このプロジェクトについて
「メコンブルー」とは、カンボジア人女性のヌオン・チャンタさんによって創設されたシルクブランドです。
2001年に「読み書きのできない女性の自立支援」を目的に立ち上げられたこのプロジェクトは、この14年間で目覚ましい進歩をとげ、これまでユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の手工芸部門で3度の栄冠に輝きました。
女性の自立支援という意義にとどまらず、クメールの伝統工芸を受け継ぐ高い技術や、ファッション性の高いモダンなデザインが評価され、一歩一歩成長してきました。
しかし、課題がないわけではありません。現在メコンブルーにあるのは「平織り」というシンプルな技術のみで、デザインのバリエーションに限界があります。
この課題を“技術支援”という形でサポートしたいというのが、今回のプロジェクトのコンセプトです。
東京藝術大学で染織を専門に学ばれた海老塚季史さんを講師として派遣し、一週間の集中講座を開いて新たな技術を伝授していただこうと考えています。新しい織り方の習得は、元から創意工夫の精神に富んだメコンブルーの職人たちに無限の可能性をもたらしてくれるはずです。
サポーターのみなさまへ
これまで、エストニアのおばあちゃんが作るニット製品のネット販売などをサポートしてきました。そんな活動の中で出会ったのが、「メコンブルー」の創設者であるヌオン・チャンタさんです。
カンボジアは1975年から始まった16年にもおよぶ内戦により、あらゆるものが破壊されてしまいました。特に農村部では、人口の30%が1日1ドル以下で暮らすという貧困状態にあり、また女性への教育が軽視されているため、読み書きができないまま大人になる方が大勢います。
そういう状況を、仕事を通じた女性の自立支援という形で改革しようと動き出したのがこのチャンタさんです。彼女はシルクや織物についてまったくの素人だったにも関わらず、14年間のたゆまない努力により、これまで500人以上の女性と子どもたちの生活を支える事業にまで成長させました。
「メコンブルー」のシルクストールは、日光による色あせや洗濯などによる色落ち度合いを調べる「染色堅ろう度」という品質検査において、5段階中「4?5」という評価を得ています。「3」以上あれば百貨店に納品できるレベルなので、これは相当な高品質と言えるでしょう。
実際に日本では、「ソーシャルプロダクツ・アワード2015」を受賞したり、伊勢丹新宿店や阪急うめだ本店、日本橋髙島屋で催事を開催するなど、少しずつ評価を得始めている状況です。
そんな中、現地の職人さんと交流を深める過程で、彼女たちには「平織り」という技術しか持っていないことがわかりました。設備は揃っているのに、技術がないため製品のバリエーションに限界があるという課題が見つかったのです。
そこで立ち上げたのが、染織の専門家を講師として派遣するというプロジェクトです。具体的には、8月後半に専門家である海老塚季史さんをカンボジアに派遣し、一週間の集中講座を開いていただきます。みなさまにご支援いただきたいのは、そこにかかる費用です。
【費用の具体的な用途】
・製品サンプル作成
・クメール語の通訳
・航空チケット
・現地滞在費
・専門家アテンド
・サンプル工賃など。
「メコンブルー」で働く女性たちは、元からクラフトマンシップに富んだ人々です。そこに日本の技術力を伝え、さらなるクリエイティビティの底上げに協力したいというのが私の想いです。
彼女たちはすでに、「発注された製品を作ってお金を稼ぐ」というフェーズから、「世界中に自分たちの製品を待っている人がいる」という段階に入っています。これからますます発展していくであろうこのブランドを、みなさんとともに応援していけたらうれしいです。
プロジェクト応援団からヒトコト
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パタゴニア日本支社長 辻井隆行さん
当り前と思われるかもしれませんが、何か“もの”を買おうとした時に「それが、どこで、誰によって、どのような想いで作られたのか」を知ることはかなり困難です。
試しに、コンビニに行って「これって、どこの誰が、どんな職場で、どんな気持ちで作ったんですか?」と聞いてみて下さい。
嫌な顔をされるだけならまだしも、変人扱いされる危険すらあるかも知れません。 そういう世の中に生きていることを自覚した僕は、メコンブルーのようなブランドにとても強く惹かれます。
メコンブルーの製品を手にすることで、メコンの美しい人々や自然と繋がることが出来るからです。
同時に、そうしたブランドを無心に支援する高橋さんの活動にも心を打たれます。
何故なら、高橋さんの活動に賛同することで、自分にも善い心が残っていたことに気付くことが出来たりするからです。まさにプライスレスというやつです。
少しの後押しによって、働く方々がさらに前に進めるならこんな素晴らしいことはないと思います。微力ながら応援致します。
多くの方がこのプロジェクトに参加し、応援の輪が広がりますように。
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フリーアナウンサー、エシカル協会代表 末吉里花さん
初めてメコンブルーの玉虫色に輝くシルクのストールを手にしたとき、なんて美しいのだろうと、ため息がでました。きっとそれは、このストールが絹糸を紡ぎ、染めて、織って、製品になるまで、すべての工程でカンボジアの女性たちの手間と愛情がかかっている特別な1枚だからです。
「ものがたり」のあるこのストールが、今回のプロジェクトの実現によって、よりオリジナリティ溢れる、そしてカンボジアの子どもたちの未来にも繋がる1枚になるだろうと確信しています。
ストールで世界を変えるこのプロジェクト、私は心底応援しています! -
特定非営利活動法人インビジブル マネージング・ディレクター
林曉甫さん2013年にメコンブルーの展覧会をディレクションさせて頂きました。
展示の打合せのとき、メコンブルーができるまでの話を聞きながら、写真家の鈴木竜一朗さんが撮影したメコンブルーの生産地の風景などの写真を見せてもらった時、メコンブルーの色と、生産地の風景や夜の暗闇などの色彩がどこか似ているように思え「カンボジアに流れる時間や文化を身に纏う」をコンセプトに展示をしたいと考えました。
メコンブルーとは生産地の風景や色彩、そして文化を私たちの手元に届けてくれる「手紙」のようなものだと思っています。
新たな技術を身につけることで、メコンブルーが描く世界が広がり、また素敵な「手紙」が私たちの手元に届くことを楽しみにしています。
メコンブルーとは?
NPO法人「ポレポレ」代表 高橋邦之
メコンブルー創設者 ヌオン・チャンタ
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難民生活を送ったのち、「国境なき医師団」で看護婦として勤務。内戦後の荒れ果てた祖国を見捨てることができず、復興支援に関わったのち、エイズで死にゆく女性たちを看取るホスピスを開く。その多くは、貧しさのあまり教育が受けられず、売春婦として生計をたてざるを得なかった女性たちであったことから、このままでは負の連鎖を止められないことに気付き、地元の女性たちと共に、読み書きのできない女性の自立を支援するためのNPO「Stung Treng Women’s Development Center(以下SWDC)」を立ち上げた。
染織の専門家 海老塚季史
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2013年、東京藝術大学大学院染織専攻修了。現在、東京藝術大学美術学部染織研究室で教育研究助手として勤務。糸や布、旅行の際に集めたものなどを使い織りという技法で作品を制作、発表している。
最後に
200万円あれば3回専門家をカンボジアに派遣でき、技術移転のフォローアップができます(初回のみ、原材料費などがかかり、2回目以降は、経費を低減できる予定です)
更にもっと支援が集まれば、シルクだけでなく、コットンなどの異素材との組み合わせや絣染めの洗練など、更なる技術向上を図ることができます。
この工房は、カンボジアの最貧困地域にあり、経済発展からも取り残されつつあります。
メコン川沿いにある小さな工房から生まれたシルクブランドのさらなる発展に、ぜひ皆様のご支援・ご協力いただけると幸いです!