はじめに

 

インド留学時の写真

 

​皆さま初めまして。泉田大輝と申します。

私は、大学生の時にインドに1年半長期留学しました。インド留学中には、英語の勉強はもちろんのこと、現地にある人材紹介の会社でのインターンシップ​を​経験しました。

 

インド留学中で特に印象的だったのが、​「政府が変えてくれないのであれば俺達が国を変えてやろう」と​​若いインド人が​躍起になって会社を興し、生活を便利にするようなサービスを展開していたことです。

 

インドはこれから国が発展するという段階にあり、まさにそのときインドという国が創られているという感覚を味わいました。その感覚は自分の中ではとても衝撃的でした。

 

いつしか自分も何かやってみたい。そんな気持ちになっていました。

 

「インドだけではなく違う途上国も見てみたい。」

 

そこで最初に頭に浮かんだのがアフリカでした。​理由はあまりにも日本から遠すぎて想像ができなかったからです。彼らはどのような生活をしているのだろうか。とても気になりました。

 

気になったからには実際に行って確かめよう。

 

インド滞在のあと、私はケニアに向かっていました。それが私にとって初めてのアフリカ滞在でした。

 

ケニアの首都ナイロビの中心部


初めてのケニア滞在は観光目的ではなく、現地の人がどのような生活をしているのか実際にこの目で確かめたい。そして彼らがどのような課題を抱えているのか知りたい・体験したいというのが主な目的でした。

 

現地では実際に働いているケニア人の話を聞いたり、街をふらふら歩いて街中を観察したり、時々道を歩いている現地の人にヒアリングを行いました。

 

彼らにはケニアの若者の消費行動について教えてもらいました。

 

またケニアにあるコワーキングスペースを訪れて、現地の起業家からお話をお伺いする機会も頂けました。


​この貴重な話、経験をもっと多くの人に伝えたいと思い、「AF TECH」というメディアを立ち上げました。このメディアでは、現地で働く人の声・課題を紹介し、現地の会社・スタートアップがどのように課題を解決しようとしているのかといった視点でアフリカの情報を発信しています。


​帰国後は、​インド、​ケニア​での滞在経験もあり、今年の4月に新卒でアフリカでの事業を促進しているDMMという会社に入社しました。

 

DMMではWEBディレクターとしてアフリカの案件に携わらせて頂きました。

 

順調に働いていたものの、「アフリカの課題を解決するビジネスに自分自身で挑戦したい」という思いを捨てきれず、入社3か月程で退職しました。

​​

退職後、自分の意思として固まったものがありました。


20代はアフリカに捧げる


アフリカ(ケニア)で彼らに貢献できるようなことをしたい。まだ企業や人が多く進出していないこのアフリカという地で彼らから信頼を得て、共存しながら便利な世界を創っていきたい。


そしてアフリカと言えば泉田と​言われる​ように​、とことん現地の課題に向き合ってやっていきたいと思っています。​


​実は​DMMに在職中​、入社して初めてのゴールデンウィーク​に​も自費でケニアに行​っています​。約​​2週間の滞在中、現地の人がどのような課題を抱えているのか、どんなビジネスチャンスがあるのか、現地で具体的に調査を行いました。


そこでたどり着いた答えが


ケニアで”牛乳屋さん”になる


です。


冗談ではありません。本気です。

 

 

なぜ、ケニアで牛乳屋なのか
 

 

ケニアに暮らす人に「安くて新鮮な牛乳」を毎日配達をする

日本で昔、各家庭に配達されていた牛乳瓶をイメージ頂ければ想像しやすいかもしれません。私もケニアで、まさに同じことをやろうとしています。

 

彼らの生活の中で牛乳は欠かすことのできない食品です。彼らは毎朝必ず甘いミルクティーの”チャイ”を飲みます。チャイと言えば、インドも有名ですが、ケニアもイギリスの植民地であったため、”チャイを飲む文化”が今も強く根付いています。


彼らにとって毎朝チャイを飲むことは当たり前。「チャイがない朝なんて、朝じゃない」なんて、言うほどです。


インドにはすでに牛乳を各家庭まで配達するスタートアップが存在しています。ケニアも同様にチャイを飲む文化であるため、インドと同じようなニーズがあるのではないかと思ったのがこのビジネスモデルを考えたキッカケです。


ケニアでは、交通渋滞、交通手段の少なさ、そしてスーパーの数の少なさ故に、食品を一つ手に入れるだけでもかなりの手間と時間がかかります。

 

ケニアの交通事情について少しでもイメージしてもらうために以下の動画をご覧ください。


日本では考えられないことかもしれませんが、「数時間かけてスーパーに食材を買いに行く」ことは、彼らにとって日常です。

 

牛乳を中心に、新しい生活インフラをケニアにつくる

 

 

 

スーパーに気軽に行くことの難しさ、欲しいものを簡単に手に入れられない」といった課題を解決するために、まず牛乳の配達から始め、最終的には消費者までの自社の配達網を築き「必要なものが必要な時に確実に届く新しい生活インフラ」を創りたい。


これが今回のプロジェクトの思いです。

 

 

生活インフラを創ることによって、子育てや勉強、レジャーなどもっと有益なことに時間を使えるような世界にしたいと考えています。


日本ではAmazonなどの通販や生協などで商品を購入し、自宅で受け取ることは今では一般的になっています。その間の時間はゆっくり子どもと過ごしたり、ご飯の支度をしたりするなど自分の時間を効率的に使うことができます。


ケニアに住む彼らにも大きな影響を与える生活インフラを構築する。


そのために私はケニアで”牛乳屋さん”になります


尚、当事業は元々、市場を探している現地パートナーの酪農家の方にご協力頂き行います。彼らの生活を安定化させることできるようなビジネスにしたいと思っています。

 

日本と違う、ケニアでの牛乳の売られ方

 


皆さんはケニアの牛乳売り場はどのようなものだと思いますか?


皆さんにもお馴染みの日本のスーパーでの牛乳売り場はこのような感じかと思います。日本では紙パックに入った牛乳が基本ですよね。

 

 写真はイメージです。Photo credit

 

私も初めてケニアのスーパーに行ったときは驚いたのですが、ケニアの牛乳売り場は、売り方も売る場所も大きく異なるんです。実はケニアには「3種類の牛乳」が存在しています

 

1.パッケージ牛乳

 

 

一つ目はパッケージ牛乳。こちらはパックの形状の違いこそ有りますが、日本で売られている形態の牛乳です。一般消費者向けにメーカーが販売するミルクで、要冷蔵の牛乳です。

 

2.ロングライフ牛乳

 

 

二つ目はロングライフ牛乳。1つ目の牛乳との大きな違いは、非冷蔵の棚に陳列されている点。この牛乳は、非冷蔵でも3か月賞味期限がもちます。特に冷蔵庫を持つことができない低所得者層をターゲットにした牛乳になります。

 

3.ミルクATM(フレッシュ牛乳)

 


三つ目は、自動販売機のような機械で牛乳を購入できるもの。ケニアのスーパーには「ミルクATM」と呼ばれるものがあり、そのATMのオーナーが契約した農場から新鮮な牛乳が配達されています。消費者は必要分だけレジに伝え、お金を払えば、持参したボトルに入れてもらうことができます。

 

毎朝スーパーに運ばれてくるミルク缶

 

ミルクATMの新鮮な牛乳は販売量が限られているため、毎朝スーパーの開店前から行列ができています。


以下からは、ここで販売されている牛乳のことをフレッシュ牛乳と記載します。

 

 

なぜ毎朝並んでまでフレッシュ牛乳が欲しいのか

 

 

 

ミルクATMに買いに来ている人

 

毎朝、開店前からできる「ミルクATM」の行列。

この人気の理由は何なのでしょうか。


まずは、上記3種類の当たりの値段を調べました。すると驚くべきことが分かりました。

 

低所得層向けと思われていた、賞味期限の長い「ロングライフ牛乳」が一番高かったのです。「フレッシュ牛乳」ではないのです。

 

 

100人にミルクに関して聞き込み

 

スーパーから出てくる人に片っ端から声をかけ、聞き込みをすることにしました。

 

最初の質問は、一番好きなミルクはどれか。

そして、その理由。

 

 

 

一番安く、おいしいフレッシュ牛乳が一番好きな牛乳と答える人が80%を超えていました


ロングライフ牛乳と答える人はいませんでした。

 

次にどれくらいの頻度で牛乳を購入しているのかを質問しました。

 

 

 


●スーパーの近くに住んでいる人は、毎日来ていると答える人が多い。

●しかし、約70%の人は毎日スーパーに来ることはできない

●毎日スーパーに来ることができる人は毎朝並んで、フレッシュ牛乳を購入する。

 


一方で、毎日スーパーに来れない人にはある特徴があることがわかりました。

 

 


7割の人は毎日スーパーに来れるわけではないので、フレッシュ牛乳に加え、ストック用としてパッケージ、もしくはロングライフ牛乳を購入していることが分かりました。


多くの人がフレッシュ牛乳を好む一方で、毎日来ることができないため、保存用として、パッケージ牛乳、もしくはロングライフ牛乳を買っているということが判明しました。

 

 

牛乳に関する聞き込みで確信したこと

 

 彼らが、パッケージ牛乳やロングライフ牛乳を購入する理由は「フレッシュミルクだけを買いたいけれど、毎日スーパーに行くことができないから」というもの。


つまり、「彼らの代わりにフレッシュ牛乳を仕入れ、毎朝彼らの家まで配達する仕組み」を創ることができれば大きなビジネスチャンスがあると思いました。


そして、アンケートを取った100人の中で10人に限定し、フレッシュミルクの配達を行いました。

 

タクシーの運転手に協力してもらいミルクを配達。

 

「通常のフレッシュ牛乳の倍の値段で配達しますがどうですか」と聞いたところ、8人が配達してほしいと答えました。私は次の日から毎朝彼らの代わりに、朝早くにスーパーに並び、フレッシュミルクを配達しました。


彼らからは毎日オーダーがあり、私はフレッシュミルクを配達し続けました。配達し続けて三日たった時に、ある顧客から言われました。


「私の友達も届けて欲しいと言ってるんだけど、配達できる?」


自分のサービスが認められた気がして、とても嬉しかったです。

 

同時に、彼らのために「自分がこのサービスを創るんだ」と強い使命感が生まれた瞬間でもありました。

 

顧客への配達も実際に行うことで、顧客の声を直接聞けたこと、そしてこの事業の可能性を感じることができたことは感覚値として非常に重要であったと思っています。

 

 

 

ケニアの首都「ナイロビ」の人口は約300万人です。


仮に平均世帯数を4人と設定し、1世帯毎日1リットル消費すると仮定。


牛乳の1L当たりの平均売値が130円であるため、市場規模は約356億円になります。


そのうちの10%、35億円の市場獲得を目指します!

 

最後に
 

以上が、「ケニアに住む人に毎日安くておいしい牛乳を届ける仕組みを創りたい」と思ったキッカケとプロジェクト内容です。


ミルクをきっかけに消費者の信頼を獲得し、最終的には顧客までの自社配達網を構築します。それは彼らにとって欠かせない生活インフラになると考えています。


近い将来にはITを活用して、スマホ1つでで簡単に購入できる仕組みを創りたいと思っています。


そのために皆さまの暖かいご支援が必要です。


今回のクラウドファンディングで調達した資金は、以下のために使用致します。


1.ミルクに関わるサプライチェーンの実態調査

2.調査のための移動費

3.倉庫代

4.牛乳殺菌機器の購入

5.牛乳用冷却タンクの購入

6.ミルク缶の購入

7.ライセンス取得費用

8.月間オフィス賃料


オフィスは当分の間ケニアにある有名なコワーキングスペースの「iHub」を予定しています。「iHub」はケニアのテック系スタートアップが多く集まるコワーキングスペースです。

 

「iHub」の詳細はこちら

 

3か月ごとに進捗報告を行います。

 

最後まで読んで頂きまして有難うございました!

 

泉田大輝

 

  • 2018/03/06 19:11

      しばらく活動報告がてきておらず申し訳ありませんでした。 泉田です。   ご支援、応援してくださった皆様に近況を報告させてください。 結論から先に言うと、2カ月半の調査・販売を通して、ミルクのデリバリービジネスは難しいということになりました。 理由は、3つあります。 一つ目は、...

  • 2017/10/23 19:56

      お久しぶりです。 泉田です。 今回のクラウドファンディングプロジェクトがとうとう終わってしまいました。 期間を一か月と設定し、取り組んだクラウドファンディングでしたが、募集期間終了になるまで本当にあっという間でした。 ご支援してくださった方、拡散の協力をしてくださった方、応援して...

  • 2017/10/17 20:35

    こんばんわ。泉田です。 ご支援、ご協力本当に有難うございます。おかげ様で昨日設定した目標金額(65万円)を達成することができました。本当に有難うございます。 気を引き締めて、あと残り3日で70万円を目指そうと思います。引き続き宜しくお願い致します。 今日は朝早くから、フィールドワークに出...

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