生徒から応募がありました。事前の説明動画や関係機関の尽力もあり、活動の内容が伝わった上での応募となったと思います。運営メンバーの学生たちとともに全ての応募(公的支援の受給状況、申込理由など)に目を通し、悩みに悩みながら、...

  • 2023/04/29 17:23

    5/7(日)を応募期間と設定している今年度の生徒応募状況について、本日16時点で【54名】(定員30名)が申込をしてくれています。応募期間はまだ1週間残っておりますが、定員を大きく上回っている状況です。内容を吟味して、必要としている生徒たちに届くよう配慮していきます。現在、活動5周年記念!クラ...

  • 2023/04/22 14:47

    クラウドファンディングスタートから1週間が経過しました。ご支援いただきました皆さま、本当にありがとうございます。目標達成まで遠い道のりですが、是非、引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。さて、生徒募集についても、各学校で募集チラシを配布し、市役所の関係機関にも個別にアウトリーチをいただ...

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください