【はじめに】
ファクトチェックとは、
情報の真偽を確かめる、
世界で当たり前になっているアクション

「ファクトチェック」とは、世の中に発信された情報が本当かどうか、出典や情報源までたどり、確かな事実を人々とシェアしようとするアクション のこと。

スマホやPCで世界中の情報をいつでも手に入れることができる一方で、あやふやな情報に惑わされたり、誤った情報を鵜呑みにしたり、SNSなどでシェアしてしまったり・・・

そんな情報があふれる時代に、情報の真偽を徹底的に調べて人々に伝える「ファクトチェック」は、欧米ではメジャーな存在になっています。台湾や韓国など、アジア各国にも広がっています。

ところが、日本にはまだ、ファクトチェックに専門的に取り組む団体がありません。

市民の力で、国際的にも通用する、本格的なファクトチェック専門メディアを作ろうーーそれが、みんなでつくるファクトチェック専門独立系メディア、「リトマス」です。


【なぜ今?】
海外からも入ってくる誤情報
ファクトチェックで真偽を"見える化"

感染症、天変地異、大災害、国際的緊張、戦争・・・人々の「不安」や「分断」を深めるニュースが増え、ネット上で誤情報が広まりやすい要因になっています。

最近は、海外からの誤情報も、日本で広がるようになってきました。一例をあげましょう。

Twitterで拡散した画像つき投稿

「(ウクライナの)ゼレンスキー大統領が自ら公開した動画を削除した。机上の覚醒剤が見えてしまったからだ」

ロシア・ウクライナの戦争が始まった後、こんな情報がTwitterで、画像とともに拡散しました。

これは全くのウソでした。そもそも動画は削除されていませんでしたし、動画をよく見ると、覚醒剤とされるものは、光の反射など無関係なものでした。

もともと中国語で書かれた情報が訳され、拡散。何万人、もしくは何十万人もの人が目にした可能性があります。


大谷編集長が運営するTwitterアカウント。2011年から約1万件の検証情報を発信してきた

【誰が?】
編集長は10年以上にわたりネット情報を検証
知る人ぞ知るTwitterアカウント運営者

あふれる情報にとまどい、誤情報を信じる人を一人でも減らしていきたいーー

そんな思いで立ち上がったのは、東日本大震災の直後から10年以上にわたり、さまざまなネット上の誤情報について検証し続けてきた人物。知る人ぞ知る、Twitterアカウント @jishin_dema の運営者、大谷友也です。

彼は、現在、会社員です。

Twitterでコツコツと検証情報を発信しながら、3年前から、NPOメディアでファクトチェック実務の経験を積み、昨年末に独立。

今年から、ファクトチェック活動を通じて知り合った仲間とともに、「情報検証JP」という名前でファクトチェック記事の配信をスタート。

FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)のガイドラインに沿って活動しつつ、法人化の準備を進めてきました。

すべての案件に少なくとも3人が関わり、大谷編集長の責任で最終チェックし、公開してきました。

メンバーが「情報検証JP」の名で発信してきたファクトチェック記事

そしてこの夏、名称を「リトマス」に改め、正式な法人と、本格的なウェブメディアを立ち上げることにしました。

大谷編集長ら3名の中核メンバー(法人理事)に加え、編集スタッフ数名が「リトマス」に参画。

全員、大手メディアやジャーナリストの経歴はなく、それぞれ様々な社会経験を経て、ファクトチェックの経験を積んできたメンバーです(プロフィールは後述)。

これから、みなさんからの支援金を募りながら
・スマホ対応版を含む本格版サイトの制作
・ファクトチェック記事の作成・配信
・多くの人に知ってもらうためのキャンペーン動画の制作
・人材の育成
を行っていきます。


【どんなメディアに?】
市民目線で、幅広い層に届けるために

ファクトチェックを、もっと身近なものに、もっと多くの人に、知ってもらいたいーー

「リトマス」は、市民目線で、みなさんから質問やリクエストを募り、可能な限り疑問に答えるファクトチェックメディアを目指します。

みなさんからの疑問に答える「#教えてリトマス」コーナーを設けたり、リテラシー向上に役立つコラムや動画を配信したり。

子どもたちにもわかるコンテンツの作成も検討しています。

何よりもまずは、良質なファクトチェック記事を出し続けて、日本初の、国際的な基準に満たすファクトチェック専門団体として認められる存在になることを目指します。

最低でも週平均1本以上(年間52本)のファクトチェック記事を出す、という国際的基準をクリアすることはもちろん、できるだけ早く年間100本の記事を出せる体制を目標とします。

クラウドファンディングで募る、目標額の300万円は、最初の1年間、活動をしていくための最低限の必要資金になります(使い道の詳細は後述)。

どうぞご支援、ご協力よろしくお願いいたします。



【なぜ?】
国際的に通用する日本初の専門団体を目指すのか

日本初の、国際基準に満たすファクトチェック専門団体を目指す理由を、ここで説明します。

たくさんのサイトがあふれている現在、より多くの人にファクトチェックを広めるためには、さまざまな事業者と連携しなければなりません。そして、安定的な収入源を確保しなければなりません。

そのためには「IFCN」(国際ファクトチェックネットワーク)という国際団体に認証されたファクトチェック専門団体となる必要があります。

世界では、60カ国以上にあるファクトチェック団体が、IFCNの国際的な基準をクリアしていると認められ、活発な活動を展開しています

この国際基準をクリアしたファクトチェック団体が一つも存在しない国は、G20諸国の中で、たった4か国。中国、ロシア、サウジアラビア、そして、日本です。(*注)

この状況を変えたい ーー 日本でもファクトチェックが当たり前のものとして、人々に知られ、利用されるように。

メンバーは半年間準備をし、「一般社団法人リトマス」(大谷代表理事)を設立しました。

このクラウドファンディング中にも、ベータ版サイトをオープンし、IFCNへの審査申請を行う予定です。

ぜひ、日本初のIFCN加盟団体となれるよう、みなさんの後押しをお願いします。

(*注) 2022年5月現在(参考資料p.10参照)


【応援メッセージ】
山口 真一さん

(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授、『ソーシャルメディア解体全書: フェイクニュース・ネット炎上・情報の偏り』著者)

情報の溢れる現代において、中立な立場からファクトチェックを継続実施する組織・媒体の存在は欠かせません。一方、国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)に加盟している日本の団体は1つもなく、偽・誤情報に対して脆弱で、世界標準から取り残されている現状があります。IFCN加盟を目指す本活動が、豊かな情報社会の実現に寄与することを期待しています。


原 英史さん

(株式会社政策工房代表取締役、『情報検証研究所』代表)

「ネットで流れる情報は玉石混交、フェイクニュースも多い」ということは広く認識されていますが、問題はそれだけではありません。新聞・テレビや、いかにも信頼できそうな著名人の発言にも、間違いは多くあります。事実に基づく指摘を行うことで、言論空間はより健全になります。「リトマス」の取組に大いに期待しています。


楊井 人文さん

(FIJ事務局長、『ファクトチェックとは何か』共著者、弁護士)

今の時代、誤・偽情報は必ず出てくるものであり、撲滅できません。規制や削除ではなく、多様なファクトチェック団体が、何が事実かをめぐって複数の検証結果を提供する、そして人々の情報への免疫力により、誤情報が自然と脱力化される、そんな社会が理想だと思います。「リトマス」が成功すれば、その第一歩となります。10年以上ひたすら情報検証に取り組んできた大谷さんを中心とするチームを、私はこれからもサポートしていきます。


【リトマス編集長・大谷友也のメッセージ】

私が情報の真偽について意識するようになった大きなきっかけは、2011年の東日本大震災でした。SNSの普及でネット社会が激変するさなかに起きた未曽有の災害。

情報が混乱し錯綜する中で、既に否定された誤情報も訂正されないまま広まってしまう状況にもどかしさを覚え、Twitter上で検証アカウントの活動を始めました。

当時はまだ「ファクトチェック」は耳慣れない言葉でした。

しかし、同じ思いを持つ人たちとの交流を重ねるうちに、ファクトチェックの普及は日本社会の将来のために必要なものだと考えるに至りました。

2022年1月からは、FIJ事務局長・楊井人文さんのアドバイスとサポートのもと、「情報検証JP」という名前で、ファクトチェック記事を公開してきました

このたび立ち上げた新しいメディア「リトマス」から、より充実したコンテンツを提供していきたいと考えています。

安定した活動継続のために、皆さんのご協力をお願いいたします。


【資金の使い道】

目標額は300万円です。その使い道は、次のとおりです。

 サイト制作費:約200万円
 サイト諸経費:約50万円(1年分)
 プロモーション動画:約20万円(クラウドファンディング期間中)
 手数料等(※):約30万円

※なお、GoodMorningの手数料は9.9%(税込)、リターン商品の制作・発送費などの経費が生じます。

サイトを制作し、今後1年間活動していくための、最低限必要な金額となります。

まずは目標額の300万円をご支援、ご協力よろしくお願いいたします。


【今後のスケジュール】

2022年7月初め:「リトマス」ベータ版サイトをオープン
7月中旬ごろ:「IFCN」加盟審査申請手続き(※)
9月ごろ:正式版サイトに移行
年内:リターン発送

※審査は半年から1年程度かかると言われています。結果は支援者および本サイトで報告いたします。

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


【リターン】

ーサンクスレター(大谷編集長らメンバー一同心を込めて御礼をお伝えします)

ー記事のメール配信

ー「リトマス」オリジナルステッカー (光沢紙、50mm×50mm)

ー「リトマス」オリジナルTシャツ (綿100%)


【メンバー紹介】
大谷 友也

(編集長、一般社団法人リトマス代表理事)

1986年、千葉県出身。幼少期は一時福島県いわき市、宮城県仙台市でも過ごす。

都内の大学の文学部、その後大学院へ進学。ジャーナリズム関連の活動とは特に関わることもなく、一介のインターネット愛好者として過ごす。

2011年3月、東日本大震災発生。ネット社会も大混乱に陥る中、不確かな噂や既に否定された情報も一斉に拡散される状況に危機感を抱き、情報検証・提供を行うTwitterアカウント「東北関東大震災に関するデマまとめ」を開設。注意喚起のツイートを行った誤情報の数は2か月で100を超え、フォロワーも8000人台に達する。

現在、派遣社員として一般企業に勤めつつ、「ネット上の情報検証まとめ(@jishin_dema)」と名前を変えたアカウントの運営を続ける。

災害・政治・海外事情・医療の話題から、豆知識・ネタ・コラージュ画像など、あらゆるジャンルで分け隔てなく情報の正しさのみを価値基準として活動を続けてきた。アカウントのフォロワー数は6.3万人を超える。

2019年10月から、ニュースサイト「ニュースのタネ」(現「InFact」)にて「大船怜」のペンネームで記事を執筆。週1回の連載「ネット情報検証まとめ」シリーズ(計71回)や、多数のファクトチェック記事を担当した。

これまでの活動は、荻上チキさんの著書『検証 東日本大震災の流言・デマ』(光文社新書)コンピューターテクノロジー編集部編『IT時代の震災と核被害』(インプレス選書)日本経済新聞の記事でも紹介されてきた。

趣味は美術館巡り。好きな画家はミュシャ、モンドリアン、デルヴォー、モランディなど。好きな動物はうさぎ。自宅に大量のミッフィーのぬいぐるみがある。


安藤 未希

(一般社団法人リトマス理事)

1986年、東京生まれ、東京育ち。獨協大学経済学部経済学科卒。専攻は社会保障、本好きが高じて司書資格を取得。

大学卒業後、コールセンター大手、マレーシアの商社、カナダの旅行会社に勤務。それぞれの会社で新しい部署・子会社立ち上げ、組織作りに関わる。カナダのハンバーカレッジで準修士号(人事マネジメント)を取得。

2018年から在住していたカナダからファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)の活動に参加し、翻訳・リサーチ業務などを行う。2019年には南アフリカで開催された世界ファクトチェック会議(IFCN主催、Global Fact 6)に現地参加。2020年に日本に帰国後、InFactでファクトチェック記事の執筆にも関わった。

メディア情報リテラシーを広めるため、株式会社インフォハントを設立、教職員研修、中学・高校での出張授業も行っている。


西村 晴子

(一般社団法人リトマス理事)

1972年生まれ、神奈川県出身。専門学校舞台芸術学院卒。

これまで、CM撮影スタジオ、こどもの城青山劇場・青山円形劇場技術部、天然石輸入卸商社、イベント施工会社で勤務。

2013年から、東日本大震災復興の記録、身近な小動物やユニークな活動を続ける市井の人々を伝える動画を撮り、作品を発表し続けてきた(作品例)。「毎日ビデオジャーナリズムラボ」で動画ジャーナリズムを学び、英国BBC、NHK・Eテレ、民放各局などに動画素材の提供実績多数。堀潤氏の著書『堀潤の伝える人になろう講座』(朝日新聞出版)に掲載されたことも。

「日本報道検証機構」やFIJの事務局で、ファクトチェックの普及活動をサポートしてきた。

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