はじめに

1970年秋に「月刊地域闘争」という雑誌が創刊されました。当時、高度経済成長の結果、日本列島は公害列島と化していました。水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病、新潟水俣病などが代表的な公害被害です。被害者が全国各地に多数、発生しました。そんな環境汚染をなんとかしたいと各地に住民運動が立ち上がりました。そんな運動体の発信のお手伝いをするために「月刊地域闘争」(現誌名「月刊むすぶ」)が創刊されました。この雑誌を発行し、広めることを生業としているのがロシナンテ社です。

 この会社の根っこには、1970年前後に始まった原発に対する取り組みがありました。原発建設に向き合う住民、その住民を支援する市民、そして専門家の皆さんがロシナンテ社の設立に参加していました。

ロシナンテ社が発行してきた雑誌

ロシナンテ社は京都市左京区に事務所があるちいさな出版社です


このプロジェクトで実現したいこと

2011年3月11日。東日本大震災、原発事故。

そしてその苦難の中から福島の農家は、種を播き、作物を育て続けました。

原発事故が県民にどんな影響を与えたのか。その一人ひとりの思いを記録します。

多くの方々に伝え続けるために、書籍にしようと考えました。

原発事故から10年。被災した県民の記録と二本松の有機農家のこの10年を2点の単行本でまとめます。

①福島原発事故 福島県民の思い(仮)

  •  「月刊むすぶ」の掲載原稿を元にまとめる

  • ②有機農業で明日をつなぐ 

     書き手 藤井満(元朝日新聞記者)



プロジェクトをやろうと思った理由ー福島原発事故とロシナンテ社

 2011年3月11日、東日本大震災、福島第一原発事故。未曽有の大事故でした。福島県双葉町、大熊町を中心に大量の放射性物質が拡散されたのです。それまで40年にわたり環境問題、とりわけ原発について多くの紙面を割いてきたロシナンテ社がこの問題に取り組むのは必然でした。「月刊むすぶ」では、原発、福島の声を中心にした誌面を作ってきました。

 原発事故から10年が経過しました。わたしは毎月のように福島県へ通っています。この10年、「月刊むすぶ」では福島県のいろんな人たちの声を集めてきました。今、それをまとめてみることにしました。多くの皆さんに読んでいただきたいのです。

 今、福島県はどんな状況なのか。そして福島県の皆さんはどんなふうに放射能で汚染された自然環境の中で暮らしているのか。そんな話から始めます。

今回のプロジェクトで出版する予定の本から紹介します。


福島で農業を続けます
大内信一

ホウレンソウが語りかけるんです

 二本松市は、中通りのほぼ中央に位置する。人口約5万5千人の市です。大内さんはここで先祖代々、農業を営んできました。今年で81歳。福島県の有機農業の草分けです。

大内信一さん


 中学を卒業した後、家業の農業を続けてきました。若いころ、農薬、化学肥料中心の農業に疑問を持ち、手探りで有機農業を始めました。1978年に仲間を募って、二本松有機農業研究会を設立しました。消費者との関係を丁寧に築いて農作物を買ってもらいました。大内さんは言います。「私たちが育てた野菜やお米を消費者の皆さんに美味しいと言ってもらうのが一番、嬉しい」


美しい二本松の風景


 そんな充実した日々が、あの日、2011年3月11日、突然、終わることになるのです。福島第一原発の爆発で排出された放射性物質が二本松の有機農家の農地にも無慈悲に降り注いだのです。

  東日本大震災直後、二本松市へは、浪江町から約7000人の住民が避難してきました。大内さんは、避難してきた人たちにホウレンソウのおひたしや野菜のたっぷり入った温かい汁物を炊き出ししました。浪江の住民たちは口々に「温まる美味しい、ありがとう」と感謝の言葉を繰り返しました。避難所に来ていた市長が「二本松には、牛乳が一杯あるから、明日からは牛乳を出すぞ」と張り切っていました。

 ところがその日の夜、ホウレンソウなどの野菜と牛乳が出荷停止。二本松の乳牛は、山の沢水を飲ませていた地区があったのです。米もそうなのですが、一頭でも、一か所からでも放射性物質が検出されるとその町全体が出荷停止となるのです。

 原発事故、その時期、大内さんの畑ではホウレンソウが葉っぱを地面一杯に広げて出荷を待っていました。大内さんは、

「ホウレンソウが言うんです。『何かおかしな食べ物が一杯、あるよ』『美味しくないな』『でも腹が減ってっから、ひもじいから食べるか』」とある集まりで語っていました。畑に、田んぼに、山林に放射性物質が大量に降り注いだのです。

 二本松の農家は、放射能汚染という深刻な被害を受けても種を蒔き、作物を育て続ける選択をしました。しかしそれまで野菜やコメを買ってくれていた消費者は、どんどん離れていく。6割くらいの顧客が去って行きました。農家は、とにかく汚染の実態を知ろうと野菜の放射能汚染値を測定し続けました。 原発事故後、二本松の有機農家はいろんな工夫をして、少しでも放射性セシウムの作物への移行を抑えてきました。カリウムと同じ化学的性質を持つセシウムは土壌にカリウムが少ないと間違って作物が吸収してしまう。だからカリウムを多めに農地に投入する。または多孔質のゼオライトなどを撒くなど、あの手この手で作物を守り抜いたのです。

ニンニクキュウリ

夏野菜の甘酢煮


 結果、福島の農作物から検出されるセシウムの数値は、国の基準値を大きく下回っていました。ただし山菜やキノコ類からは高濃度にセシウムは検出されます。その傾向は、10年以上経過した今も続いているのです。しかし長年、丹精こめて作られた土壌は、驚くほど放射性物質の農作物への移行を防いでくれました。海外からは、日本の農業の奇跡と称されたのです。



資金の使い道

目標額は120万円です。

実際に出版にかかる費用の内訳は以下の通りです。

A5版 120~130p程度 単行本 2点 費用

印刷代  30万円×2=60万円

版組代 10万円×2=20万円

表紙回りデザイン代  3万円×2=6万円

編集代 10万円×2=20万円

取材費(交通費、宿泊費 福島県へ1回 出かけると4~7日  5万円程度 6回)

 5万円×6=30万円

合計 136万円

少し目標額との間に差がありますが、ロシナンテ社で負担し出版します。


リターンについて

○3000円   

 ・サンクスメール


〇4000円

 ・サンクスメール

 ・月刊「むすぶ」最新号



○5000円 

 ・出版予定の書籍2点のうちどちらか

 ・サンクスメール


○10000円  

 ・どちらかのサイン入り本

 ・サンクスメール


○30000円 

 ・どちらかのサイン入り本

 ・3000円相当の福島の農作物

  三五八漬けの素、椎茸、ほうれん草、イチゴ、レタス、カブ 

  など季節の旬な野菜を6種類程度お届け

  原産地:福島県

  ※内容は変更の可能性があります。

  ※野菜は春野菜を予定しており、発送は3月頃です。 

 ・ロシナンテ発行人、四方哲が福島を訪ねた折々に見聞きしたことを

  定期的にお伝えする「ロシナンテ通信」(有料)を1年間提供

 ・サンクスメール

 

※食品表示について

 お届けする野菜は大河原さんが育てた野菜は無農薬、有機です。

 大河原伸さん多津子さん夫妻は、40年、有機農業に取り組んでいます。

 土を作り、化学肥料、農薬を使わない農業を少しずつ実践してきました。

 消費者と生産者は信頼でつながる、そんな営みを重ねています。

 それ故、特にJAS認証などは取らず、消費者と信頼関係でつながっています。


○50000円  

 ・どちらかのサイン入り本

 ・5000円相当の福島の農作物

  三五八漬けの素、椎茸、ほうれん草、イチゴ、レタス、カブ 

  など季節の旬な野菜を10種類程度をお届け

  原産地:福島県

  ※内容は変更の可能性があります。

  ※野菜は春野菜を予定しており、発送は3月頃です。

 ・ロシナンテ発行人、四方哲が福島を訪ねた折々に見聞きしたことを

  定期的にお伝えする「ロシナンテ通信」(有料)を1年間提供

 ・月刊「むすぶ」に出資者様のお名前を掲載

   ※支援時、必ず備考欄にご希望のお名前をご記入ください。 

 ・サンクスメール


 ※食品表示について

 お届けする野菜は大河原さんが育てた野菜は無農薬、有機です。

 大河原伸さん多津子さん夫妻は、40年、有機農業に取り組んでいます。

 土を作り、化学肥料、農薬を使わない農業を少しずつ実践してきました。

 消費者と生産者は信頼でつながる、そんな営みを重ねています。

 それ故、特にJAS認証などは取らず、消費者と信頼関係でつながっています。



実施スケジュール

2021年12月   「福島原発事故 福島県民の思い(仮)」 版組・校正

2021年12月   クラウドファンディング終了

2022年2月上旬 「福島原発事故 福島県民の思い(仮)」  印刷・納品 

2022年2月中  リターン発送 (「福島原発事故 福島県民の思い(仮)」 )

2022年1月中  リターン発送 (「ロシナンテ通信」)

2022年3月   リターン発送 (野菜)

2022年4月   「有機農業で明日をつなぐ」 原稿完成 

2022年6月   「有機農業で明日をつなぐ」 版組 校正 終了 

2022年8月上旬  「有機農業で明日をつなぐ」  印刷・納品

2022年8月中   リターン発送 (「有機農業で明日をつなぐ」) 

 


最後に

この10年、福島県に通いました。

ロシナンテ社の根っこには60年代から始まる原発への取り組みがあります。

戦後、日本は復興を経済中心と定め、お金中心の社会を作ることにしました。原発の推進もその流れの中にあります。

原発事故後も福島で営みを続ける農民たちの地道な歩みを本にし、多くの人たちにお読みいただきたいのです。

みなさまのご支援ご協力をよろしくお願いします!


■特定商取引法に関する記載
 ●販売事業者名:ロシナンテ社
 ●代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名:四方 哲
 ●事業者の住所/所在地:〒606-8186 京都府京都市左京区一乗寺南大丸町9-203
 ●事業者の電話番号:Tel:075-406-7791
 ●送料:送料込み
 ●対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり。
 ●ソフトウェアに係る取引である場合のソフトウェアの動作環境:該当なし
 ●その他記載事項:プロジェクトページ、リターン記載欄、共通記載欄(https://camp-fire.jp/legal)をご確認ください。


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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