はじめに・ご挨拶

はじめに軽く自己紹介をします。2021年4月に新刊書店『檸檬』を開く大知航貴です。本を読みはじめたきっかけは失恋してすごく落ち込んでいた時に、たまたま本屋で手に取ったゲーテの『若きウェルテルの悩み』を読んだからです。紙の手触りを感じながら指で頁をめくり、言葉を感じることで心が救われました。『若きウェルテルの悩み』は名作ですが、もし電子書籍でスクロールしながら読んでいたら、そこまで心に響かなかった気がします。本という器が持つ力に惹かれ、本を読む文化を広めたくて本屋を開くことにしました。


このプロジェクトで実現したいこと

本と人が出会い、人と人の繋がりが生まれる本屋を作ることです。

本を読むことも勿論大切なんですけど、本を読むだけだと少し勿体無い、僕たちは現実に生きている訳だから、本を読む感動を誰かと共感して欲しい、そんな思いから「本と人が出会い、人と人の繋がりが生まれる本屋」を実現させたいです。単純に自分の周りに本を読む人がいないから、そんな場があったらいいなぁと思ってました。

インプットとアウトプットのバランスって大事だと思っています。失恋の話に戻るんですが、本を読むだけでは完全に復活はできなくて、とにかく違うベクトルにエネルギーを使うために絵を描きました。そうすると楽しくて自分で描いた絵をステッカーにしました。するとさらに楽しくて、アルバイト先の古着屋にステッカーを置かさせてもらって販売もしました。気がつくと僕は立ち直っていました。だから本と同じくらい、アウトプットも大事だと感じています。本と出会うだけでなくアウトプットの場にもなればと「人と人の繋がりが生まれる」をコンセプトに据えてます。

人と人の繋がりといっても、その形は無数にあります。直接、コミュニケーションを取らずとも自分の描いた絵を持ってきてもいいですし、それをお店に飾ってもいいです。作品で繋がることも1つの方法かなと思っています。僕も話すのは得意ではないなと感じることもあります。色々な形があります。


店名は天命

本屋の名前は新刊書店『檸檬』

生産量日本一の広島の瀬戸内檸檬を使った檸檬サワーと僕が大好きな梶井基次郎の『檸檬』

この名前しかないなと思いました。天命です。


『檸檬』愛

著者の梶井基次郎は身体が弱く31歳という若さでこの世を去ります。そんな彼の死への恐怖とでもいうベき焦燥を『檸檬』の主人公「私」から感じるのです。主人公は昔好きだった丸善のような煌びやかで豪華なものを寄せ付けなくなってしまう。逆に安っぽくてみすぼらしい果物屋の檸檬の素朴な美しさに惹かれていきます。僕はこの感性が好きです。死を目の前にしても、美しく感じるものは煌びやかで豪華なものでもなく、1つの素朴な檸檬のようなものだと思います。



新刊書店『檸檬』の面白み

本と本の交換所

「本と人が出会い、人と人の繋がりが生まれる」ためには何か仕掛けが必要です。自然にコミュニケーションが生まれるような何かです。そもそも読書は孤独な没入を要するものだから難しいです。基本的に本を選んで、本を読み終わるまでは一人で完結してしまう。そのあとに誰かに本の話をするだとか、SNSに読書感想文を投稿するなどのアウトプットに移行します。その2つの間にある壁を無くして、自然に繋げたいと考えていました。考えた結果、自分のために本を選ぶことと、誰かのために本を贈ることが同時にできれば、「人と本が出会い、人と人の繋がりが生まれる」本屋になるという答えになりました。それが本と本の交換です。だから新刊書店を名乗りながらも、本を売ることよりも、この世に既に存在する本と人を循環させる道を選択しました。


「檸檬爆弾」カード

本をただ交換するだけでは、繋がりが生まれません。だから本を交換するとき檸檬爆弾カードを書いて、本にはせてもらいます。

檸檬爆弾カードとは

「変にくすぐったい気持が街の上の私を微笑ませた。丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が私で、もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなにおもしろいだろう」『檸檬』の最後にこの一文があります。

要するに、丸善の本棚に檸檬という爆弾を置いて、爆発させるという妄想です。

この表現を利用して本を交換するときに、みなさんの思いをカードに書いてもらって、次に本を手にとる人に、何かきっかけを生む爆弾を仕掛けてもらいたいです。

例えば、僕がゲーテの『若きウェルテルの悩み』を本棚に置いて、代わりにサン=テグジュペリの『星の王子さま』を手にとるとするならば、カードにこう書きます。「この本は失恋して辛かった時に出会った本で、僕が本を読み始めるきっかけになった本でもあります。主人公のウェルテルの気持ちに共感しました。何か悩みがあったり気分が落ち込んでいる人の助けになる気がします」書いたカードを開いた本にはせます。そして『星の王子さま』を手にとり頁をめくるとカードにこう書かれています。「子供向けの絵本だと思っていて敬遠していたのですが、読んでみてびっくり。大人こそが読むべきものだと気づきました。キツネさんのあの言葉が忘れられません。心に残ります」

こんな感じで書く内容はなんでもありです。

カードを書くことで見えない誰かと繋がれます。本を手にとると、何かしら誰かの生きた足跡が本に残るのです。それが本と人の出会い、人と人の繋がりになります。

梶井基次郎を健康にする檸檬サワー

本との出会いは本を書いた著者との出会いでもあります。だから本と人との出会いも、人と人の繋がりと言えます。僕が『檸檬』という本に出会ったとき、僕は著書の梶井基次郎にも出会っているんです。『檸檬』という作品だけでなく、梶井基次郎の人生を知って、さらに作品の良さを知ることができます。梶井基次郎は身体が弱く、若くして亡くなりましたが、作品を通して今も繋がれます。『檸檬』は錯覚や妄想を使った文章表現が特徴的です。僕も妄想してみます。「新刊書店『檸檬』にコホコホと咳をしながら、ゆっくりと階段を下りて梶井基次郎が入ってくる。そんな彼を見て、氷を入れたグラスに、檸檬の皮と実と彼が療養のために過ごした伊豆の地酒を漬け込んだものを注ぐ。仕上げに炭酸水を注いで彼の手元に置く。みすぼらしくも素朴な檸檬を感じて少し体調が良くなる」こんな妄想も繋がりの1つです。ぜひ、僕と梶井基次郎の繋がりの檸檬サワーを飲むことで、お客さんにも健康と梶井基次郎との繋りを感じていただきたいです。


本とナチュラルワインのペアリング

繋がりは本を書いた著者に留まりません。著者の生まれ育った土地や、作品が書かれた場所、作品の舞台とでさえ人は繋がることができます。行ったことのない国や地域だったとしても、言葉で繋がります。パリといえばエッフェル塔ですが、ヘミングウェイやフィッツジェラルドの小説を読んでいると、パリのそこら辺にあるカフェでさえ、もしかするとあの時代の芸術家たちがそこで青春を過ごしていたのかなと想像できます。想像で繋がることができるのが読書の良さです。そんな繋がりを生む手助けをナチュラルワインはしてくれそうです。ナチュラルワインは葡萄の栽培に化学肥料や農薬を使わないのはもちろん、醸造する時も酸を補ったり、糖分を補うために添加をしない製法で作られたワインです。言うなれば、古く原始的。原点だからこそ、昔の文豪たちが飲んできたワインに通ずるものがあります。著者の生まれ育った土地や本が書かれた場所、本の舞台とナチュラルワインの生産地をペアリングして味わってみてください。何か感じるものがあるかもしれません。もし何を選んでいいか分からなければ、僕の方から提案させてください。

以上の4点が本屋『檸檬』の面白さになります。結果、伝えたかったことは「読書は孤独の営みだけど、いろいろな面で人と繋がりを持って生活に結びついている」ということです。そして、この4点は本と人、人と人を繋げることのできるコンテンツだということです。


資金の使い道

冷蔵庫や冷凍庫など必要機材 40万円

本の仕入れ30万円

本棚などの什器や椅子などの家具

内装費やスピーカー 30万円


お店のアクセス、営業時間

〒730-0037

広島県広島市中区中町2−22中町ビル地下1F


月曜日定休日

火曜日〜木曜日 13:00〜22:00

金曜日     13:00〜24:00

土曜日     10:00〜24:00

日曜日     10:00〜22:00


リターンのご紹介

お店に足を運んで楽しめるリターンとお店に立ち寄らなくても受け取れるリターンがあります。お好きなリターンをお選びください。

最後に

本を読む文化を残す、広めるためにやれることは本を売る以外にも方法があると思います。色々な角度からアプローチして、本と人が循環する本屋を作りたいです。ご支援よろしくお願いします。


<All-in方式の場合>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください