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昆虫が好きでこれまで制作を行ってきました。今回のプロジェクトでは、行き場のない昆虫たち659体のために新たな居場所となる「昆虫図鑑」を作ります。

ご挨拶

初めまして岩崎広大と申します。私はこれまで、アーティストとして昆虫が秘めているイメージを可視化させることをコンセプトとして、昆虫をモチーフとした作品を制作してきました。

「2018かつて風景の一部だったものに、風景をプリントする。 Printing the Landscape on Something that Was
Once a Part of the Landscape-Pomponia imperatoria(4°30_21.7_N 101°23_21.0_E)WGS84-4」

その中で、2020年に訪れたある昆虫館にて様々な理由で行き場のない昆虫標本に出会いました。その昆虫標本には、博物館などの文化施設をめぐるアーカイブやコレクションの問題などが濃縮されているようにみえました。また、そこにはかつて誰かが熱心に昆虫採集へと時間を費やした思いや、その個体たちがみていた過去の世界の姿を感じることもできました。現在は、そのような行き場のない昆虫標本をモチーフとして、映像を用いた作品制作をしています。

「Medias」(2019.12.26-2020.1.5 、あざみ野市民ギャラリー、神奈川)


このプロジェクトで実現したいこと

行き場のない昆虫標本を見たときの感情は、これまでの制作での気持ちとは異なるものでした。今回のプロジェクトでは、行き場のない昆虫たちを記録するために標本図鑑を作りたいと考えています。それは、昆虫たちが個別の個体として生きていたことを証明するものです。

日本には、多数の昆虫コレクターの方がいます。しかし、その昆虫コレクターの方も高齢化に伴い、所有されているコレクションを手放し始めていると聞きます。そのような現状を踏まえ、地域の文化施設の方もなるべく昆虫標本を受け入れたいとお話されていました。しかし、保管のためのキャパシティは有限であるため、そこに優先順位がついてしまう現状があるようです。

現在、日本にある施設の多くは、博物館類似施設といって昆虫標本を保存するためのストレージを持たない施設です。つまり、展示に用いる以上の資料を抱えることが想定されていないのです。

手放された昆虫標本の一部そこで今回、行き場のない昆虫標本をどうにかして残したい。また、個人コレクターの方が持つコレクションの今後の行く末を少しでも明るいものとするため、書籍を作ります。


どんな書籍を作るか、どうして書籍か

今回、制作する書籍は行き場のない昆虫標本659体を図鑑のようにまとめ昆虫たちの記録集です。今回の取り組みでは、昆虫たちを写真に納め、書籍というフォーマットにすることで、国内外問わず多くの人の手に届きやすい形を目指します。書籍が多くの人の手に渡ることで、その昆虫たちがいたことを証として預かるようなものにしたいです。

確かに標本をそのままの形で保存するという案も考えました。しかし、標本という形を保ったままでは、保管や保存の問題が生じてしまい、結果として持ちきれなくなることで、現在の問題と同じことを繰り返してしまいます。

そのため、書籍にすることで手を伸ばしやすく、保管・保存に関する問題も回避できると考えました。また、保管・保存の問題だけでなく、どこの部屋にでもある本棚という場所が図鑑として生まれ変わった昆虫たちの新たな居場所となることは、最適な形だと考えました。

 

書籍Sample画像


行き場のない昆虫標本をコレクションしたきっかけ

私は、昔からモノを集めることや生き物が好きで、幼少期は様々な生き物を飼育していました。その中で中学生の頃に昆虫標本と出会いました。それからは中学、高校生の頃になると自身も昆虫採集を行ない、飼育や標本制作に没頭していきました。そのような取り組みは、現在でも生き物と触れ合う楽しみのひとつであり、生き物から多くのことを学んでいます。


大学院修了制作での展示風景

大学は、芸術系大学へと進学しましたが、その際に集めた標本たちの行く末が気になりはじめました。近い将来、高尾山などの自然豊かな場所が開発されてしまい、かつてのような昆虫採集が出来なくなってしまうかもしれません。私のコレクションには、当時の希少な自然を残す一部となりそうなものも多少あるかも知れませんが、体系的にまとめたコレクションではないため、殆どは博物施設へ寄贈できるようなものではないでしょう。

2021_かつて風景の一部だったものに、風景をプリントする_1。1994

私のささやかなコレクションは、決して趣味の「昆虫好き」といった範囲を出るものではなく、多くの子どもたちが通過してきたものとさほど違いはありません。しかしながら、そのいずれもが私の様々な思い出や、素晴らしい経験の詰まった大事な宝物です。ですが、その標本の行方を考えると、悪戯に昆虫に対する欲望を満たそうとしただけに感じられ、途端に居心地が悪くなりました。それから、私の作品制作はこれまでの昆虫や生き物との触れ合いから得た経験を反映するものに変化していきました。

手放された昆虫標本の一部

そういった中で、行き場のない昆虫標本のお話を伺いました。もし、文化施設で抱えきれない昆虫標本があるのなら、今の私の使命は、これまで私が昆虫と切り結んできた関係を確かめながら、その存在を保存して、未来へ届けることだと思いました。


リターンについて

今回のリターン品では、出版する書籍のほか、ポストカード、クリアフィギュアを予定しています。


【書籍】

書籍イメージ<予定している仕様・詳細>

・書籍名:『The Record of Insects』(仮)
・販売予定価格:6,600-(with tax)
・掲載標本数:659体(原寸掲載)
・サイズ:210x182 mm
・ページ数:250p-300p
・言語:日・英
・出版レーベル:paper company <https://kakeru-okada.stores.jp>
・発行予定:2022年10月末日
・仕様:フルカラー|ハードカバー|オフセット印刷


【ポストカード】

<予定している仕様>

・バリエーション:5種類(鱗翅目・鞘翅目・蟷螂目・竹節虫目・直翅目を予定。)
・サイズ:100×148 mm(原寸掲載)
・発行予定:2022年10月末日
・仕様:フルカラー|オフセット印刷


【クリアフィギュア】

セミの抜け殻のクリアフィギュア

今回のプロジェクトでは、クラウドファンディング限定モデルとして、以下の5種類のクリアフィギュアの制作も予定しています。

制作過程の3Dデータ<予定している仕様>

・バリエーション:5種類(クラウドファンディング限定モデル、鞘翅目5種を予定。)
・サイズ:原寸
・仕様:クリアレジン


資金の使い道

今回は、その延長線上として書籍という形で行き場のない昆虫標本を残していくプロジェクトを立ち上げます。

・必要な金額

+50万円

当初は、80万円程の予算で一先ず簡素な書籍を作ることで、目的は果たせると考えていました。しかし、打ち合わせを幾度も重ねていく中で、しっかりとした装丁であり、内容も充実した、世代を超えて手に取ってもらえるような書籍でなければ、昆虫たちの存在を未来に届けるといった目標は達成できないと考えを改めました。今回の書籍は、以前に私が出展した展覧会の図録『imshow(SHINODA yu)・(IWASAKI hiromasa)』を制作していただいたことがあり、現在も写真集や展覧会図録を中心に出版を行っているブックレーベルpaper companyより出版させて頂く予定です。

このような考えのもと、行き場のない昆虫たちを未来へと届けようとするプロジェクトです。今回は、all in 方式でのご支援を考えているため、ご支援いただいたお金と当初の予算をもとに昆虫たちの記録集の出版を必ず実施します。

昆虫をはじめ、生き物が好きな方、大切なコレクションをお持ちのコレクターの方、自然を愛する方、どうか今回のプロジェクトにご理解をいただきご支援いただけないでしょうか。

<資金の使用用途>

・書籍制作費(クラウドファンディングリターン品以外は、ECサイト、実店舗での書籍販売を予定。)
・リターン品の送料代
・リターン品の制作費
・キャンプファイヤー手数料


実施スケジュール

4月〜6月 昆虫標本の撮影(現在、毎日15体前後の撮影を行っております。)
5月31日  クラウドファンディング終了 
7月〜9月 書籍の編集
10月中旬 書籍完成・リターン品の送付


最後に

最後まで読み進めていただき、ありがとうございます。

正直に申し上げて、アーティストとして活動している私にとって、自身の作品集よりも先に図鑑を作ることになるとは思ってもいませんでした。今回のプロジェクトでは、文化施設の方やデザイナーの方など、多くの人の協力が必要となるため不安な気持ちもあります。

しかし、昆虫標本は一度、人間によって採集・殺された命です。そういった標本たちが再び行き場がなく追いやられてしまうことは、私にとって耐え難いものであり、目を背けてはならない現状であると考えています。そして、今回のプロジェクトは、これまで昆虫や多くの生き物から学びを得てきた私にとって何よりも先んじて行わなければならないことであり、生き物への恩返しです。

これまで昆虫館などの施設が引き取り手の現れない昆虫標本をずっと所有し続けてくれました。今、私はそのバトンを受け取りました。このバトンをどうか次へ繋げさせてください。

【プロフィール】

岩崎 広大

1994年東京生まれ。
2019年東京芸術大学美術研究科油画専攻博士前期課程修了。

主な展示に、
「applied images」(2017年、キャノン品川オープンギャラリー2、東京)、「KUMA EXHIBITON2018」(2018、スパイラル、東京)、「case10:-scape」(2018年、GINZA SIX・CIBONE case、東京)、「五美虫展Vol.4」(2018年、TAKAO599MUSEUM東京、高尾)、「虫展 −デザインのお手本−」2019年(21_21 DESIGN SITE ミュージアムショップ内)、「Medias」(2019年、ギャラリーあざみ野、神奈川)、「imshow」(2020年、Alt_Medium、東京)、「Over the fence」(2021年、コートヤードHIROO、東京)、「SHIBUYA STYLE vol.15」(2021年、西武渋谷美術画廊、東京)

奨学金・受賞歴に、
2018 YouFab Global Creative Awards2018 Finalist 
https://www.youfab.info/2018/winners/printing-the-scenery?lang=ja
2017 クマ財団 第1期奨学金 
https://kuma-foundation.org/student/hiromasa-iwasaki/
2017 O氏記念賞

メディア掲載等、
・なにに、どう、タテをつく? 反骨精神を感じる受賞結果 YouFab Global Creative Awards 2018授賞式レポート
https://www.youfab.info/2018/ceremonyreport.html?lang=ja
・web版 美術手帖劇場化する東京に息づく、新たなアートの生態系とは。仲山ひふみ評 小宮麻吏奈展「−ATCG」/鈴木操展「open the door, 」/「孤独の地図」展
https://bijutsutecho.com/magazine/review/19203

  • 2022/09/22 11:54

    これまで、出版プロジェクト「行き場のない昆虫標本659体を集めた「昆虫図鑑」を作ります。」を4月より一生懸命に進めて参りました。そしてこの度、書籍が2022年10月1日に出版されることになりました。皆様からのたくさんのご支援、ならびにクラウドファンディング後も、多くのご声援をいただきまして、誠...

  • 2022/06/01 10:46

    皆様にたくさんのご支援いただきました、クラウドファンディングを無事に終えることが出来ました。支援者:64人支援金額:1,000,500円当初予定しておりました、500,000円を大幅に超える1,000,500円ものご支援をいただきました。ありがとうございます。ご支援いただきました方々の期待にそ...

  • 2022/05/22 14:46

    多くのご支援ありがとうございます。展覧会への出展と昆虫標本の撮影で、一日があっという間に過ぎ去ってしまう日々を過ごしております。昆虫標本・クリアフィギュアについては、少し落ち着きましたら細かくご報告させていただければと思います。現在、20日よりはじまった展覧会に出展しております。宜しければお立...

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