はじめに

目標を達成することができました!

たくさんの人にご支援をいただき,こころより感謝いたします.

次年度,長野県内にて予定している2回のワークショップは開催できることになりました.多くの人達のご支援のおかけです.ありがとうございます.さらに,私たちは長野県内でのワークショップの回数を増やすことも検討しておりますが,この活動をもっと広めるため,県外でのワークショップも検討しております.高専は全国に51高専(55キャンパス)あります.この活動を横展開するために,他県の高専とのコラボワークショップを企画しております.

そこで,ネクストゴールとしましては,他県でのワークショップに係る支援機器の部品代として,50,000円を計上して,200,000円をネクストゴールといたします.

皆様からのさらなるご支援をこころよりお待ちしております.

私たちは,現在,AT&D Lab. (Assistive Technology & Devices Laboratory) としてさまざまな支援機器の開発を行っています. 私たちは,10年ほど前からハンディキャップを持つ人たちに向けて,さまざまな支援機器の研究開発に取り組んできました.国などの機関から研究助成金をいただいたりしながら開発をしてきました.

でも,本当に現場で必要なものは最先端の研究成果ではなく,これまでにあった熟れた技術を使った機器だと気づきました.

そこで,既存の技術を組み合わせ,比較的短期間で開発ができ,しかも,現場ですぐに使えるものの開発を,数年前からはじめました.現場の方へのアンケート調査を実施してきました.

「現場で困っていること」+「我々の技術」= 「新しい支援機器」

私たちは,これまでに3つの支援機器を開発しました.現在も新しいものを開発中です.

今回,私たちがクラウドファンディングで資金を集めている理由は,私たちが開発した支援機器を,本当にそれを必要としている人に届けるための「支援機器開発体験ワークショップ」を実施したいからです.

単純に機器を製造して配り歩くのではなく,一緒にその機器を作製することを考えています.この製作体験を通じて,「ものづくり」の楽しさを広めたいし,自分たちで作製した機器に愛着をもってもらいたいです.さらに,もし,それが壊れても自分で作ったのなら,自分で直せるかもしれないし,本当に困ったら,私たちに相談することができます.

こんなことを考えてクラウドファンディングに挑戦することにしました.


私たちが開発した支援機器の紹介

これまでに私たちは3つの支援機器を開発したので,それらについて紹介します.


  • 1.触るスイッチ
  • 「触るスイッチ」は,脊髄性筋萎縮症I型(SMA I型)のお子さん向けに数年前に作ったものをもっと広く困っている人に使ってもらいたくて,設計をし直して開発したものです.

    SMAは,体幹や四肢の筋力低下,筋萎縮が進行する難病で,特にI型は生後6ヶ月までに発症するため,人工呼吸器が必要で基本的に全介助です.

    でも,なにかコミュニティケーションが取れないかという相談を受けて,わずかに動く部位を使い,スイッチひとつで操作できるものを操作可能にするのが「触るスイッチ」です.


  • スマホの画面と同じ原理で触れると反応するセンサを使い,「メカ的なスイッチを押す」動作に変えることができます.

    2.こころトーク
    • 「こころトーク」は,生まれながらにして発話が困難な人や,人前で話すことがとても苦手な人たちに向けて作られました.これも大事なコミュニケーション手段の一つで,誰とも話ができないと生活ができません.でも,もし,「こころトーク」を上手に使いこなせれば,自分の気持を相手に伝えることができるようになります.

    • 「こころトーク」は,市販のUSBキーボードを接続して使います.USBキーボードを接続して,キートップの平仮名を入力します.平仮名がわかれば,入力することができます.


    • 発話には音声合成モジュールを使っているので,イントネーションが少し奇妙に聞こえるかもしれませんが,それは勘弁してください.でも,ちゃんと伝わります.

    • ここで皆さんもおわかりのように,市販のキーボードの平仮名の配列はとてもわかりにくいですね.なので,五十音表のように並んだキーボードも作りました.これはまだまだ改良の余地がありますので,世に出すにはもう少し時間が必要です.

    • 3.Card to Speech

「Card to Speech」は,「こころトーク」から派生したものです.一文字ずつ平仮名を入力することに慣れていない人やそもそも平仮名をこれから学習する人に向けた機器になります.

例えば,学校の朝の会や給食当番など,人前で喋らなくてはいけないとき,その場面よく使われる定型文をあらかじめカードに記録しておいて,必要なときにカードをかざすとその内容を代わりに喋ってくれるものです.

カードに記録する内容は使う人が決められるので,場面ごとにカードを作っておくと非常に便利になります.

また,かるたカードのように平仮名とその音を対にしておけば,平仮名初学者でも遊びながら平仮名を覚えることができます.


リターンの紹介

ご寄付いただいた方全員を当校のホームページでご紹介させていただき,当校よりお礼状と寄付金受領証明証をお送りいたします.ホームページ掲載の際については,個人名ではなく,ニックネームやイニシャルでの対応もいたします.また,ご寄付の金額に応じて,企業様の場合,ご希望に応じて,ワークショップ開催時に企業様のパンフレット等の展示やノベルティなどの配布をさせていただきます.

活動費の内訳と今後の計画

今回私たちは,目標金額を15万円に設定させてもらいました.私たちの目的は,私たちが開発した支援機器をそれを本当に必要とする人に届けることです.そのためのワークショップを開催します.活動費のほとんどが支援機器を構成する部品代です.1台あたり5,000円の部品代で開発できるように努力しています.それ以外に部品を収納するケース等も必要になります.内訳は以下のようになります.

・ 支援機器部品代:約5,000円/台
・ ワークショップ(2回分):約120,000円(支援機器24台)
・ 収納ケース等消耗品:16,500円
・ 手数料:13,500円

今回のプロジェクトで集まった活動費は,次年度のワークショップの開催費として使わせてもらいます.私たちは年に最低2回のワークショップ開催を目標にしています.そして,この活動を長野県内だけでなく,全国にも展開したいと考えいます.次年度の活動予定は以下のようになります.

・ 令和4年12月 リターンの掲載
・ 令和5年8月ごろ 1回目のワークショップ開催(長野県内)
(・ 令和5年11月ごろ 県外でのワークショップ開催(計画中))
・ 令和6年2月ごろ 2回目のワークショップ開催(長野県内)

メディア等

これまでに私たちは2回のワークショップを実施しました.これらについて,多くのWebメディアで紹介されましたので,代表して1つご紹介します.

PRTIMES

チームの紹介

私たちは,AT&D Lab. (Assistive Technology & Devices Laboratory)という名称で活動を行っています.5人の研究者で構成されており,機械設計や制御技術,電気・電子回路設計,組込みソフトウェア,Webアプリケーションなどさまざまな分野のプロフェッショナルがそろっています.


寄付金控除について

本プロジェクトへのご支援は,独立行政法人国立高等専門学校機構 長野工業高等専門学校への寄付となり,当校が寄付金の受付および受領証発行を行います.このプロジェクトの寄付は,寄付金控除の対象になります.

「寄附金控除」をお受けいただくためには,確定申告の際に,当校が発行した領収証をもって確定申告をしていただく必要があります.(領収証の送付時期は,令和4年12月ごろを予定しております.)


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