プロジェクトの概要

 1992年に発足し、紛争解決・平和構築を目的に活動してきた私たちは、過去に山中で避難生活を送るカレン族に対して、現地で自給自足するための支援物資を提供しました。今回は、避難キャンプの子どもたちに対し、農具・学用品・食料・生活用品・その他の物資を送り、長引く避難生活を支援することを目的としています。


ミャンマーの歴史と現状

 135もの民族が住む多民族国家のミャンマーは、1885年にイギリスの統治下に置かれるまで、民族間の対立や戦いが絶えませんでした。イギリスからの独立後、軍事政権によるクーデターが相次ぎ、およそ半世紀にわたり軍事政権の統治下に置かれました。また、2011年には問題を抱えつつも民生移管を果たしますが、2021年の国軍によるクーデターによりミャンマー国軍は再び国の実権を握る運びとなります。

 クーデター発生当時は、毎日のようにメディアで報道されていましたが、今日でそういった報道はほとんど見かけなくなりました。しかし、今でもミャンマーでは多くの人が苦しい避難生活を送っています。


地図出典:国連難民高等弁務官事務所

※以上の写真は全て現地から届いたものです。


誰を支援するのか

タイとミャンマーの国境地帯にある「Ee tu ta避難民キャンプ」内にある学校に通う、小・中学生の子供たち73人と教師7人


♦︎カレン族について

 ミャンマーは、およそ135の民族が暮らす多民族国家であり、その135の民族の一つであるカレン族は、ミャンマー南東部カレン州を中心に、タイとの国境付近に居住しています。カレン族を含むミャンマーの少数民族は、自治権を求め軍事政権と対立してきたため、2021年のクーデター後、こうした少数民族への空爆が激化しています。また、カレン族が住んでいる地域はタイへのアクセスが容易なことから、安全を求めてタイに避難する高齢者もいます。


♦︎2022年10月以降の現地の状況

 私たちの支援先である「Ee tu ta避難民キャンプ」は、ミャンマーとタイの国境近くの山中に逃れた人々が集まってできました。現在、ミャンマー軍の攻撃で村を追われた420世帯の約2300人のカレン族の人々がここで避難生活を送っています。

 現地からの情報によると、このキャンプ内の学校に通う子供たちは、カレン州にある村の出身で、クーデター後はキャンプで避難生活を送りながら学校で勉強を続けています。キャンプはすでに多くの避難民が住んでいて、一緒に避難することのできなかった彼らの両親は日中は村で過ごし、夜は空爆から身を守るため森に隠れているそうです。子供たちは、空爆を受ける可能性が低い日中に家族の無事を確かめるため、村を定期的に訪れています。

 さらに、クーデター当初は一時的だと思われた避難生活は、ミャンマー軍の住民弾圧がつづくことで長期化しています。そのため、子どもたちはキャンプ内で学校生活を送ったり、自給自足生活をしたりと自分たちの力で生き抜く術を身につけていかなければいけません。


どのように支援するのか

 私たちは、*タイ側に住むカレン族の方達から成る、緊急支援活動グループ「エマジェンシー・リリーフ・チーム」とコンタクトを取り、現地ではどういった支援物資が必要なのか、ヒアリングを行っています。その情報を元に支援計画を立て、「エマジェンシー・リリーフ・チーム」に委託する形で、ミャンマーカレン族避難民の方々に支援物資をお届けします。下記、具体的な支援の方法です。


① 皆様からいただいたご支援を「エマジェンシー・リリーフ・チーム」に送金する。

② 「エマジェンシー・リリーフ・チーム」がタイの市場で物資を調達する。

③ タイ側から船で物資をミャンマーとの国境まで移送する。

④ リリーフ・チームが、避難民キャンプのリーダーたちと一緒にキャンプ内の学校に引き渡す。

*カレン族は、タイとミャンマーの国境をまたいで居住する山地民です。


誰が支援を行うのか

① インターバンド ミャンマー班 学生インターン一同

 インターバンドは、「ミャンマー班」や「カンボジア班」といったように、いくつかの班に分かれ、大学生が主体となってプロジェクトを行っています。ミャンマー班では、興味関心のある分野が全く異なる大学生たちが、「ミャンマーで困っている人たちをなんとか支援したい」という共通の思いを持って集まり、今回のプロジェクトを計画してきました。知識も経験もない中、試行錯誤しながら現地側と連携を取り、現地に必要な支援をいち早く届けられるよう尽力しています。


② エマージェンシー・リリーフ・チーム

  タイに住むカレン族の方々から成るグループで、クーデター以後、国境を越えてミャンマーのカレン族の方々へ緊急支援物資を送ることを目的として発足しました。大学教員でもある代表の小峯がタイのカレン族の方々と個人的なつながりがあったことから、彼らのクロスボーダー支援を手伝うこととなりました。


なぜ、カレン族の人たちに対して支援を行うのか

 2021年クーデターが起きた後、都市部ではもちろん少数民族が住む地方部でも多くの方が未だに避難生活を強いられています。

 タイ側のカレン族の方々と個人的なつながりがあった私たちは、彼らからミャンマーのカレン族の方々が空爆に怯えながら、一生懸命に山中で避難生活をしていることを聞き、大変心を痛めました。当初はただ漠然と「ミャンマーのために何かしたい」と思っていましたが、今ではミャンマーカレン族の方々に少しでも多くの支援物資を送りたい、と強く思うようになりました。

 国際機関などとは違って、私たちのような小規模な団体ができる支援は、相当限られたものだと思います。ですが、ミャンマーで苦しむ全ての人を支援するのは難しくても、まずは「目の前の人」に寄り添い、できる限りの支援をすることは可能だと思っています。また、現状として少数民族の方々が住む地域には、政府を通しての支援が行き届いていないという課題がありますが、NPOである私たちはそういった支援の行き届かない場所にも、現地のニーズに即した支援物資を届けることができるのが強みだと思っています。


これまでの支援と成果

 インターバンドは、紛争解決・予防のために、紛争地、紛争の可能性がある地域を訪れ、現地での実態調査をもとに紛争発生の根本原因を分析し、現地のNGOや多様な国際機関と協力して紛争の解決を目指して活動するNGO団体です。

 2021年2月のミャンマーでのクーデタ発生後、2021年10月にコロナ禍で避難生活を送るカレン族を支援するため、100万円を目標としたクラウドファンディングを行い、187名の方から約125万円のご支援をいただきました。これによって1508世帯の6755人に支援を届けることができました。


*詳しい団体の活動内容につきましては、以下当団体のホームページよりご覧ください。

https://www.interband.org


インターバンドの活動のビジョン

 インターバンドは、2021年2月1日にミャンマーで起きた国軍のクーデターをきっかけに「ミャンマー和平アクション」をスタートしました。このプロジェクトは、ミャンマーの平和のための民主主義への回帰をめざすものです。そのためにはクーデターを起こした国軍側と、クーデターによって追い落とされた民主派勢力の対話による和平実現こそが大切だと考えています。しかしながら圧倒的な軍事力を持つ国軍は民主主義を支持する人々を弾圧し、またミャンマーの周縁部にいる少数民族居住地域にも攻撃を行っています。現状では対話による和平を望むべくもない状況です。

 そこで現在インターバンドは、国軍の攻撃によって、タイとの国境付近で避難生活を送っているカレン族の人々への支援を行い、人々の苦しい状況を発信しています。あわせて日本の国会議員や駐日ノルウェー大使館、チェコ大使館の足を運び、対話による和平を後押しし、人道支援を継続するように歎願をしてきました。

 2023年2月にはクーデターから2年、つまり少数民族の人々の避難生活も2年つづいていることになります。人々は「忘れられることが一番つらい」と言います。私たちインターバンドは、そんな人々を忘れることなく、支援をつづけていき、対話による和平を目指して行動していきます。


資金の使い道


避難民キャンプの学校に通う73人の小・中学生と7人の先生に対して、およそ1ヶ月分の食料、そして長期化する避難生活を支援するためのその他物資を送ります。


文房具(ノート、ボールペン、消しゴム等):           58,960円
農機具(くわ、熊手、ジョウロ等):               150,480円
食料・日用品(生米、魚の干物、魚の缶詰、石鹸、洗濯板等):   690,800円
その他経費(国境付近への生米の運送費や関税等):        99,000円
※Campfireへの手数料込

合計:999,240円


※為替により多少の変動が予想されます。
※目標金額を超える支援をいただいた場合、金額は変動します。上記の金額は目安として掲載しておりますことをご了承ください。
※最終的な支援結果については、支援者の方々には報告書にてご報告させていただきます。

支援者の方々からいただいた支援金は、タイのパートナー団体 Boarder Emergency Relief Team  に送金され、タイで支援物資の調達を行います。支援物資はタイの国境まで移送され、ミャンマー側の協力団体である住民組織に引き渡されます。その後、ミャンマー側の協力団体によって、支援対象者が避難生活を送る山中へと物資を移送します。


<募集方式について>本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。



メンバー紹介



リターン



実施スケジュール

3月3日 クラウドファンディングスタート
 〜クラウドファンディング期間中〜

  • オンラインイベント配信
    3/4 20:00~ キックオフイベント
    3/31 ファイナルイベント
    ※その他、3回程度イベント実施予定

  • シェア祭り

3月31日 クラウドファンディング終了
4月上旬〜 リターン発送
7月 寄付者招待オンライン活動報告会開催
8月 支援者交流会
8月 ミャンマー支援関係者トークイベント



インターバンド代表 小峯茂嗣よりメッセージ

 2021年2月にミャンマーでクーデターが発生し、国軍によって国会は停止され、ミャンマーの民主化のために取り組んできたアウンサンスーチーさんたちは不当に逮捕されました。

 ミャンマー国軍により、民主化を求めて抗議行動する人々が弾圧される姿はメディアを通じて報じられていました。

 しかし1年後の2022年にはロシアのウクライナ侵攻がはじまり、ミャンマーの状況がメディアに露出することも少なくなりました。そのウクライナの惨状すら今では報じられなくなってきました。

 しかしニュースの画面に映らないということは、けっして問題が解決して平和になったことを意味するわけではありません。

 世界の人々にかえりみられなくなったとしても、日々、人々は傷つき、命を落とす人もいます。

 私たちインターバンドは、そのような人々に救いの手を差し伸べると同時に、支援を通じて知りえた現地の状況も広く伝えて、世界の関心をミャンマーに集め、平和的解決の道筋をつくっていきたいと思います。

 ともに平和を築くためのご協力をお願いいたします!



特定非営利活動法人インターバンドは非営利法人ですが、このクラウドファンディングを支援することで、支援者が税制優遇を受けることはありません。

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