※2023/6/12追記

【目標金額達成のお礼】 

おかげさまで、目標の100万円を達成することができました! 本当にどうもありがとうございます。

皆様からのご支援もさることながら、いただいたコメント一つ一つをとても嬉しく拝見しています。写真に癒されると言ってくださった方、カレンダーを愛用してくださっている方、朝日新聞の連載をご覧いただいていた方、写真集を心待ちにしてくださっていた方、そして剱岳が大好きな方…お一人お一人のお気持ち、本当に嬉しいです。ご支援いただいた資金は、大切に使わせていただきます。 

クラウドファンディング終了まではあと17日。まだお時間がありますので、ネクストゴールにチャレンジさせてください!
ネクストゴールは200万円に設定いたしました。全額、写真集『剱岳遠近 憧れの山』『剱岳遠近 畏敬の岳』出版費用とさせていただく予定です。

せっかくいただいたこの機会、最後まで走っていきたいと思います。応援よろしくお願いいたします!


「日本で一番美しい山はどの山ですか?」
そう聞かれたら、きっと多くの日本人が富士山だと答えるのではないでしょうか。

では、
「日本で一番かっこいい山はどの山ですか?」
そう聞かれたらどうでしょう。

僕にとっての日本で一番かっこいい山は、北アルプス北部の立山連峰にある剱岳(つるぎだけ)。 
標高2,999 m。男の中の男を思わせる、登山者にとってのあこがれの山。実は最も危険度が高いとされる山でもあります。 

『剱岳遠近 畏敬の岳』より、夏の残雪

皆様、はじめまして。山岳写真家の高橋敬市と申します。
ひょっとすると、「クマに襲われた富山の写真家」として、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

写真家として独立してから40年にわたり、剱岳をはじめとする山と自然、自然とともに生きる人々をモチーフに写真を撮り続けてきました。

縁あって、朝日新聞富山版にて2013年より10年間連載させていただいた写真&コラム『剱岳遠近(おちこち)』の連載が2023年1月で終了となったのを機に、

「掲載された写真をまとめ、人生の集大成となる写真集を出版したい!」

と思い立ち、このプロジェクトを立ち上げました。

 

『剱岳遠近(おちこち)』 は、富山が誇る名峰、剱岳とその周辺の自然や人々の暮らしを様々な角度で切り取り、写真と文で記した連載です。朝日新聞富山版にて2013年4月より2023年1月まで、368回の長期連載となりました。許可をいただき、こちらにリンクを掲載いたします。


その終了を受け、掲載した数々の写真から厳選したものを『剱岳遠近 憧れの山』『剱岳遠近 畏敬の岳』として出版することを決意しました。

「遠近(おちこち)」とは遠いところと近いところという意味もあれば、将来と現在、昔と今、という意味合いもあります。40年余りの僕の山岳写真家人生の集大成として、昔から今そして未来へと、少しずつ変わりつつある剱岳の姿をぜひ多くの方に見ていただきたいのです。

2冊の写真集をそれぞれ、掲載予定の写真を交えて紹介いたします。

 『剱岳遠近 憧れの山』は、「遠近(おちこち)」で言えば「近(こち)」。剱岳の麓から、日常的にみられる風景や人々の暮らしを撮影したものです。

■高橋敬市写真集『剱岳遠近 憧れの山』
※こちらの写真集は自費にて出版いたします 

製本 :ソフトカバー 
サイズ:20cm×22.5cm
ページ:72ページ

『剱岳遠近 憧れの山』表紙写真。剱岳の紅く染まった山肌が美しい

満月が山頂にかかる、パール剱岳をとらえる

荒々しく連なる稜線の見事なグラデーション

剱岳を望む、満開の桜

対して、『剱岳遠近 畏敬の岳』は「遠近(おちこち)」の「遠(おち)」。山に分け入らないと決して見られない、厳しくも美しい自然の姿をとらえています。

■高橋敬市写真集『剱岳遠近 畏敬の岳』
※こちらの写真集は自費にて出版いたします 

製本 :ハードカバー 
サイズ:22cm×27.5cm
ページ:102ページ(予定)

『剱岳遠近 畏敬の岳』表紙の剱岳。雪に覆われていてもわかるその急峻さ

一面のコバイケイソウに出会う

右側の万年雪「三ノ窓雪渓」は、日本初の氷河認定を受けたうちのひとつ

標高差のある剱岳は、色とりどりの絶景が長く楽しめる


観天望気が高じて写真家に

高知県で生まれ、高校卒業までを過ごしました。当時はまだ車が普及しておらず、移動のメインは電車。旧国鉄社員だった父が様々なところにスキーに連れて行ったおかげで、僕はスキーと旅行が大好きになりました。

高校卒業後は2年間の会社勤めのあと、剱岳にある剱御前小屋にお世話になることになりました。冬はスキー場、夏は山小屋で働くことになったのです。スキーは指導員の資格を取るほどに上達し、インストラクターとして仕事をするようになりました。

山小屋での暮らしは天候に左右され、登山客からは必ず明日の天気を聞かれます。当時は気象予報士という資格はなく、気象台の職員が天気を予測していたころ。僕はラジオを聞きつつ天気図を書き、雲を眺めて明日の天気を予測していました。自然現象や生物の行動の様子などから天気の変化を予測することを「観天望気」というのだそうです。

山小屋には写真家の方が多く訪れ、時間のある時は写真撮影のイロハを教えてくれました。そこで僕は、観天望気の記録を取ろうと雲の写真を撮ることを思いついたのです。写真を始めたのは、それがきっかけでした。

『剱岳遠近 憧れの山』より、通勤時間帯に出現したつるし雲 

冬はスキー、夏は山小屋という生活を10年ほど続けたある日、山小屋が全焼するという事件が起きました。仕事がなくなり、実家に戻るか山の仕事を続けるかの二者択一を迫られるなか、こう思ったのです。

「まだ、山にかかわる仕事がしたい!」

ダメもとで撮りためた雲の写真を出版社に持ち込んだところ、観天望気という「写真の撮り方が面白い!」と、いきなり某有名写真雑誌に掲載が決まったのには驚きました。時を同じくして、とあるテレビ番組で雲の写真が使われることも決まりました。

「”観天望気”という切り口で、山にかかわる仕事が続けられるかもしれない」

そこで僕は、写真家として独立するという道を選んだのです。32歳の時でした。

ロッキー山脈の麓から、立山連峰の麓へ

僕が父にしてもらったように「子どもにもいろいろな体験をさせたい」という思いから、36歳の時にカナダのアルバータ州ジャスパーに移住。ロッキー山脈のふもとの町で1年半を過ごしました。雄大な自然とともに生き、英語や海外文化を学ぶ。彼にとってはもちろん、僕にとってもとても良い経験になりました。

湖が凍って天然のスケートリンクに

雪山で撮影中

日本に戻り、拠点をどこにしようか考えたとき、ちょうど山小屋時代の仲間から剱岳の麓にある物件を紹介してもらったんです。そこがまた、カナダで住んでいたところととても良く似ていたんですよね。

そんなご縁で、剱岳の麓に住まうことになりました。それが、僕のギャラリー兼住居「natur(ナトゥーア)」です。今もここを拠点に、剱岳周辺の自然とひとびとの暮らしを撮り続けています。

クマに襲われて、自然への敬意を新たにする

写真家として活動する傍ら、スキーのインストラクターや山岳ガイドとしても活動し、写真集も複数冊出すことができました。カメラ一本、というわけにはなかなか行きませんが、順調に毎日を過ごしていたある日のこと、事件は起きました。

2018年6月5日、僕はいつものように撮影に出かけて戻るところでした。場所は美女木平駅から300メートルほどの谷間。バスの行きかう音が大きく聞こえ、駅のアナウンスも聞こえるような距離にある谷間のやぶを駅に向かって進んでいたところ、見通しの悪いところを抜けた先4メートルほど向こうに、いきなりクマが現れたのです。

顔をひっかかれてかみつかれ、血だらけになり意識がもうろうとしました。なんとか崖をよじ登って近くの作業小屋までたどり着き、防災ヘリで病院まで運ばれました。人のいる場所の近くで本当に良かった。じゃないと助からなかったでしょう。傷はふさがりましたが、顔の右半分には今でもマヒが残っています。

当時は新聞にも大きく報道され、ネットニュースでも1位になるほどの衝撃的な事件だったのです。

許可をいただき、実際の紙面を掲載します

クマの情報は何度も耳に入っていたけれど、慣れてしまっていたんですね。クマよけの鈴もラジオもなにも持っていなかったんです。うかつでした。

クマは、日本では神様の使いとされており、立山に伝わる伝承「立山開山縁起」でも、熊は立山の神か、その使いを象徴しています。 さらに言えば、立山信仰を描いた「立山曼荼羅」においては剱岳は地獄として描かれていますし、弘法大師が千の草鞋を履いても登れなかったという言い伝えも残っています。それだけ厳しい山だと、昔から認識されていたのです。

その山々の麓に住んでいながら、自分は自然に対してなんと甘かったことかと気付かされる出来事となりました。クマに出会わなければ、人生は今と変わっていたかもしれません。でも、あの時出会ったのはきっと良かったのだと思っています。

それからというもの、自然をテーマに撮影していくことに変わりありませんが、「自然と人間には一線がある」ということを常に意識するようになりました。写真からもその思いが伝わるように、一枚一枚渾身の思いを込めてシャッターを切っています。

写真集『憧れの山』『畏敬の岳』をぜひご覧いただき、その思いの一端に触れていただければ幸いです。


皆様からご支援いただいた資金は全額、大切に使わせていただきます。

まずは最初のゴールとして、

・写真集『剱岳遠近 憧れの山』『剱岳遠近 畏敬の岳』出版費用(一部)(約100万円)

を設定させていただきます。

また、多数のご支援をいただき出版費用分が集まった際には

・写真集『剱岳遠近 憧れの山』『剱岳遠近 畏敬の岳』出版費用
・写真展開催費用

を段階を踏んで上乗せし、最終的なネクストゴールとして、500万円を設定させていただければ幸いです。

※ご支援いただいた資金のうち、17%はCAMPFIRE手数料として納入いたします


それはもちろん、写真集『剱岳遠近 憧れの山』『剱岳遠近 畏敬の岳』を一人でも多くの方にお手に取っていただきたい!と切に願っております。二冊セット割引もございますので、この機会にぜひお求めくださいませ。高橋敬市写真集『剱岳遠近 憧れの山』より、稜線と朝焼け

写真集としてだけでなく、「いつでも眺められる形がいい」という方には、剱岳の迫力を余すことなくお楽しみいただける写真形式のリターンをご用意しました。サイズが複数ありますので、飾る場所に合わせてお選びください。「もっと気軽に飾りたい!」という方に向けて、2024年カレンダーやポストカードもご用意しています。

「スポンサーとして応援したい!」という個人や企業の皆様、本当にありがとうございます!個人の方は写真集『畏敬の岳』個人スポンサーを、企業の方には写真集『畏敬の岳』企業スポンサーをご用意しました。ぜひご利用ください。

その他のリターンやリターン詳細については、リターン一覧をご覧くださいませ。


2023年6月29日 クラウドファンディング終了
2023年7月1日~ 調整が必要なリターンについて、調整開始
2023年8月11日 山の日に、『剱岳遠近 憧れの山』『剱岳遠近 畏敬の岳』同時発売予定
2023年8月11日~ 準備でき次第リターン送付開始
2023年9月28日~ 富山県県民会館 ギャラリーAにて写真展開催予定(10月1日まで)


今年で写真家になって41年目、72歳になりました。今でも年間70回から80回は山に入り、剱岳とその周辺の自然と人々の暮らしの撮影と、山岳ガイドの仕事を続けています。

山に登るのも写真を撮るのも、自分の中では一種の巡礼、儀式だと思っています。

雲のもとは水。雨や雪が山に降り、平野を流れて日本海に注ぎ込み、そこから蒸発して雲になる。循環しているのです。僕はその自然現象を追いかけ、カメラに収めています。そんなとき、「今日は神様がいるな」と感じることがあるのです。

高橋敬市HP掲載作品より 

ー枚ー枚の写真は、音楽で言えば音符です。音符をつなげて曲にするのが作曲家なら、写真をつなげて物語にするのは編集者。長年お付き合いしている信頼のおける編集者の方に、編集作業をお願いしました。僕の渾身の写真たちを、彼がきっと素敵な物語に仕上げてくれるはずです。

そうして生まれる写真集『剱岳遠近 憧れの山』『剱岳遠近 畏敬の岳』をご覧いただき、山に登ったことがある人はもちろん、登ったことのない人にもぜひ、僕の大好きな剱岳をはじめとする山々の魅力と、自然の素晴らしさや人々の暮らしを伝えたい!と思っています。

僕の想いにご賛同いただける方、写真集『剱岳遠近 憧れの山』『剱岳遠近 畏敬の岳』を見たい!と思ってくださる方、登山が好きな方、気象や自然が好きな方、山岳写真家高橋敬市の活動を応援してくださる方…一人でも多くの方よりあたたかいご支援をいただければ感無量です。皆様、どうぞよろしくお願いします。 

山岳写真家 高橋敬市


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

※使用している画像や動画の掲載許可はすべて取って掲載しております。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください