2019/08/16 12:00

応援して頂いている皆様、こんにちは!鳥大アジアブリッジコンペチームの宮内です!

皆様の応援により、無事インドネシアに行き、大会に参加が出来そうです。本当にありがとうございました。
便の都合で、12時25分関西国際空港国際線ターミナル1出発のKEF724便に乗ることになりました。また韓国の仁川空港を経由することになりましたので、ご報告致します。(この便しかメンバー分の座席が残っていなかったため)

フライトのチケットの振り込みも完了し、インドネシアでの宿泊施設の確保を完了出来ました。

現在、私達は大会に向けて橋のたわみ調節と、橋の組み立てスピードを競う競技の練習を重ねています!

大会のルールで設定されていた、橋のたわみ計測点がつい最近になって突然変更され、橋のたわみを調節する必要がありました。ですが、それらも無事調節が終了し、いよいよ確実な勝利を射程圏内に収めようとしています。(たわみ調節については、本当に頭を悩ましました。しかし突然のルール変更にも柔軟に対応することが出来る状況とそして柔軟性を備えた橋を設計することが出来て本当に良かったと安心しています。)

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ちょっとだけ専門的なお話します。
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重りを載せて橋の挙動を確認する載荷試験を実施したのですが、実は1つ問題が発生しましたが、それも無事にクリアしました。橋の吊材は以前の設計では丸棒を採用しており、外観的にもスレンダーで美しいものでした。また吊材の境界条件は全てピン結合を採用することで、橋の部材寸法も細い物を採用することが出来ていました。ですが面外方向への変形に弱く、100kgほどで面外に横倒れをしていました。(載荷荷重は400kg)

これまでの知見として、橋の端部に横桁があった時は、吊材が丸棒でも横倒れは発生していませんでした。しかし、今年の橋梁は端部の横桁を排除し、徹底的に重量軽量化を目指したタイプになっていることから、もしかすると、吊材が丸棒である場合、横倒れのタイミングは早期に来るであろうと予想はしていましたが、それが100kgのタイミングで来るとは...200kgまで載荷した後に載荷する残りの200kgは別地点に載荷し、それは橋梁にとって優しい方向へと作用するよう設計してあるので、何とか200kgまで保ってくれと願いましたが...以下の様に100kgで横倒れ破壊してしてしまいました。

明らかに左側の部材が曲がりに曲がっているのが分かります。また上弦材の部材の寸法がとても華奢なのも原因の1つだと考えられます。手前の木製の板は、載荷する重りを乗せるための役割を果たす板なのですが、横倒れをした衝撃で、本来板が載っている箇所から外れ、落ちています。

急遽設計を変更し、吊材を角材に変更し、橋の全ての境界条件を剛結合にしました。また面外方向から見て、四角形のフレームを載荷点毎に設置し(合計3つ)、載荷点それぞれに発生する面外曲げモーメント毎に1つ1つ抵抗出来る機構としました。(以前は1つの機構で抵抗するのみでした。)

重量は少し増えてしまいましたが、面外曲げモーメントによって横倒れする際、これまでは丸棒のみで抵抗していましたが、太い角材となったことで面外方向への変形には格段に強くなり、載荷試験でも横倒れすることはありませんでした。トライ&エラーを繰り返し、橋もそうですが私達の成長も確かに感じています。以下が生まれ変わった私達の橋梁です。全体的に無骨なデザインとなりました。

今はまだ塗装をしていませんが、19日に塗装を実施する予定です。塗装は直前に行います。少しでも剥がれないようにするためです。完成イメージとしては以下の様なデザインです。

塗装し次第、メンバー全員で記念写真を撮影し、皆さんにお見せしたいと考えています。

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現在は・・・
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 4人の組み立てメンバーで組み立て練習を早朝から夕方にかけて、現在取り組んでいます。
構成されるメンバーは今年のブリッジコンペが初めての子たちで、まだまだ20歳になったばかりの子たちや3回生がメインです。ですが、飲み込みが非常に早く、また自分たちで課題を見つけ、自分の言葉で自分なりの答えを見つけようと努力するメンバーばかりで、リーダーである私も助かっています。このような子たちに「自身の意思や想い」を継いでもらい、今後の成長に活かして欲しいなと切に感じます。

 クラウドファンディングのサイトにもある通り、昨年アジア大会に参加し、非常に悔しい想いをしたので、アジアブリッジコンペチームを今年も結成しよう!と考えた際、初めは私含めてもメンバーはたった3人だけでした。そこから今のチームの人数になり、今に至ります。

 まず何よりも、設計よりも先にリクルート活動が1番私達のミッションでした。目指す理想が高い故か、様々な人に声をかけましたが、中々集まらず難航した時もありました。
目指す先が、日本一ではなく、更にその先のアジアの頂点を取る!というのだから、そりゃ普通の学生はきっと尻込みするのが普通です。今の若い人や学生は挑戦を恐れる傾向があるので。
そんな中で、出会った彼ら彼女ら、若い芽が、私達の想いに賛同してくれ、2月頃から春休みもあまり帰省もせず、設計の仕事に従事してくれました。1年目は分からないことばかりで大変だったと感じますが、それでも心折れずに、ましてや(割と普通の人とはおそらくちょっと違う志向や信念を持つ)自身に付いてきてくれるということは非常に嬉しかったことを今でも強く感じます。そして今彼ら彼女らは組み立て練習において既に結果を出しつつあります。そんな彼ら彼女らを見て、確かに心の中で確信したことがあります。

若い世代を信じ、そして想いを託す。

 私自身、鳥大のブリッジコンペに4年間在籍し、今年で6度目のブリッジコンペに参加します。こんなに参加した学生は鳥大でも私で最初で最後だと考えていますが、後輩たちが引き続き継続して挑戦してくれると私個人の想いとしては本望です。

 私はひよっこだった3年生からブリッジコンペのキャリアをスタートし、4年生で日本チームのリーダーに着任し、仲間の支えあって日本一を取ることが出来ました。
また、大学院1年では副リーダーとして日本大会とアジア大会両方のリーダーのサポートを行い、そして学生最後の大学院2年では、再びこのアジアブリッジコンペでリーダーに着任し、日本大会の技術的サポートやチームマネジメントのサポートも行っています。
私は、学生として若い頃は先輩にビシバシ訓練され、そして期待され今に至ります。今の自分のキャリアがあるのも、自身の可能性を信じ、導いてくれた人のおかげだと考えています。今度は自身が若い世代を導き、彼ら彼女らがより人間的に成長し、人して各自の「個」が輝ける人財になれるよう、私が伝えることが出来ることは全て話そうと考えています。

 彼ら彼女らにアジアの頂点の景色を見せてあげたいと切に願いながら、日々彼ら彼女らの頑張りをチーム全体でサポートしています。

 アジアで勝つため、休日関係なく、メンバー全員で頑張っています!そして毎日最速タイムを更新し、成長が止まりません!これまで4年間ブリッジコンペの架設練習を見てきましたが、このチームは私にとって誇りを持つチームの1つです。

 大会のルール上、7分以下であればどれだけ早くても組み立てに関するスコアは同じになるので、最速タイムについては7分以下をマークすればOKです。現時点で既に7分以下をマークしているので、架設部門でスコア上、1位になれることは確かですが、やはり早いことに越したことはありません。

 現在出ている最速タイムは、なんと5分51秒!充分組み立て競技では勝利を射程圏内に確実に捉え、しかし決して慢心せず、残された時間を活用し、更なる高みを目指して、日々メンバー同士で切磋琢磨しています!

 大会まであと6日です。21日の24時まで組み立て練習を行い、その2時間後の22日深夜2時に鳥取大学を発ちます。もう後は優勝するしか無い。残されたことはあと優勝のみです!

 まだまだ引き続き頑張ります!優勝目指して頑張ります!