はじめに

はじめまして、浦野聖(うらのたかし)と申します。
この度、相模原市のJR横浜線淵野辺駅近くに、6坪ほどの小さなコーヒースタンドを創ります。

店舗名は「ecke」(エッケ)。
ドイツ語で「角、すみ、街角」などを表す言葉です。


生い立ち

愛知県名古屋市出身、神奈川県相模原市在住。

大学卒業後は3年間の公益法人での事務職を経て、ドイツの人道支援団体「ドイツ国際平和村」での1年間のインターン(住み込みボランティア)に参加。

帰国後は日本の国際協力NGO等で主に総務・経理などを渡り歩きました。


2018年よりバリスタとしてのキャリアをスタートし、
EINSIEDLERKREBS Kaffee Kiosk」として個人の屋号でコーヒースタンドの間借り営業をしつつ
フリーランス経理とのパラレルワークをしています。

私の経歴はこちらのインタビュー等にまとまっておりますので、よろしければご覧ください。

学校法人河合塾「私と河合塾」-OB・OGが語る河合塾
留学PERSON「フィリピン編」
留学PERSON「ドイツ編」


コーヒーとの出会い

元々は、大学時代にフィリピンへの海外ボランティアに参加したことをきっかけに国際協力に関心をもち、その流れで「フェアトレード」に出会いました。
フェアトレードは文字通り「公平な貿易」で、生産者に適正な対価が支払われるような貿易の仕組みとして、国際認証から草の根レベルの活動まで、様々な定義や形態があります。

フェアトレードの対象となるもののひとつが「コーヒー」であり、
私も、イベントでフェアトレードのコーヒーや手芸品を売っている団体と出会い「買い物でできる身近な国際協力」として興味を持ち始めました。

次第に、コーヒー自体に関心が移り、抽出器具を一通り揃えて、自宅で豆から挽いてドリップするのも日課になりましたし、サラリーマン時代は週末にひとりでのんびりカフェで過ごすことも楽しみになり、カフェという「空間」にも憧れ、

「自分もコーヒーを本業にできないかな」という思いがだんだん強くなりました。

とはいえ30歳も過ぎ、結婚もしていたので、未経験だけど正社員で雇ってもらえそうなコーヒー屋などはなかなかなく、「カフェやコーヒー関連企業の総務や経理ならチャンスがあるのかも」と転職先を探したこともありました。

趣味としてカフェやコーヒーセミナーを巡りつつ、
年に一度は妻の英語教室のハロウィーンパーティで仮装をしてコーヒーを淹れるのが恒例行事でした。


そんな中、通っていたカフェの未経験可の求人に思い切って応募したところ運良く採用され、念願のバリスタになれたのは34歳の誕生日を迎える目前でした。

社内でもトップクラスの売上を誇る旗艦店に配属され、コロナ前の当時は外国人観光客もひっきりなしに訪れ、ついていくのに必死でした。

というか、全くついていけず…私にとってはまさに日々「戦場」のような忙しさでした。


求められるのは、早く正確な動作、イレギュラーへの臨機応変な対応、常に笑顔でホスピタリティーあふれるフレンドリーな接客…

うまく行かないことばかりで、好きなカフェで好きなコーヒーに携わっているのに、次第に出勤の足取りも重くなっていきました。

要領が悪く、他の同僚のようにうまくできないのは「大人の発達障害」でもあるのかなと思って心療内科を受診するも、明確な診断は下りませんでした。

「だったら自分は何者なんだろう」と思っていたところ
生まれながらに些細なことに敏感で繊細な気質」を持った人が一定数いるらしい、ということを知り、きっと自分もこのひとりなんだろうと思うようになりました。


こんなことを言うと
「考えすぎ」
「そう思うからそうなんだ」
「多かれ少なかれ誰にでもあるよ」
という言葉が聞こえて来そうですし、これまでも嫌というほど言われました。

でも自分の特性や得意・不得意を理解した上で、人とは違う土俵に立つのも一つの選択ではないかと思うようになりました。

とある漫画の名言に「配られたカードで勝負するしかないのさ」という言葉があるそうですが、まさにそのとおりです。

その後、バリスタとして正社員になることは諦め、勤務を週3〜4に減らした上で、
経理の仕事とパラレルワークという選択を選びました。


間借り営業のスタート

気持ちに少し余裕が出てきた頃、自分の屋号で間借り営業ができないかなという構想を持ち始めました。

2020年秋、同僚が立ち上げた「曜日ごとに店主が代わるシェアコーヒースタンド」である『蜃気楼珈琲』 

そして同時期に、地元名古屋の『HAPUNA COFFEE』が募集した「定休日の間借り営業

どちらにも採用していただき、2020年12月から東京と名古屋で月に一度ずつ間借り営業をさせてもらえることになりました(2021年10月からは東京は週1のレギュラーに昇格)。

屋号は「EINSIEDLERKREBS Kaffee Kiosk

EINSIEDLERKREBS」はドイツ語でヤドカリの意味で、店舗をもたないヤドカリバリスタという着想から、ロゴと屋号は半年以上前から準備していました。


出店料も考えたら収支トントンどころか、特に名古屋は往復交通費も含めたら赤字前提だし、コロナ禍の都県をまたぐ移動でもあり、
色々な意見もありましたが、
「経験・体験をお金で買うつもりの趣味の延長だとしても、それで少しでも誰かに喜んでもらえることもあるかもしれないし、ゆくゆく何かにつながるかもしれないし、今は種まきの時期なんだ」
と思うようにして、地道に間借り営業を継続をしました。

東京も名古屋も、閑古鳥がなくような営業もありましたが、両店舗のお客様にも私のことを少しずつ認知していただいたり、それぞれで素敵な間借り仲間と出会えたり、
前述の「繊細な気質をもつ方々」のつながりで私のことを知ってくださる方がいたり、
少しずつですが売上も増え、自信もついていきました。

その中では、私と似たような悩みや気質を持ったコーヒー業界の方々とも出会うことができました。


間借りから実店舗へ

「いつか自分の店舗も持てたらいいな」という構想(妄想)がなかったわけではありませんが、

そんなの先の話、まだ自分はそんなレベルではない、と思っていました。


でも、どこかで「えいっ」と踏み出さないと一生そんな日は来ないなと感じていました。


また、間借り営業以外の日はどこかのカフェで経理の事務仕事をすることも多く、

だったら、定休日やスローなときに事務仕事ができる小さなコーヒースタンド兼事務スペースを自分で作った方が早いんじゃないか、と思い始めました。


そして、今回の店舗物件と運命の出会いを果たし、本当に勇気を出してチャレンジすることにしました。



コーヒーに全身全霊を尽くして、命をかけている方からは、

「コーヒー舐めんな!」

「中途半端だ!」

と言われる気もしていますが、

これも自分が「配られたカードで勝負する」術(すべ)の一つだと思っています。


店名に込めた思い

店舗名は「ecke」(エッケ)

英語の「corner」にあたるドイツ語で、

「角、すみ」あるいは「街角」などの意味があります。

この角地の物件をみたときにピンと来ました。


街角のコーヒースタンドが、ご来店いただく方にも、そして私自身にとっても、

「ほっとできる場」であり、
ありのままの自分で素晴らしい」と思える、そんなお店にしたいと思っています。


ecke でチャレンジしたいこと。

①地元と、相模原と、知人と経済を回す

本当なら、いつかお店をやるなら地元がいい思っていたので、神奈川でお店を出すことは永住を決めたことになるような気がして、正直ためらっていました。
でも、ご縁あってたどり着いた相模原で、自分だからできることを、楽しみながらやっていくことで、相模原にいる意義を感じられるような気がしています。

地元(名古屋、愛知、東海地方)、そしてもちろん相模原(神奈川)の産品を取り入れたり、それぞれの地域の会社や個人とお取引をしたり。


その一つが、今回店舗の設計施工をお願いする「atelier hito」 さん。

間借り営業先のHAPUNA COFFEEさんを手掛けた名古屋のデザインチームであり、
その本社は偶然にも神奈川県にあります。
名古屋の間借りをしなければ出会えなかったご縁であり、
設計段階からプロデュースいただく店舗としては関東第一号です!

また、これまでのだいぶ回り道したキャリアの中、そしてバリスタになってから出会った方々とのご縁もふんだんに盛り込んで、お互いに経済を回しつつ、海の向こうのコーヒーの生産者や世界で起きていること、そして未来の地球のことも考えるようにしたい…

よくばりかもしれませんが、そんなことを考えています。


②フェアトレードとSDGs

扱うのは主に、いわゆる「スペシャルティコーヒー」と言われる、高品質で豆の個性を感じられるようなフルーティなコーヒーをメインとし、ご縁のある焙煎店(あるいは個人)から仕入れせていただく予定ですが、eckeとして「国際フェアトレード認証」の取得も準備中です。

私の地元名古屋は日本で二番目の「フェアトレードタウン」であり、eckeのできる相模原は「SDGs未来都市」にも選定されています。

間借り時代には、EINSIEDLERKREBS Kaffee Kioskとして「さがみはらSDGsパートナー」にも登録いただきました。

相模原でSDGsに取組む様々な企業や団体とご一緒できたらと思っていますし、
名古屋と相模原が、eckeを通じてフェアトレードやSDGsの分野でつながっていったらとても嬉しいです。

また、間借り営業時代には、ドリンク一杯につき20円を「ドイツ国際平和村」へ寄付するチャリティプログラム「CUP for TWO」を実施し、2020年12月〜2022年2月までに計20,150円を皆様から頂戴したドリンク代から寄付させていただきました。


この取組みはeckeでも、お店が続く限りずっと継続していきます。
皆様からいただくコーヒー代の一部は、紛争地域の怪我や病気の子どもたちの医療援助活動等につながります。


(撮影:Jacob Studner)


③挑戦・応援の場

バリスタとして実店舗を持つには経験もスキルも不十分かもしれませんが、
やってみて見えてくるものもたくさんあると思っています。


私が蜃気楼珈琲とHAPUNA COFFEEで経験させていただいたように、
eckeも誰かのチャレンジを応援する場になりたいです。


バリスタはもちろん、お菓子を販売したい人、展示をしたい人、ワークショップをしたい人…
たった6坪の小さなお店ですが、いろんな方が、自分らしく何かにチャレンジできる場になったらいいなと思っています。
(その間、私は間借りの方の美味しいコーヒー片手に事務仕事をします。)


資金の使い道

・コーヒー機器の追加購入:20万円
・相模原市津久井産木材を使った家具等の増設:6万円
・国際フェアトレード認証取得費:5万円
・リータン費用:10万円
・キャンプファイヤー手数料:9万円

に活用させていただきます。


実施スケジュール

3月下旬 着工
4月中旬 竣工
4月末 オープン予定(目標!)
5月上旬 リターン店頭引換開始
6月上旬 リターン発送(郵送分)

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


終わりに

ここまで書いて、実はこれからお店を開けることも、このクラウドファンディングに挑戦することも、正直とても怖いです。

大コケするのも、笑われるのも、支援のお願いを「既読スルー」されるのも全部怖いです!

でも、少しでも応援してくれる方々、
eckeのことを楽しみに待っていてくれる方々からの、温かい励ましを既にたくさんいただいて、
ようやくこのスタートラインにたどりつきました。


そして、「あの人でもチャレンジしたんだから自分もできるかもしれない」と、
私のチャレンジが、誰かの更なるチャレンジのきっかけになるかもしれません。

私のことを応援してくれる方の言葉の受け売りですが、
挑戦と応援が伝播」していったら、とても素敵です。


eckeを通じて、私自身も「配られたカード」を楽しみつつ、皆様と優しい社会を創っていきたいと思っています。


ecke(エッケ)
神奈川県相模原市中央区淵野辺3丁目16-18 石田ビル1-A

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