はじめまして、キュレーターの宮浦晋哉と申します。

インターネット通販や書店さんを通して手にとってもらうだけでは伝わりきらない書籍制作の背景や想いをお伝えして、書籍を読むだけではない体験のきっかけにもなればと思い、2度目の書籍の出版を前に、 CLOSSでクラウドファンディングを行います。

これまでの活動と、今後の展望を簡単に自己紹介させてください。

▼「Secori Book」

4年半ほど前からキュレーターと名乗り、週の半分は東京にいて、半分は産地という生活をしています。主にファッションデザイナーさん、産地の職人さん、メディア関係者の皆さんとお仕事をしています。

今の仕事のきっかけとなったのが、ロンドンに留学していた学生時代、
「国内随一の技術を持つ機屋(はたや)が廃業」というニュースが飛び込んできました。

-日本の職人は高い技術を持っていて、良い素材をつくる。そして日本の素材はパリコレなどでもシェアが高いのに、国内の工場は廃業してしまう。-

たくさんの方がこの課題についてブログやSNSを更新していて、溢れる議論や情報を追いかけたのを覚えています。そして、直接お話を聞いてみたくなり職人さんを訪ねたのがきっかけとなりました。

「産地のことを知りたくて、何かしたいならその目で現場を見てまわらないとね」
工場で、繊維産地の歴史や業界が抱える課題について聞かせてもらったあと、職人さんからのこの言葉が衝動となり、産地の工場を訪ねまわることをはじめました。

約3ヶ月間の工場の取材で聞いたお話や、現場の魅力や感動を自分なりの視点で編集して自費出版したのが「Secori Book(セコリブック)」です。手売り販売と国内外13店舗の書店さんのご協力を得て、現在、手元にあるのは見本誌のみとなりました。

デザイナーさんからは「もっと産地の情報を知りたい」
職人さんからは「デザイナーさんたちが考えていることが読めて面白かった」
読者の方からは「服づくりの背景を見ることができて新鮮だった」
たくさんの応援の言葉をもらって、三者を繋ぐような媒体づくりができたことを実感でき、期待に応えて出版を継続する意気込みでしたが、活動のフィールドは実店舗へと移りました。

▼繋ぎ役という仕事

その後も、キュレーターとして自らが得た感動や情報を多面的に伝えていく「繋ぎ役」として機能することを目指してきました。工場を訪れると展示会には並ばない素材、職人さんのイチオシの試作品なども見ることができます。スワッチをいただいたり買わせてもらったりで、気がつくとテキスタイルのサンプルで部屋がいっぱいになっていきました。そうやって毎週各地で出逢ったテキスタイルそのものも共有したくなり、テキスタイルを並べておでん屋さんを併設したコミュニティスペースである「セコリ荘」が誕生することになります。産地の素材に出逢う場であり、人が人と出逢う場です。リアルの場でのコミュニケーションが軸足となり、執筆業は各媒体さんでの連載や特集が中心となっていきました。

▼『FASHION ∞ TEXTILE』の経緯

そして、2015年に北陸バージョンの「セコリ荘金沢」が誕生したことをきっかけに、北陸のものづくりの現場取材を中心に、4年越しの自主編集の書籍を出版する運びとなりました。

昨年から取材をはじめ、「ユウブックス」という版元さんから『FASHION ∞ TEXTILE』というタイトルで出版します。それに先駆けて、書籍の限定先行受注と、書籍の内容とリンクするリターンを多種ご用意しました。

日本の産地は、もっとファッションとリンクして欲しいし、
ファッションも、日本の素材と共にクリエーションして欲しいという
想いから、『FASHION ∞ TEXTILE』というタイトルになりました。

書籍を一足先に読みたい!漏れなく手にしたい!と思ってくださった方、
書籍にまつわる物や機会も合わせて手にしたいと思ってくださった方、
書店さんを通さない新しい出逢いを楽しみにしています!

▼「FASHION ∞ TEXTILE」の内容について

<目次(仮)>

PART 1 これからの日本のファッション産業

●Report

デザイナーと産地のコラボレーション CREATORS TOKYOの試み

5-knot×カナーレ、ユキヒーロープロレス×林キルティング、meanswhile×ウエマツ、LOKITHO×横貴繊維工業株式会社、HELMAPH&RODITUS×カナーレ、MIDDLA×東播染工

●Interview

大丸隆平/大丸製作所 2
菅野将史/経済産業省 製造産業局
齋藤 統/神戸芸術工科大学・和洋女子大学・名古屋芸術大学

●Voice

三原康裕/Maison MIHARA YASUHIRO
蘆田裕史/京都精華大学
河野秀和/sitateru inc.
リドヴィッジ・エデルコート/トレンドユニオン
鈴木淳/台東デザイナーズビレッジ
横山泰明/『WWDジャパン』編集部
奥田博伸/奥田染工場

 

PART 2 北陸の服飾産地をめぐる旅

福富、マイテックス、山崎麻織物工房、松井機業、太陽、中嶋機業場、二口製紐、小山カバーリング、白龍、ウーブンナック

●SECORI’s activities

TEXTILE JAPAN—メディアと問屋の融合
セコリ移住計画—日本中の産地でポップアップ拠点をつくる
産地の学校-2017年5月開校!
ODEN PROJECT—ファッション教育を考えよう!
セコリの活動年表

『FASHION ∞ TEXTILE(ファッション・テキスタイル)』(仮)はSecori Galleryの創設からこれまでの活動を振り返りながら、これまでの取材活動を通して見えてきた繊維産地、アパレル業界の目指すべき姿に迫っていきたいと思い、制作してきました。
また、この書籍の出版を最後に、コミュニティスペース「セコリ荘」は一次・閉幕となります。メンバー一同想いと情熱を込めて作ったので、是非受け取っていただけたら幸いです。

誌名:『FASHION ∞ TEXTILE(ファッション・テキスタイル)』(仮)
発売日:2017年6月下旬発売予定
判型:B5判・160ページ
定価:2,300円(税別)
(4月上旬・現在の予定です。若干の変更が起きる可能性があります)

 

<著者 宮浦 晋哉について>

1987年、千葉県生まれ。杉野服飾大学、ESMOD JAPON東京の夜間部でパターンメイキングとファッションデザインを学ぶ。大学卒業後、London College of Fashionに進学して、在学中にまとめた論文をきっかけに、日本のものづくりの創出と発展を目指した「Secori Gallery」を創業。国内の繊維産地を回りながら、執筆、編集、出版、展示会企画、メディア運営、スペース運営、企画、素材・商品開発、産地活性、プロジェクトマネージメントなどに携わる。2013年よりコミュニティスペース「セコリ荘」が活動拠点。さまざまな地域でものづくり、ことづくりに携わる。2017年はテキスタイルのプラットフォームメディアと、産地の学校をスタート。あだ名の「セコリ」からセコリギャラリー・セコリブック・セコリ荘・セコリチャンネル・座セコリ... など多数のプロジェクトを展開。

<Secori Galleryについて>

ロンドンでの日本の若手ブランドを集めた展示会の開催をきっかけに2012年、設立。年間約200ヶ所の国内の工場を訪問しながら、東京と産地・ファッションとテキスタイルの間を行き来するキュレーション事業。

ウェブ・紙媒体での情報発信、メディア・コミュニティスペースの運営、展示会の企画開催、ブランドと産地のマッチング、生産フォローなどが主な事業。産地ツアーなども定期開催。

http://secorigallery.com/

▼リターンについて

¥32,000
書籍に登場するブランド「MIDDLA」のこだわりのタイプライターによるオリジナルシャツについて
http://middla.jp/
※白/ネーヴィー/サックスブルーの中からお選びください
※レディース/メンズサイズ 1,2,3
※税込/送料込

・1(S)サイズ
着丈 64
身巾 48.5
肩幅 39
袖丈 56

・2(M)サイズ
着丈 67
身巾 49.5
肩幅 41
袖丈 58

・3(L)サイズ
着丈 70
身巾 50.5
肩幅 43
袖丈 60

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