はじめに

こんにちは。プロジェクトを行っている朝戸サルヴァドール千鶴です。私は、日本の看護師の資格があり、病棟看護師としての勤務経験があります。その後、フィリピンを生活の拠点として、フィリピンでの看護師の資格取得を目指しましたが、双方の国の法律体系が一致しなかったため、国家試験の受験資格を認めてもらうことができませんでした。ユニバーサルなものであるはずの看護師としての仕事を、国が変わったことでできなくなるという事実に、とても悔しい思いをしてきました。

2008年にインドネシア、2009年にフィリピン、2016年にベトナムとの経済連携協定のもと、看護師や介護福祉士を目指す外国人が入国してきました。介護については、社会的な注目度も高く、国家試験合格率も順調に伸びてきています。

けれども看護師については、来日する人数が、介護福祉士候補生や、特定技能介護、技能実習など介護人材として言われる人たちよりも少ないこともあり、ほとんど話題に上がってきていません。合格率は、3割前後。多くの人たちは、不合格を機に帰国してしまったり、看護の道を諦めたりしているのが現状です。経済連携協定では、受け入れ病院は国家試験に合格するためのサポートを行うことになっていますが、本来病院の看護師の業務として国家試験指導は含まれていません。臨床のナースは、患者さんに直接的に質の高いケアを提供することが業務のコアなので、こうした先輩ナースまたは病院の職員の方たちに外国人の国家試験受験指導を委ねること自体が、非常に無謀な話なのです。ですから、就職した病院に応援の気持ちがあっても、対応ができないということは決して責めるべきことではありません。これは、私自信が臨床での看護業務を経験したからこそ、心から感じていることです。

しかし十分な学習サポートが得られないことで、日本の看護師国家試験受験を目指しながらも、勉強の仕方がわからない、孤独感が先に立って勉強に集中できないという外国人ナースが多くいます。私は、こういう方達と一緒に国家試験までの間、学習支援という形で伴走したいと思っています。

受験支援サポートのあゆみ

「がんばって、看護師として働きたい」という声は根強くあります。受験のサポートをすることで、日本の看護師国家試験に合格することができた人もいます。この数年では、「今自分は介護の仕事をしているが、母国では看護師だったので、看護師の資格を目指したい」という人や、経済連携協定以外のルートで来日し、看護師の資格取得を目指している人もいます。

私自身が単に国境を越えただけで看護師として認めてもらえなかった経験から、同じような思いをする看護師が少しでも減るように。また、志して試験を受けるからには、合格して、看護師として活躍ができるようにと支援を行っています。

2015年→クラウドファンディングが成立したことを機に、学習支援や相談への対応を開始。

2017年まで→他団体に学習支援をお任せし、主に費用面のサポート。

2018年→日本語教師の資格を取得。

2018年→学習支援を含めたオリジナルのサポートを開始。

2021年まではフィリピンを中心に活動しており、EPA看護師候補生として来日し、契約期間内に国家試験に合格できず帰国した看護師の「再受験」としての支援を行ってきました。主な活動内容は、教材の提供、1月のマニラでの合宿学習と、日本への動向、試験前までの合宿学習でした。再受験を目指す人は、毎年3名程度。18年は1名、20年に1名の合格者が出ました。

マニラでの受験前合宿学習会の様子。

2023年オンラインサポート活用者3名から合格の報告がありました。うち、1名は学習会にも頻繁に出席していました。また1名は、オンラインに参加することは好まず、自己学習でわからないことがあると、質問メッセージを送ってきていたので、この質問に答える形で対応していました。

サイトでの合格報告

コロナの流行と共に、学習会をオンラインに切り替えました。これにともない、2022年から、対象をフィリピン人に限らず、また EPAに限らず看護師を目指す外国人ナースに広げています。

また、昨年は6月から試験前日まで、無料のオンライン学習会を週に2回開催し、看護師国家試験の過去問題を中心に、外国人ナースの受験対策に寄り添ってきました。今年も6月からの開催を予定して準備中です。

さらに、昨年度より、国家試験過去問題に基づいた練習問題や暗記フラッシュカードアプリを、キーワードから作成できる自作コードをGoogle Apps Scriptにて開発し、オンライン学習会以外に自己学習でも活用できる学習支援を行っています。

学習支援に関して「EPA看護師プロジェクト」のサイトで取り上げていただきました

対象者への情報発信や共有は、多くの在日外国人ナースがアカウントを活用しているFacebookの当事者のみの限定コミュニティを使い、必要な情報が必要とする人に届くようにしています。


合格者からの応援メッセージ

2018年 合格 Jさん(フィリピン) 現在日本で看護師として就労

 

I think it’s really important to get some guidance from a native speaker with experience in the field of nursing. 

Sharing thoughts, point of views, strategies and the like with fellow test takers and mentors will actually improve your skills on how to approach each questions in the exam. 

It might be overwhelming, but it’s worth it! Just try to focus on your goals but never forget to enjoy while you learn!

I’m keeping my fingers crossed! 頑張れ!!!

看護の分野で経験を積んだネイティブスピーカーから指導を受けることは、本当に重要だと思います。

受験者仲間やメンターと考えや視点、戦略などを共有することで、実際に試験の各問題にどのようにアプローチするかというスキルを身につけることができると感じました。

こんなのムリ!と思うかもしれません。でも、それだけの価値が絶対にあります!自分の目標向かって、楽しみながら勉強することを忘れないでください!

応援してます! 頑張れ!!!


2020年 合格 Nさん(フィリピン) 現在日本で看護師として就労

Looking back, It's been a year that was I able to achieve my dream which is to be a certified Japanese nurse.  I am so grateful that this was made possible through the kind assistance and generosity of  Chizuru Sensei and all the people who supported and gave me inspiration in this journey.  

Thank you again and may you continue to help foreign nurses.

私の夢だった「日本の看護師になる」ことが実現しました。 これもひとえに、千鶴先生をはじめ、応援してくださった方々、あきらめない気持ちを呼び起こし続けてくださった方々のお力添えがあってこそと感謝しています。 

そして、これからも外国人看護師へのサポートを続けてください。


2023年 合格 Wさん(インドネシア) 

先生。サポートしてくれてありがとうございました。何回も過去問題を復習してなかなか理解できなくて勉強会時先生が理解しやすい説明して本当にありがとうございました。今度受験する人も合格するようにがんばってください。


ご支援の使い途

学習会開催人件費:60万円
教材費:15万円
合宿費:50万円ー参加3名まで 渡航費などの交通費は除く
広報・通信費:5万円
手数料:約15万円 (クラウドファンディング手数料)
所得税:約15万円 (事業所得)

これまでの活動運営の費用は、サポーターからのご支援や、私の日本語教育などの売上でまかない、「受験者が勉強以外の心配をしなくて良い」ことをモットーに活動を展開してきました。現在、私が1人で切り盛りしていますが、90分の学習会運営には、準備や事後作業など含め4時間程度の時間がかかります。私は、このサポート活動のため、会社勤めのような収入形態を取ることができないので、フリーランスの日本語教師、翻訳業などで収入を得ていますが、学習会の準備や実施時間は、他の仕事をできないため、収入を得られる時間が限られています。

また、フィリピンでは、奨学金などの返済のために、就労契約を結ぶ「お礼奉公」は、移民労働省(Department of Migrant Worker)によって禁止されています。このような手段をご提案いただくことも多いのですが、法的な事情から合格後に就労をお約束する形で、費用をご負担いただくスタイルのご支援を受けることができません。

このため、資金を得る手段と時間がとても限られたものになっています。

ご支援によって得られる資金で、まず受講者に適切な教材を届けると共に、私自身が最新の予想問題集などを購入し、試験対策の準備をします。また、私がこうした準備や学習会の開催に対して収入を得られることで、さらに充実した活動をさせていただけます。(十分な収入が得られれば、学習会の開催回数を増やすことも検討したいと思います。現状、週2回勉強会開催の場合、人件費としての算出は1ヶ月で50000円です。)

また、帰国者の中から参加者が出てきた場合は、受験渡航する場合の費用にも、充てさせていただきます。


実施スケジュール

4月から 参加者募集開始、過去問の練習問題出題と、暗記用フラッシュカード配布開始
6月1日  今年度用教材の精査
6月1日  無料オンライン学習会の提供開始

2024年

2月  受験までの合宿学習
2月 受験
3月 合格発表
3月 オンライン合格報告会


募集方式について

本プロジェクトはAll-In方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けいたします。

リターン

クラウドファンディングの目標がプロジェクトの運営のため、物品で差し上げることができません。感謝の気持ちをお伝えする方法を考えました。また、過去のクラウドファンディングの経験から、連絡先を知らせたり、お知らせを受け取ることが、お気持ちに沿わない方もいらっしゃったため、【見守りご支援】のオプションを設定しています。

■100,000円(下記いずれかよりおひとつ)

・オンラインでの試験後ご報告会にご招待
・日本語オンラインレッスンチケット 45分 10回分(譲渡可能)
・Nihongo Salon ASAサイトおよびFacebookページへのお名前掲載+メールなどでの月間進捗ご報告。”
・【見守りご支援】Nihongo Salon ASAサイトおよびFacebookページへのお名前(実名以外も可)掲載(連絡不要オプション)

■50000円(下記いずれかよりおひとつ)

・オンライン学習会見学(1回)
・日本語オンラインレッスンチケット 45分 5回分(譲渡可能)
・Nihongo Salon ASAサイトへのお名前掲載+メールなどでの月間進捗ご報告。
・【見守りご支援】Nihongo Salon ASAサイトへのお名前(実名以外も可)掲載(連絡不要オプション)

■30000円(下記いずれかよりおひとつ)

・オンライン学習会録画視聴(1回分)
・日本語オンラインレッスンチケット 45分 3回分(譲渡可能)
・Facebookページへのお名前掲載+メールなどでの月間進捗ご報告。
・【見守りご支援】Facebookページへのお名前(実名以外も可)掲載(連絡不要オプション)

■10000円(下記いずれかよりおひとつ)

・日本語オンライン体験レッスン 45分2名または1回30分2回各2名(譲渡可能)
・Facebookページへのお名前掲載+メールなどでのお礼のご連絡+メールなどでの月間進捗ご報告。
・【見守りご支援】(連絡不要オプション)

■5000円

・メールなどでのお礼のご連絡+メールなどでの月間進捗ご報告(7月から毎月1回)

■3000円

・メールなどでのお礼のご連絡

最後に

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。やる気のある外国人ナースが、日本で活躍できるようぜひ応援をお願いいたします。

日本で元気に看護師として活躍している合格者たちと再会できて本当に嬉しかったです!

月額定額で、長い時間をかけてプロジェクトを応援してくださる方向けのコミュニティも運営しています!



自己紹介

朝戸サルヴァドール 千鶴(Chizuru Asato-SALVADOR)

日本で看護師資格を取得。病棟看護師として勤務。
フィリピンに生活拠点を移し、看護師免許取得を試みるも、法律上の問題で実現に至らず。
看護に関わるライフワークを見つけたいと思い、通信過程にてグリフィス大学(オーストラリア)看護学修士号を取得。
日比経済連携協定による、看護師・介護福祉士候補生の受け入れが始まった頃より、関連の通訳や翻訳、コーディネーションを行う。
2013年ごろより日比経済連携協定で、期間中に国家試験に不合格となった看護師たちフィリピンに帰国するのを目にして、再受験支援を思い立つ。2014年にフィリピン国内でNPO法人を立ち上げ。(通称Nihongo Salon ASA)
受験支援を行ううちに、看護師の資格や経験だけでなく、日本語教育に関する知識や経験も必要であると痛感し、通信での養成講座受講、日本語教育能力検定に合格し、日本語教師として活動するようになる。

「EPA看護師 帰国者支援と起業〜日本語サロンASA 活動報告と今後の展望」(国際助成プログラム)

フィリピンでは、観光地のボラカイ島を拠点としているため、旅行業、ホテル関連の経験もあり。


**本文中に記載されているZoomは、 Zoom Video Communications社の登録商標または商標であり、facebookは、Meta社の登録商標または商標です。これらの商標と当該プロジェクトのリターンとは直接関係ありません。

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