こんにちは。

IL DOGEとEL PORTEGOの2店舗を運営するiD&Co代表の三浦貴広と申します。

東京・高円寺で約9年前に独立し、現在はヴェネツィアスタイルのイタリアンを2店舗運営しております。

現在、どの飲食店とも同じように、コロナの影響で店の存続危機に立たされました…

お店の前 人のいない高円寺


コロナというやつは、

私たちが表現したいことを真っ向から否定してくる、

本当に厄介者です。

人間の根本的欲求である、

人との交流を悪用するのですから。

人と人のコミュニケーションを阻害するなんて...

そもそも私は、

人々の出会いと交流の場を作りたくて、

店を作ったのです。



ヴェネツィアとの運命の出会い


元々、某セレクトショップで働いていましたが、

12年前に初めて行ったヴェネツィアで、

ヴェネツィア風の立ち飲み居酒屋、

バーカロに衝撃を受け、

東京でもこういう場所を作りたい!

と思ったのが私のストーリーの始まりでした。

ヴェネツィア・アカデミア橋の上からの風景


元々アパレルで働いていた頃から、

人間の幸せって何だろう?

という純粋な疑問を持つようになりました。

精神的な豊かさとはいったい?…

色々な本を読んだり、

考えたりしながらその答えを模索し続けていました。


そんな中、初めて行ったイタリア旅行。

そして、その答えをヴェネツィアで発見したのです。

ヴェネツィアで最も刺激を受けた店、アル・レメール


街の至る所で、ローカルの人々の幸せそうな風景。

いつも語らい、笑い合っている。

人と交流しながら、その瞬間を楽しんでいる。

それを単なる観光客の自分が、

外から眺めてるわけだが、

それでもこっちまで幸せな気持ちになってしまう。

ここの人たちは、

毎日こんなことをしながら生きているのか?

であれば人間にとってこんな日常は幸せに違いない!

大運河の船着場でアペリティーボを楽しむ人たち


狭い通りで、運河の橋の上で、ちょっとした広場で。

そんな風景は広がっていました。

しかし、どこよりもそんな風景が見られる場所、

それはバーカロでした

バーカロで楽しむ人たち


そこにはいつも人が集まっていて、

グラス片手に幸せそうな時間を送っている。


速攻恋に落ちました。


最高のパフォーマンスのバーテンダー


こんな場所を東京にも作りたい!


理由もなく、

ただただその衝動に駆られ、

突き動かされました。



8年勤めた会社を退社


独立するために、翌年に会社を退社。

とりあえずヴェネツィアだから、

イタリア料理とワインを勉強しないとということで、

先にプータローになっていた、

アパレル時代の後輩の中村に

「俺は料理勉強するから、こうちゃん(中村)はワイン勉強してくれ」と誘い、

2人で1年半それぞれ飲食店で働き、

基本を学びました。

独立を共にした中村(こうちゃん)


勤務先のお店で学んだことを家で実践する毎日。

自宅に友人を集めて料理を食べてもらったりも、

しょっちゅうしていました。

フリーターとして働いていたので、

掛け持ちをしながら、

6つのレストランで経験することができました。



2年後に独立


それぞれ飲食店で働き始めた頃から、

2011年になったら物件を探そうと決めていました。

そしてそれまでに頑張って開業資金を貯めようと。

2011年までの期間は1年半だけでした。

でもどうにかなるだろうと。

そしてその月日はあっという間に過ぎ、

2011年を迎えることに。

早速物件探しをスタート。

まあ、半年から1年くらい探せば

良い物件が出てくるだろうと。


しかし、いざ不動産巡りを始めて

1ヶ月でステキな物件に巡り合ってしまいました。

無事契約を済まし、

さあ店の準備を始めようという時の話。

2人の貯金は合わせて0円…

慌てて資金集めに走りつつ、店の準備を進め、

なんとか2011年6月、

高円寺にANTICA LOCANDAをオープン!

1号店のANTICA LOCANDA


素人2人のイタリア料理店は、なんとも危ういが、

赤字になることなく順調にスタートを切りました。

その頃の私の料理の評判は

「たまに美味しくて、たまにクソまずい。

稀に絶品料理を作る」

といったところでした。


まあ、イタリア料理店としては、

大したことないお店だったかもしれませんが、

あの時ヴェネツィアで感じた世界は、

高円寺で実現されました。

2012年のANTICA LOCANDAの日常


人と人が出会い、

コミュニティが出来上がり、

毎日朝まで楽しんだ日々。

人は人無しには生きられない、

心の通じ合いこそが人を幸せにする要素の1つ。

私はこれを自分の場所で作り出すことに

喜びを感じていました。


料理を教えてくれた恩師が参戦。2号店、3号店オープンへ

2号店のIL DOGE


2年後には、フリーター時代にお世話になった

料理長の金子が加わり、

2号店となるIL DOGEを、これまた高円寺にオープン。

金子は生粋の料理人。

凄腕の持ち主。

ということで我々のお店は、

料理屋としても評判を上げていきました。

さらに新たに仲間が加わり続け、

気が付いたら日本、韓国、ロシア、

アメリカ、オーストラリア、イタリアの

多国籍なスタッフ陣となっていました。

2017年の頃のスタッフたち


忙しい日々が続いていた中、

さらなる欲求が生まれてきました。

それは、より人と人が交流できる

「広場のようなお店」を作りたい。

正直その頃は忙しくて常連さんとまともに会話する

余裕がないことにジレンマを感じていました。

少しずつ常連さんが減っていっていたんです。


だったらこの近くに広場を作れば良い!


そして...


3号店のEL PORTEGO


IL DOGEをオープンした2年後、

3号店となるEL PORTEGOを、

またまた高円寺にオープン。

人と人が楽しめるセカンドホームという

明確なコンセプトの下に作り上げました。



人の輪も広がり続け、充実の毎日

EL PORTEGOの日常の風景


いつの間にか中村もソムリエの資格を獲得し、

我々のお店は、料理もワインも本格的な

イタリアンとして高円寺に根付きました。

そして飲食店という場所を通じて、

人の輪も広がり、お客さん同士も友達になり、

中にはカップルになったり、夫婦になったりも。



馬鹿なことで盛り上がったり、

真剣に人生を語ったり、

たまに喧嘩が勃発したり。

日々目の前に広がる光景は人間らしさに富んだ

幸せそのものの風景でした。



もちろん紆余曲折もありました。

1号店であるANTICA LOCANDAは

2018年に幕を閉じました。

経営者としての力が足りなかったことを

痛感する出来事でした。


それでも、今こうして一緒に働く

仲間たちやお客さんたちと、

共にステキな時間を過ごせる場所を

共有できていることに誇りを感じております。

常連さんの中にはイタリア人をはじめとする外国人も

多数いて、まさに国境のない、

世界中の人たちの交流の場として存在しております。

お店を通じて仲間になった人たち


そして2020年3月…


コロナウイルスが世界中に蔓延し出しました。

コロナのニュースが日々耳に入ってくる中、

3月の上旬は、

コロナはまだ対岸の火事のようでした。

お店も賑わっていました。


怪しくなってきたのは3月の下旬あたり。

オリンピックの延期が決まった辺りから。

自分の中で、これは感染爆発するかもだぞ、

と感じ始めました。

となると、スタッフにもお客さんにも

感染させてしまうこともあるかもしれない…

スタッフにイタリア人もいたので、

イタリアの酷い状況もリアルに伝わってきて。

結局スタッフのイタリア人は

3月末に急遽イタリアに帰国。

自国で2週間の隔離に入りました。


正直、そんな中でもお店に来てくれるお客さんも

少なくはなかったのですが、

果たしてこのまま営業を続けて良いのだろうか。


4月からは自主的に営業時間短縮を始めました。


人と接触すると感染してしまう…

今世の中に求められている事は、

人と会わないこと。

会話を控えること。

家に居ること。


これが命を守るためのルールとなりました。

感染者が増えれば、医療従事者の方々が

益々危険で大変な日々を送ることになる。

そして救えない命も増えていく。


私が表現したいことは、

人間にとって避けなければならないことと

なってしまいました。


まだ未知な部分も多いコロナウイルス。

たとえ20時までであろうと、

店内にお客さんを招き入れることは、

不幸を与えてしまうかもしれない。

スタッフだって不安を抱えるだろう。



もちろん生き残る為には売上も大事。

お客さんとも接したい…



でも、今すべきことは…?



やっぱりこれしかない。



店内の営業をやめました。



テイクアウト専門店になりました。

少なくとも治療薬が出回って、

コロナウイルスが人々にとって

そこまで脅威ではなくなるまでは、

テイクアウト専門店です。

売上はガタ落ちです。

かつての「交流の広場」でもありません。

それでもたまに顔を出してくれる常連さんが、

心を和ませてくれます。

今さらのように、当たり前の、

以前の日々がどれだけ幸せだったのかと、

痛感させられます。



一方で、このコロナ禍の中で、

色々考えさせられてます。

ただ飲食店を続けるだけでは、

コロナに打ち勝っても、

別の脅威がやってきた時に生き残れるかとか、

そのために新しいチャレンジも

していかなければならないだろうとか。

実店舗だけでなく、通販をやったり、

飲食以外のビジネスもやったりするべきだとか…。


しかしながら、我々の心の中心にある想いは

今後も変わらないのです。

むしろ、このコロナ禍で出会いを制限されて、

益々膨れ上がっています。


人との出会いや交流の場所を提供し、

人々の日常的な幸福に貢献したい。

人は孤独では生きられない。

他者と心を通わせることこそ、人間の幸福である。


死んでもこの想いは揺るぎないでしょう。


今後は、この人の輪をもっと大きく、

できれば世界中に作りたい。

今はそんな想いを具現化するためのプランを考える

貴重な時間ともなっております。

私にこの想いをプレゼントしてくれたヴェネツィアに

自分たちのお店を出すというプランも思考中です。

イタリアと日本を繋げ、さらには世界中へ…。

国境なき交流団とも言うべきでしょうか。

まだまだ夢があります。成し遂げたい目標があります。


そのために今、この困難を乗り越えたい。



そして。



この困難を乗り越えるために、

皆様のお力添えをお願いさせて下さい!!

現在のスタッフたち


もともと店内飲食がメインの2店舗なので、

テイクアウトオンリーの営業の今、

完全に赤字に陥ってます。

4月は前年と比べ約60%ダウン。

生き残るためにもちろん、

給付金なども申請を出しながら、

今回CAMPFIREさんのクラウドファンディングにも

お世話になることになりました。


このコロナ禍はどれくらい続くのかは不透明です。


数ヶ月かもしれない。

半年かもしれない。

1年以上かかるかもしれない。


例えそうだとしても、必ず生き残る為に、

ぜひ皆様のご支援をお願いしたいと思います!


今回皆様より頂くご支援金は、家賃や仕入費、

人件費等の運転資金に使わせて頂きます。


リターンについて


リターンに関しては、バリエーション豊富にご用意させて頂きました。

食べる、飲む、遊ぶ、着る、聴く、学ぶ...

飲食店らしいものから、全く関係ないものまで。

しかしながら、スタッフ総出で、個性を余すことなく振り絞ったリターンの内容となっております。

楽しみながら、ショッピングのような感覚で見て頂けたら幸いです。

また、「もっと支援してやるぞ!」という方は、上乗せ支援して頂けたら幸いです。

皆様のご支援、宜しくお願い致します。



店舗 PROFILE


BACARO & OSTERIA IL DOGE

03-6304-9525

東京都杉並区高円寺南3-45-11 RIC高円寺1F

★前菜からパスタ、メイン、ドルチェまで楽しめるフルラインナップのイタリアン!ヴェネツィアの裏路地をイメージした店内は3つのエリアに分かれていて、常連さんはカウンターで楽しまれます。

HP  https://il-doge.com/

Instagram  https://www.instagram.com/ildoge_koenji/

FACEBOOK  https://m.facebook.com/BacaroOsteriaIlDoge/



BACARO & PIZZERIA EL PORTEGO

03-6304-9574

東京都杉並区高円寺南4-9-3 第一矢島ビル101

★ピッツァとワインがウリ。店内はヴェネツィアの小さな広場をイメージしており、街角で立ち話するかのように、気軽に会話が楽しめるような雰囲気です。

HP http://el-portego.tokyo/

Instagram https://www.instagram.com/elportego_koenji/

FACEBOOK https://m.facebook.com/elportego/



最後に


私の大好きな格言があります。

これはアイルランドのウィリアム・バトラー・イエィツという詩人の言葉です。



There are no strangers here; 

Only friends you haven't yet met.


”ここには見知らぬ人は誰もいない

まだ出逢ったことのない友達だけだ”



なんと素敵な表現でしょう!

このフレーズを初めて見たのは、

なぜかヴェネツィアでした。

これも何かの縁かもしれません。


コロナ禍が去った後は、

再び出会いの毎日が始まります。

今、これを読んで頂いている方は、

既に知り合いの方かもしれませんし、

まだ出会ったことのない方かもしれません。

1つ言えることは、

既に私たちはお互いに友達であると言うことです。

そこにあるのは、既に会っているか、

まだ会っことが無いかの差だけです。

少なくとも、私はそう思いたいです。


既に出会っている友達と、

またお店で会えることが待ち遠しい。


そして、まだ会ったことのない友達の方へ。


近い将来出会えることを、心から楽しみにしています。


今は、図々しい話ですが、力をお貸しください。


そして、この先再び出会いの連続の日々が


訪れることを願って、


今を必死に頑張りたいと思います。


長々とこの文章にお付き合い頂き、


ありがとうございました。



株式会社 iD&Co 代表 三浦 貴広


  • 2020/08/02 18:59

    改めまして、クラウドファンディングにご支援頂きまして、ありがとうございました!お食事券やその他のチケットは、既に発送させて頂きました! 店頭お受け取りの方で、まだ御来店頂いていない方はご都合に合わせて、いつでもどうぞ。Tシャツやエプロンは、来週に当店に到着予定です。梱包後に発送致しますので、も...

  • 2020/07/08 11:28

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2020/06/26 11:39

    私たちのクラウドファンディングが終了しました!310万円のご支援、244名の方々からご支援頂きました!心から感謝いたします!ありがとうございます!何度も述べているように、皆様からの想い、気持ちが本当に嬉しいんです。絶対に店を続けていかなければいけない。そんな気持ちにさせてくれました。コロナ前で...

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください