2023/09/23 09:00

【中村京蔵連載企画】連載59回
「三島由紀夫からフェードルそしてNINAGAWAマクベス」
ーフェードル上演までの軌跡


さて、裏方さん、スタッフ皆様のご紹介を、改めてさせて頂きます。

黒衣後見は、私の弟弟子の京由、京純、彦三郎さんのお弟子のやゑ六さん、

梅玉さんのお弟子の梅寿さんにお願い致しました。

4人共、誠実で呑み込みの早い、安心して任せられる優秀な方々です。

黒衣のような仕事は演出助手の方々がすることを、

私は歌舞伎以外の舞台で知り、今回、共演者の方々は、

黒衣の仕事はそれぞれのお弟子さんがすると知って一驚されていました!

テゼとイポリットの化粧を含めた扮装全般は、

ベテラン菊三呂さんにお願い致しました。

照明の袰主さんは師が信頼していた照明家さんで、

私の自主公演も、いつも全て袰主さんにお任せしています。

欧州公演の時も、現地のスタッフと言葉は通じなくても、

剽軽な身振り手振りでドンドン仕込みが進み、

まあ!その仕事の早いこと!(笑)

同じく照明の荒木さんは初めてお目に掛かりましたが、

繊細なセンスと神経で、素敵な照明を設計してくださいました!

音響の内藤さんも旧知の仲の大ベテラン!

毒舌の中にも優しさが滲み出るお人柄です(笑)

心の襞に入り込む見事な効果音に助けられました!

映像の松澤さんは大河内さんのツテで初めてご一緒しましたが、

大河内さんの意図を汲んで、素晴らしい幕開きとなり、

松澤さんも歌舞伎的様式の舞台は初めてだそうで、

興味津々で入れ込んでくださいました!

狂言作者の竹柴潤一さんはツーカーの仲良しで、

台本通り一言一句揺るがせにしない厳しい姿勢で、

私もよく怒られました!(笑)

舞台監督の滝沢さんは元歌舞伎座舞台に居て、

独立したあとは各方面で大活躍!

私の仕事も以前から手伝って貰っていて、

今回のフェードルも大変面白がってくれましたが、

終わって「草臥れ果てた………」とぼやいておりました(笑)