2017/05/10 20:19

本プロジェクトの言い出しっぺ、かつ実行する本人でもある、ライター・”みわよしこ”です。
予定していた取材の第1シリーズを無事終了しております。
経過報告の投稿が途絶えており、申し訳ありません。

 

●写真の「くまモン」について

本経過報告トップ写真の「くまモン」は、熊本地震本震から1週間後の2016年4月23日、沖縄県恩納村・文化情報センター(図書館を含む複合施設)にいました。
同センタースタッフが、熊本地震を受けて特設コーナー「がんばれ! 熊本」を設置し、「くまモン」も登場していたというわけです。
同様の活動を行った図書館は、全国各地に何百・何千館もあったのではないでしょうか? 総数はたぶん把握されていないと思いますが、たくさんの「くまモン」が熊本地震とその地の防災について、意識を高める活動に無言で従事していたものと思われます。

 

●投稿が途絶えた事情-言い訳めいてすみません

あまり体調がよくなかったところでの企画・取材スタートとなりましたが、「熊本地震から1年」の節目は待ってくれません。
とりあえず飛行機に乗り、移動し、宿泊し、体力の消耗や浪費をなるべく避けるようにしました。
取材は100%の力で行えたと思いますが、その他、取材に関連する仕事との間に、大きな「メリハリ」がついてしまいました。
それでも東京に戻り、まだ長旅の疲れが抜け切らないところに、4月末、ハラスメント被害がありました。
GWはほとんど泣いて寝て暮らしておりました。そこから、やっと回復してきたところです。

 

●貧困・障害などを取材することに関連したハラスメント・リスクについて、やや長くなりますが

貧困・障害などの取材をしていますと、実はかなりのハラスメント・リスクがあります。
「貧困や障害について書いているライターだから、そのような問題の理解者(あるいは当事者)である自分は拒まれないだろうし、泣き寝入りさせられるだろうし、反撃を受けても『貧困や障害に理解あるふりを装っているだけ』と倍返しできるだろう」
という計算づくでのハラスメントを、実はけっこうな頻度で受けています。相手との関係の強弱はさまざまですが、少なくとも「知らないわけではない」「相手は自分を知っている」という関係にはあります。

というと「だから生活保護受給者は」「路上生活者だからでは」「弱者に情けをかけるからそんなことになる」「サヨクはこれだから」といった見方をする方もいそうですが、そういう問題ではありません。こちらは女性で障害者ですが、相手は男性とは限らず、健常者とは限らず、貧困状態にある人とは限らず、生活保護で暮らしている(あるいはその経験のある)人とも限りません。ついでに言うと、「弱者に情け」とか考えたことはありません。社会問題に関する仕事のモチベーションの源は「自分が気持ち悪いと思う世界に自分が生きるのはイヤ」「自分の生きている世界を、より気持ちよいものにして、その世界に自分も生きたい」です。

ただし、ハラスメント・リスクを特定の地域・特定の属性を避けることで減らせるのなら、どれだけラクだろうかと思わなくはありません。もしも、「ラベリングされている地域を避ける」「生活保護を避ける」「貧困状態にある人を避ける」「男性を避ける」「女性を避ける」「健常者を避ける」「障害者を避ける」「会社員を避ける」「派遣労働者を避ける」「フリーランサーを避ける」「特定の人物を避ける」……といったことが可能かつ対策になるのなら(天に唾ですが)、とっくにそうしているかもしれません(あくまでも仮定の話です)。私には、私の仕事を待っている方々のために仕事をする必要があります。私を養い手としている猫たちを守る義務もあります。嫌う方、憎む方は、そりゃ、いるでしょう。誰からも好かれ、誰からも憎まれないことは、誰にも不可能です。人一倍、人間関係が不器用な私には、さらに不可能です。そもそも、地域や属性で線を引くことは基本的には対策になりませんから、対策として採用できません。

ならば、どうすれば大きな不測のダメージを受けることを避けられるのか……試行錯誤中です。人間関係のしがらみ・関係性などでも対策できません。いったん対策できたように見えても、その対策が無効になるスキを皆無にすることはできません。私にとっては、安心したころに忘れたころに不意打ちのような打撃、の連続になります。はあ……。

さて、取材第1シリーズのご報告です。

 

●行ってきました10泊11日

日程は下記の通りでした。

-2017年4月15日(土)

東京→熊本へ移動。熊本市内で被災図書館を見学。熊本市内に宿泊。

-4月16日(日)

熊本県益城町・合志市で、被災図書館および地震から1年の節目で開催されたイベント等を見学。
熊本市内に宿泊。

-4月17日(月)

熊本県益城町で、地域住民の方々に被災経験・その後の復興に関するお話を聴く機会に恵まれました。長時間にわたって貴重なお話を聞かせてくださったご夫妻に感謝いたします。このご縁をつないでくれた、10代からの友人・Sさんにも感謝します。
熊本市内に宿泊。

-4月18日(火)

熊本県益城町で、益城町図書館に伺って取材。じっくり見学、館長さん・司書さんにもお話を聞かせていただきました。ご多忙のところ、ありがとうございました。
この後、熊本空港→大分駅(バス)、大分駅→別府駅(JR)と移動。別府市内に宿泊。

-4月19日(水)

ドカンと疲れが出て動けず。休養日と割り切ることにして、ぼんやりゴロゴロ。しかし翌日の別府市は、天気予報によると雨。「別府市内の取材予定先の撮影だけは」と、晴天のもとカメラ担いで外出。
激写ののち、夜、別府駅近くで大分県在住の女性と情報交換(女二人で飲んだくれともいう)。記憶はないが、翌朝、目が覚めたら別府市内の宿泊先で、ちゃんと着替えて歯を磨いて寝ていた。大分県在住の女性も同様だったもよう。地元限定のお酒、おいしゅうございました。別府市内に宿泊。

-4月20日(木)

別府市に新設が予定されている複合施設(図書館を含む)、別府市の生活保護運用について、別府市役所で取材。2部署のお3方、ご多忙のところ、ありがとうございました。市役所近くの温水プールで泳ごうと思ったが(水着はいつも持ち歩いてます)、別府市内観察に夢中になるあまり昼ごはん食べ損なったのと、充実した取材で疲れ、断念。
夕方、JR特急で福岡県内に移動。日付が変わる前にホテル到着、バタンキュー。
福岡県内に宿泊。

-4月21日(金)

取材の下調べなどを行いつつ、この日公開予定だった「生活保護のリアル」を1日遅らせても公開するかどうかの判断。結局、見送りに。
体調、今ひとつ。福岡県内の友人と飲む約束をキャンセルして、ホテルでおとなしく休むことに。先はまだまだあるんだから。
といいながら、そんなにおとなしくもしておらず、あちこち出かけて今後の成り行きがわかりそうな何やらを見たり、人に会って情報交換はしていたのだけど、あまり詳しく書けません。福岡県内には絶縁状態だったり関係が険悪になっていたりする血縁者がいるので、どのあたりに出没したかも書けません。
福岡県内に宿泊。

-4月22日(土)

福岡県・春日市民図書館の指定管理化が決定された問題で、関係者と会って昼食がてら情報交換。メニューは博多モツ鍋。昼間からアルコール抜きのモツ鍋、いいものです。
午後、福岡空港→那覇空港→沖縄県恩納村 と移動。
恩納村泊。ホテルのプールで泳いで寝る。

-4月23日(日)

「恩納村文化情報センター(図書館を含む複合施設)」の開館2周年の記念日。熊本取材と沖縄取材をくっつけることになったのは、この日程のため。
もちろん、恩納村文化情報センターを訪問、開館1周年から2周年にかけての状況の変化を伺った。
夜はホテルのプールで泳ぐ。体力つけなくちゃ。恩納村泊。

-4月24日(月)

予定が何も入らなかったので、休養日に宛てた。
海で軽く泳いで昼寝、プールでがっつり泳いでがっつり就寝。「休め」と自分に言いつつ、あんまり休んでなかった気もするけど。恩納村泊。

-4月25日(火)

午前中、OIST(沖縄科学技術大学院大学)に伺い、沖縄大学コンソーシアムの子どもの貧困に関する取り組みとOISTの取り組み、地域課題に対する認識とOISTとしての取り組みなどについて、副学長のお二人からじっくりお話を伺う。お忙しいところ、ありがとうございました。
行きはタクシー。帰りは車椅子で帰って熱中症になりかけたが、「ホテルまで逃げ切れるだろう」という読みがあたり、逃げ切れた。
水分補給、水シャワーで太い血管のあたりを冷やしまくってしばらく横になり、血圧体温がほぼ正常化したところで、海で冷やして(=泳いで)治した。恩納村泊。

-4月26日(水)

晴天の続いた沖縄本島、この日は雲行きが怪しく、降水確率60%とか。
恩納村を出て金武町へ。福祉・保育の現場で働く方と、お勧めの素敵なカフェで昼食。職場とご自分の取り組みについて、お話をじっくり聴かせていただきました。公共の社会教育施設との連携も期待が持てそうです。せっかくのお休みの日に、ありがとうございました。
この後、中城村・護佐丸図書館へ。防災を意識して建てられ、もうすぐ(5月30日=ごさまるの日)に1周年を迎える図書館の館長さん・学芸員さんに、設立・現状・今後についてのお話を伺いました。ご多忙のところ、ありがとうございました。
夕刻、那覇空港へ。女性と子どもの貧困に取り組む那覇市内のキーパーソンと情報交換しつつ夕食。私が飛行機に登場するころに雨が降り始めた。さすが、私の晴れ女パワー。
フライトは遅れたけれど、終電も遅れていたので間に合い、4月27日午前2時ごろ東京の住まいに帰宅。
最初にしなくてはならなかったことは、猫たち(9歳男子+11ヶ月女子)が廊下で繰り広げた「かーちゃんの食べ物、美味しそうじゃない?」大会の後始末。おぼろ昆布に漉き昆布、松山揚げ、干し椎茸、あと何があったかな。廊下一面に散乱した乾物を拾い集めたり捨てたりしながら、猫たちには「これが終わらないと、あなたたちのご飯は出せないよ?」と言い聞かせ、終わったら猫たちにウェットフードを与え、おやすみなさいませ。ああ、松山揚げがダメになると分かっていたら、熊本で南関揚げを買ってくるのだった。後悔。

 

支出実績額は?

支出実績額は、確実に15万円以上に達しております。
フライト・ホテル費用は、これまで蓄積したケチケチテクニックをフル活用しての個人旅行パッケージ利用でで10泊11日、約12万円。
でも、熊本・沖縄での2日間のタクシー費用だけで4万5000円超。長時間乗っていても疲れないけれども折りたためない車椅子を使っているため、小型タクシーというわけにいかず、どうしても高くなってしまいます。
なお、クラウドファンディングの対象にするつもりはありませんが、この他に、留守中の猫のシッティング費用などの支出もあります。

パトロンの皆様には、支出の詳細に関する報告をいたしますが、今しばらくお待ちください。
腰から上は健常者(特に口の悪さは健常者以上)と思われている私ですが、全然ダメなことがあります。細かい紙の取扱いです。
ヘルパーさんにレシートの整理をお願いできる余裕が見つかる日まで、支出報告はしばらくお待ち下さいませ。